月別アーカイブ: 2013年1月

ちびうさがっこうへ!

ちびうさにとって今日は特別な日。今日から学校に行くのです。支度を終えたら、チャーリー・ホースと一緒に学校に行きました。けど、チャーリー・ホースはなかなかじっとしていてくれません。先生が絵本を読んでくれている時に飛び回ったり、ケーキ作りをしているときにボウルに飛び込んだり…。お弁当の後の散歩では、途中でチャーリー・ホースが見つけた花を摘んでいたら、みんなとはぐれてしまいました。ちびうさは森から出られるでしょうか…

なんともマイペースなチャーリー・ホース(苦笑)ですが、もちろんチャリー・ホースは本物の馬ではなく、おもちゃの馬。このチャーリーのわがままっぷりはもちろん…ここから先は書かなくてもわかりますね。けどそのわがままっぷりがチャーリー・ホースの行動として描かれることで、微笑ましいものになっています。これがそうでなかったら恐ろしい話になるところですが…。そしてラストにはちゃ~んと、チャーリー・ホースのマイペースっぷりも解決されます。けどこのシニカルっぽさは1年生には難しい気もしますが…


先生はシマンチュ一年生

おじいちゃん、おきなわの島にあたらしい「かんさいべん」の先生がやってきてん。この島のことが好きで、シマンチュにしてもらおうと思って来た「シマンチュ一年生」やって。けど、島のことを色々知ってるねん。「すきになって、そのあいてのことをしらんというのは、しつれいや。」って。それから、おじいちゃんの弟子にもしてほしいって。泳ぎは苦手やけど、きっと泳げるようになるでな?

すいません、ちょっとわかりにくいあらすじで(汗 沖縄・慶良間列島のひとつ、渡嘉敷島が舞台の絵本。主人公のケンちゃんの新しい担任の先生は、神戸からやってきた26歳の若い男性教師。島が好きで「シマンチュ」になりたくてやってきたその先生と子どもたちの、おそらく初めての授業を絵本にしています。けど、堅苦しい授業じゃありません。先生が島に来た理由から、島の話、魚の話など、授業というよりは会話に近い。けど、この先生が良い先生なんですよ。子どもの心をつかむのが上手いのも素晴らしいんですが、何より「子どもが好き」ということをしっかりと言葉で表せる先生。こんな先生、なかなかいないんじゃないでしょうか。ちょっと「入学」とはジャンル違いのようにも思えますが、こんな先生と子どもが出会えたら…と思い、ここに入れています。


しんぱいしんぱいウェンベリー

それはもうとってもとっても心配性な性格のウェンベリー。夜中、パパとママが大丈夫か心配になったり、庭の木が家に倒れてこないか心配になったり、ともかく何かにつけて心配になります。そんなウェンベリーの今一番心配なことは…幼稚園!名前をからかわれたら?トイレがみつけられなかったら?もう、幼稚園に良く前から心配で心配で仕方ありません。そんな幼稚園でウェンベリーが出会ったのは…

ともかくウェンベリーの心配性がすごくて、大人だと「えぇ~、そんなことまで??」と思うようなものも。けど、大人にとってはどうでも良くても、子ともにとっては大変な心配事、っていうことはウェンベリーに限らなくてもよくありますよね。そんな時に助け舟になってくれるのは…あとは、絵本を実際にご覧あれ♪


くんちゃんのはじめてのがっこう

「きょうからぼくがっこうにいくんだ。」くんちゃんは今日から1年生。おかあさんといっしょに学校に行きます。道々出会ったみつばちやこうもりやビーバーにも、「ぼくがっこうへいくんだよ。」と話しかけます。そうして学校について、お勉強が始まりましたが…

「くんちゃん、とっても学校へ行くのが楽しみなんだなぁ~」というのが伝わってきて読んでいて思わず微笑んでしまいます♪けど、学校で難しい勉強が始まり、小さくなってしまうくんちゃん。そうだよね、それはさぞかし不安になるよね~と読者の共感と心配を徐々に高めていきます。そうしてくんちゃんがいよいよ前に呼ばれた時には、くんちゃんの緊張感も、読み手の緊張感も最高潮に…しかし!ここで先生があわてず、落ち着いて、くんちゃんをまた教室に戻します。けど、何をどうこうするわけじゃないんですよね。先生は授業を続けるだけ。くんちゃんをしかりもしないし、追いかけもしない。これがとっても良い。くんちゃんの持つ学校生活への楽しみを決して損なわない。入学絵本だけど、いろんなものが詰まっている絵本です。


きみたちきょうからともだちだ

「たのしいえん」に入園してきた子どもたちをむかえる年長のこどもたち。「♪きみたちきょうからともだちだ ♪わたしたちはせんぱいですが ♪ぜったいやくそくいじめない ♪こわあらなくっていいんだよ ♪おおきなこえでわらってごらん」という歓迎の歌とともに、あたらしい仲間を迎えます♪園のなかを案内してあげたり、遊びを教えてあげたり、ケンカの仲裁をしたり…年長の子どもたち、みんなしっかりしてる!

新入園の子どもたちに読むのも良いですが、むしろその子たちを迎える年長の子どもたち向け。ちっちゃい子たちが来るのを年長の子たちも楽しみにしてるはず。そんな年長さんの気持ちにシンクロする絵本です。巻末に楽譜もあるので、合唱もできますよ~


うさぎ小学校

今日から学校に通う、うさぎのハンスとグレートヒェン。もちろん、人間の学校ではなく「うさぎの学校」です。勉強するのは食べられる野菜のこととか、怖いきつねのこととか。けど、イースターのたまご作りをしたり、詩や歌の勉強もしたり、人間の学校と同じようにとても楽しそうです♪ うさぎの学校、ちょっと通ってみたいですね。

出版年は2007年だけど絵を見た感じでは昔の絵本っぽい。子どもたちが使っているのは「石盤」と「石筆」だし(今の子どもたち知らないだろうな)…と思ったら、1924年に出版された絵本の翻訳でした。なんで今まで翻訳されなかったんだろう?絵といいストーリーといい、今読んでも遜色ない作品です。特にうさぎの絵が細かいところですごく写実的なんです。うさぎの足や手、毛のふさふさ感、校長先生のでっぷりとしたお腹が机にのっかてるところ…あ、これは普通のうさぎとは違うか(笑)ともかくうさぎの特徴をよく捉えてるいる良い絵です。ただ、表紙がなぁ~、もったいないなぁ~。中身の楽しさに相反して、表紙はうさぎの子が校長先生に起こられている絵…表紙から中身の楽しさが想像できない…。その点だけがちょっと残念ですが、中身は楽しいのでぜひ表紙に目をつぶって手に取ってください!小さいサイズの本なので、おひざにだっこの読み聞かせにオススメです。


いちねんせいのいちにち

小学校に入学する前の子どもたちにこれほどわかりやすく1年生の学校生活を伝えられる絵本はそうはないでしょう。朝、上級生たちにつれられて学校に行くところから始まって、一時間目が始まる前、朝の時間の読み聞かせ(この学校にはボランティアの方が来ています)、算数、国語、体育、図工、音楽といった授業、休憩時間、終りの学活などなど、1年生の一日を最初から最後まで順に追っています。なんと、トイレに行く場面まであるし、ケガをした時にどうすれば良いかまで描かれている(笑)学校生活を新1年生に説明するのにぴったりの絵本です!


1年生になりました!

1日目、2日目、第1週…1年生の入学1日目から学期末までを、1年生たちの日々のちょっとしたエピソードを中心に短い文章とかわいい絵で描いている絵本。この絵本の中の1年生たち、みんなとっても楽しそう♪この絵本をながめていると、当たり前だけどどの子もみんな違う顔をしていて、それぞれ個性があって、色んな子が一緒になって日々を過ごしていく学校生活の楽しさが伝わってきます。個人的には、教室に飾っている絵とかポスターとか、ピアノの上にちょこっと置かれている花とかノートとか、子どもたちの服とか、細かいところを見ていくとすっごく楽しい!細部まで絵にこだわってるな~と思います。ただ、絵が細かいので大勢よりはおひざにだっこの読み聞かせ向き


ゆうだち

ものすごくでかくてまっかなざりがにのことを、みんなは「まっかちん」と呼んでいる。5年生のタッちゃんはその日、ものすごくでっかいまっかちんを釣った。まだ1年生のゆうたは「じぶんもいつかはこんなまっかちんが釣れるかな?」と思っていた。そうしている内に夕立が降りだした。雨が蓮の葉の上におちてものすごい音を立てる。みんなは秘密基地に走って行った。けれど、ゆうたは足元にさっきのまっかちんが入ったバケツが置きっぱなしなのに気づいて…

夏、まとわりつくような暑い空気に一瞬の涼しさをもたらす夕立。この絵本もそんな物語です。ざりがに取りに夢中になった少年時代の想い出、幼い子どもの憧れや勇気が淡々と、ノスタルジックに物語られています。夏といえば楽しい内容の絵本が多いですが、こんな静かな物語もたまにはいかがでしょう?


まほうの夏

夏休み、僕と弟は毎日学校のプールに行くか、家でゲームするか、ポテトチップス食べるかして過ごしてた。お父さんお母さんは仕事。あ~あ、夏休みなんてつまんない…。そんな時に届いた、田舎のおじさんからの手紙!「ケイもユイも元気か。あそびに来んのか。あそびに来ら、また海につれてっ行ってやるけん。さようなら。」やったー!僕たちはねだりにねだって、すぐにお母さんの田舎に行くことになった。さらば東京、僕たちの夏休みのはじまりだ!

都会の子どもたちにこそぜひ読んで欲しい、夏休みの絵本。真っ青な汚れていない空、清涼とした川、美しい砂浜、魚がたくさん釣れる海、そしてそんな大自然で真っ黒に日焼けして遊びまくる子どもたち。こんな遊びのできない都会の子どもたちにとっては、むしろ残酷な絵本かもしれません。君たちの住む世界にはもうこんな遊びは無い、と告げるようなものかもしれません。それでも、ぜひこの絵本を読んで、こんな遊びを伝えて欲しい。こんな風に、自然の中でおもいっきり遊ぶ楽しさを伝えて欲しい。自然体験は子どもたちの好奇心を育みます。せめて絵本の中で、自然体験を。