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hontomo について

大阪府で小学校図書館司書をしています。学校司書歴7年目。1年目は右も左も分からず、2年目は読み聞かせに力を入れこの頃から個人的に読み聞かせのデータベースを作成をし始めました。3年目から勤めていた小学校・中学校の学校図書館改善に取り組み、サイト「ほんとも!〜学校図書館おたすけサイト〜」を立ち上げ。4年目以降は調べ学習に力を入れ始めました。その後異動し、現在の学校では1年生〜6年生を見通した調べ学習のカリキュラム・授業作りを研究中です。

【祝!Library of the Year 2017 受賞】瀬戸内市民図書館 もみわ広場 見学記

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この記事で紹介した瀬戸内市民図書館が、Library of the Year 2017 大賞&オーディエンス賞を受賞しました!
おめでとうございます!!
LoY受賞したから見学したいけど遠いし忙しくて…という方はぜひこの記事をご覧ください。
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妻の帰省中に時間的な余裕ができたので、瀬戸内市民図書館に見学に行ってきました。
今回は事前に見学申し込みをし、たっぷりと時間を取って見学することができました。
では早速写真を御覧ください。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

外観です。左側のレンガ造りの建物が図書館で、右側の白い建物は瀬戸内市中央公民館です。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

入り口にある看板です。この独特のロゴは瀬戸内市長船町出身デザイナーでありアーティストの黒田武志さん作。他にも、館内のサインや利用案内なども全て黒田さんのデザインです。詳しくは瀬戸内市民図書館の「デザインについて」のページを参照。
https://lib.city.setouchi.lg.jp/SHISETSU/MOMIWA4.HTM

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

ブックポストもシンプルで外観に合ったデザイン。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

入ってすぐ、かまどのような窓があります。向こう側に見えるのは児童書コーナー。これだけで何かわくわくしますね。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

入ってすぐに子どもが遊べるコーナーがあります。この日も何人かのお子さんたちが遊んでいました。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

木で作っているのが良いですね!

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

絵本や木のおもちゃも。無印良品などで木のブロックなどを置いているのはよく見ますが、図書館でも最近は置いているところが増えてきましたね。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

ブックカートの貸出があります。たくさん借りる時は便利そうですね。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

ベビーカーの貸出もあり。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

子どもの遊びスペースから館内に目を向けると、この開放感のあるロビー!そんなに大きな図書館ではないと思うのですが、全然狭く感じないです。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

入ってすぐの展示コーナー。展示はここ以外にも館内の色んなところに。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

入り口にはカフェカウンターも。カウンター内に飲み物の自販機があり、ふた付きなら館内の一部を除いて飲むのは可、食べるのもOKなスペースもあります。また、毎月第4土曜日の11時〜14時には障がい者の方々が「もみわカフェ」をオープンしています。

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1056534607782861&id=195809757188688

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

1階の図書館カウンター。片付いていてすっきりしており、作業スペースのような印象があまりありません。開放的で話しかけやすそうな。カウンターとは別に事務室があります。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

カウンター左側の閲覧スペース。閲覧机の他、「せとうち発見の道」という瀬戸内市の古代から現代までがわかる展示もあります。天井が高くてこれまた広々とした印象を受けます。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

床下には発掘現場を再現した展示が。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

閲覧スペース。窓が大きく採光により明るいスペースになっていますが、書架が遠いので日焼けの影響は少ないかな?

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

閲覧席にも展示スペースが。この日は昔の暮らしの道具を展示しており、しかも触ることもできました。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

館内図。よくみると「◯類」という日本十進分類法の分類ごとの排架が書かれていません。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

瀬戸内市民図書館は、「分類番号別・番号順の配架と排列」を行っていません。日本十進分類法に類した大きな分類はあるものの、それらの分類に当てはまる資料であれば分類に関わらず同じ箇所に固めています。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

1例を見てみると、この書架は認知症に関する棚ですが、日本十進分類法で言う3類(社会科学)、4類(自然科学)、5類(工業)9類(文学)の本が混在しています。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

もうひとつ特徴的なのは、この本のジャンルを示す仕切り板の言葉。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

ちょっとした遊び心も…?

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

普通だったら「子ども服」とするところを「子ども服をつくる」にしています。これだとコーディネートではなく裁縫だということが見てすぐわかります。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

同じように「大人の服をつくる」もあり…

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

コーディネートは「大人の着こなし術」になっています。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

料理の棚は見ていて楽しくなるだけでなく、分け方が細かいので目当ての料理本が探しやすそう。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

学校案内なども校種ごとに分けて排架。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

大学ガイドだけでなく大学での学びについての資料も固めて置かれています。大学ガイドを探している人にとってより広い発見がありそう。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

これらのサインからは、図書館員の分類目線ではなく、図書館ユーザーが本を探す目線で分類・排架・サインづくりが行われているように感じました。日本十進分類法を使いつつも、そこに囚われず、あくまでユーザー目線で分類・排架・サインを創る。素晴らしい図書館づくりだと思います。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

他の書架にも関連の本がある場合は、その案内をちゃんと置いています。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

こんなサイン他では見たこと無い…

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

あなたはどっち?(ほんともは断然山派)

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

大人の本のサインにもちゃんと振り仮名が。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

わかりやすいのは書架のサインだけではありません。テーブルには飲食の可不可が絵でわかります。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

図書館員の名札は全て平仮名!これには「あぁ、そうだよね、そうすべきだよね…」と反省しました…

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

児童書コーナーの主に1類の書架。わかりやすい。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

外国文学のコーナー。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

児童書コーナーのサインは全て平仮名のみ。確かに漢字にする必要性はあまり無いですね…一方、平仮名のみにしておけば早ければ年長さんの子どもや、まだ日本語に慣れていない外国人利用者などもわかります。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

読み聞かせコーナーの入口。よく見ると足元に土足禁止のサイン。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

読み聞かせコーナー。小さなちゃぶ台があります。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

読み聞かせコーナー。人をダメにするクッションも…けどこういうのでゆったりくつろいで本を読めるのは良いですね。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

サイトで特に報告していませんでしたが、昨年結婚し子どもも産まれたので個人的にすごく気になるベビールーム。授乳ができおむつを替えるベビーベッドもあり、パパが待つ時に座る椅子もあります。ベビーカーも入りそうですね。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

ミルク用のお湯も出ます。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

階段にある児童書コーナーの小さな窓にはおなじみのぬいぐるみが。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

階段から1階が一望できます。すごく広く見えますね。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

階段をのぼると、ほんともが個人的には大好きなカウンター席が。長い!

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

席にはライトとコンセントもあり。持ち込みPCももちろん使えますし、無料Wi-Fiもあります。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

2階の採光窓。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

2階にはインターネットコーナーも。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

2階は主に調査・研究に向いている資料が多く排架されており「そうだん・コピー」コーナーもあります。「そうだん・コピー」というコーナー名がわかりやすい。ちなみに座っているのは図書館常駐の学芸員さん。瀬戸内市民図書館には専門の学芸員さんが正職員として配属されています。これは図書館員にとってかなり心強そう。この日も市民の方が熱心に相談されていました。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

2階にあるスタディルーム。図書館に関する活動のミーティングに使えるほか、図書館資料を使った調査活動にも使用できます。この日は私がミニ講演をここでさせていただきました!

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

こちらはより広いスタディルーム。自学自習に使えます。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

最近の図書館ではもう当たり前になっている良いデザインのテーブル・椅子。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

良い椅子ですねぇ…

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

書架横の椅子もオシャレ…

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

館内にはこういったプチ展示コーナーも多々あります。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

全国の図書館員さんが本を紹介する「全国津々浦々〜図書館員の本棚〜数珠つなぎ」も!

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

瀬戸内市出身の漫画家さんがデビューされたとのことで、そのコーナーと、なんとサイン色紙も!

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

残念ながら図書館からテラスに出ることはできませんでした(鍵がかかっていました)。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

新聞閲覧コーナー。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

雑誌閲覧コーナー。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

あんまり公共図書館では見ないラインナップのような。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

雑誌のラインナップは個人的に読みたいものが多かった印象です。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

バックナンバーはこの排架方法だと探しやすいですね。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

館内にはピアノも。演奏会もするのでしょうか?(聞くのを忘れた)

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

個人的に一番好きな座席。瀬戸内の外の景色を眺めながら読書ができます。

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

しかも同じく好きな旅行書コーナーという…

瀬戸内市民図書館 もみわ広場

窓が大きく、瀬戸内の空を眺めながら本が読める座席です。良いなぁ…

写真は以上です。
瀬戸内市民図書館を見学していて特に印象的だったのは分類方法と排架。
日本十進分類法を使いつつも、資料1冊1冊の分類を吟味して利用者目線でさらに独自の分類をして、さらに利用者の資料探索の視点や動線を考えて排架されていました。
一見すると本屋さんのようではあるのですが、実際には利用者が求める資料・情報にたどり着けるように考え抜かれた分類・排架になっているように思います。
今は開館直後で資料数がまだ少ないのですが、今後もこの方針を続け資料数が増えていった時にどうなるのかが楽しみな図書館です。

今回、事前に瀬戸内市民図書館・嶋田学館長に見学を申し込み、当日は開館からお昼すぎまでたっぷり図書館を見学させていただきました。
土曜日開館でお忙しい中ご対応いただき、また急な申し込みにも関わらず当日は午後から学校図書館に関するミニ講演会もさせていただき、瀬戸内市及び近隣の学校司書さんと交流する機会も作っていただきました。
瀬戸内市民図書館の皆様、ありがとうございました!


みんなの森 ぎふメディアコスモス見学記

とある要件で岐阜市に行くことになり、要件の隙間時間に「みんなの森 ぎふメディアコスモス」を見学してきました。
小1時間ほどしか時間が取れなかったので、本当に外観・内観を観るだけにとどまりましたが、参考までに写真をアップいたします。
なお、撮影・ウェブサイトへの掲載許可はいただいております。
ちなみに、撮影の際には館内入ってすぐの案内カウンターで申請をする必要がありますのでご注意ください。
では、見学記スタート!

外観です。この日は曇り空でしたが、それでも日本の図書館とは思えないようなきれいな外観でした。

入るとスタバが…!最近はスタバが入る図書館も増えてきましたね。ただ、日常使いするにはお値段が…

コンビニも入っています。看板のデザインも図書館仕様。

車椅子やベビーカーの貸出だけでなく、傘の貸出も!横にはタクシーの案内?(写真見て気づきました…中身が本当にタクシーの案内なのかどうかは未確認)。

部屋の表示もオシャレ…

ここは「考えるスタジオ2」 という部屋。

講演などを行えそうな部屋ですね。

ここは「創るスタジオ」。市民活動団体などが利用できるスペース。

作業しやすそうな大きい机と椅子、そしてコピー機などが見えます。大型コピー機もあってポスター印刷もできるそう。素晴らしい…!

市民活動団体ごとに備品を置いているのかな?継続的にここで活動している団体にとっては、よく使う備品を置いておけるのはありがたいですね。

ここは「インフォウォール」。市民活動の情報やイベント情報はもちろんのこと、助成金や生活支援など、様々なパンフレット・リーフレットを面展示。ここだけでもじっくり見たかった…!

ジャンルごとに分けられています。重なってジャンル名が見えにくいのが少し残念。

外国語の案内もちゃんとあります。

1階の職員の方々のスペース。とても開放的に作られています。ここは多文化交流プラザの相談窓口(多言語対応)です。開放的で相談もしやすそう。

市民活動支援ブースもあります。

相談コーナーもあり。衝立があってプライバシーに考慮されています。

1階ロビー。勉強しているっぽい高校生が多かったですが、横の畳の小上がりでは遊んでいる小学生も。

こういったサインも多言語対応。

畳があるのは良いのですが段差が…赤ちゃん連れにはちょっと怖いかなぁ。ちなみにこの畳は「ワイワイ畳」という名前がついており、この写真以外に全部で36㎡分同じものが有り、様々に組み合わせて使うことができるそうです。

「本の蔵」=開放書庫。書庫に入ってじっくり本を探すことができるのは、じっくり調べ物をしたい人には良さそう。

「蔵」っぽいような…?従来の図書館の書庫とは見た目が全然違いますね。

何かの展示の準備がされていました。

エスカレーターを上っていくと…?

真上にこの照明が…!とても図書館とは思えない…

ここが2階の図書館フロア。格子状の天井と大きな傘の照明が図書館の雰囲気をこれでもかと作り出しています。

児童書コーナーにあった「ごろん」。某猫のゲームみたい!

利用は5時までで1回30分の時間制限もあり。5時ぎりぎりに来た子が、すぐ使えなくなるので残念そうに使うのを諦めていました…保護者付き添いだったら延長しちゃダメなのかなぁ。

児童書コーナーの展示スペース。展示本はかなり借りられていました。

児童書の各分類には必ずひとつ「お店コーナー」があります。ちなみに0類は郵便屋さんで、なんと図書館長にお手紙が書けます。館長からのお返事もちゃんと展示されていました。

4類は「ふしぎなとけいやさん」。

サインには絵も。けど絵と置いている本には関連性が無い…?

児童書コーナーのサイン。漢字には全てフリガナあり、英語表記もあり。しかし見出し語は児童にはわかりにくそうな…

児童書コーナーのサインのアップ写真。うーん…数字が読みにくそうな…

読み聞かせコーナー。薄めのカーテンと遮光カーテンの両方が着いていますね。入り口は全面ガラス張りは珍しいような。靴箱が移動可能なのは色々使いまわせそう。

館内図はなんと立体図です。

館内図の足元にもサインがあり、サインの方角に何があるか書いてあります。

YAコーナー。

YAコーナーの座席。

YAコーナーの座席は「YA(中高生)専用席」。中高生及び同じ年齢の子以外は使用できません。ここまで割り切っていると中高生には使いやすそう。

「登録団体が読書や調べ物など本に関わる活動を行う時に利用できる」部屋。登録団体じゃないと使えないのはちょっと不便そうな…

ここは「つながる読書の部屋」。

利用中で写真は撮れなかったのですが、ちゃんと個人研究用の部屋もあります。

ここは「みんなで学ぶへや」。グループ学習ができる部屋です。利用は2時間まで、ホワイトボードもあります。

最近の図書館は椅子もオシャレですよね…

窓際にはカウンター席が…!個人的にカウンター席で読書するのが好きなので、うらやましい…

カウンター席別アングル。よく見たらこの椅子は肘掛けがない。

雑誌コーナー。

障がい者支援使用コーナー。すみません、時間がなく中身はじっくり見られませんでした…

館内中央の展示コーナー。この日は図書館に関する展示が行われていました。子どもたちの作ったポスターなどもあり、展示にはかなり力を入れている印象でした。

自動貸出機もあります。

予約本はセルフサービス(貸出準備が終わったもののみ)。

書架横の展示台もよく見ると様々なものが。書架の間の展示台にも使いまわせるのですね。

ともかく外観も内観も素晴らしい図書館、という印象でした。

写真は以上です。
今回は1時間ほどしか見学に時間が取れず残念ながら以上のような内観・外観以外はあまりじっくり見ることができませんでした。
ですので、図書館活動そのものについてはあまり今回は触れていません。
もし次回行くとすればそのあたりについてもじっくり見てみたいところです。
また、設備そのものも実際には紹介しきれていないもの(=ほんともが見忘れたもの)がたくさんあります。
例えば、1階には「踊るスタジオ」「協働のへや」「みんなのギャラリー」などがありますし、2階には「談話のへや」「対面読書のへや」があります。
詳しくはみんなの森ぎふメディアコスモスの公式サイトをご覧ください。

[browser-shot url=”http://g-mediacosmos.jp/” width=”200″] https://mainichi.jp/articles/20170829/ddl/k21/040/266000c

また、ぎふメディアコスモスについては以下のようなニュースもあります。

天井裏、全体にさび付きの恐れ メディコス:岐阜:中日新聞(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20170829/CK2017082902000011.html
(2017年8月29日中日新聞)

メディコス漏水、28回目:岐阜:中日新聞(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20170907/CK2017090702000029.html
(2017年9月7日中日新聞)

図書館として雨漏りは致命的な欠点ではないかと思います。
立派な建築であり相当なお金もかかっているだけに、非常に残念ですね…
雨漏りを除けば、設備は本当に素晴らしいと思うのですが。

というわけで、見学記は以上です。
次回は「瀬戸内市民図書館」を紹介予定ですので、お楽しみに!


【終了しました】指宿市立図書館を支援してくださいませんか?(1177万円達成!

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
このプロジェクトは既に終了しています

皆様のご支援のおかげで、
1117万円という図書館界では異例の
寄付額を達成することができました。
ありがとうございました!

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

みなさん、指宿市立図書館をご存知でしょうか?
鹿児島県の左側の半島、薩摩半島の最南端に位置する指宿市の図書館。

・貴重な甘藷資料の収集と研究者のための目録等の整理

・足湯や学校図書館や保健センターなど様々な場所で読み聞かせや図書館サービスの情報発信、図書館の利用方法をレクチャーするなどの地域に密着したサービス

・図書館にカフェスペースを導入したり大学の無い指宿市でも学ぶ機会を提供するためオンライン学習システムを試験的に導入する

などなど、まさに

「地域に根ざした、地域の人々のための、地域の課題を解決する図書館サービス」

を徹底的に行っている図書館です。
2014年に指宿市立図書館が開催している「司書学びの会」というものに私も参加させていただいたのですが(この取り組みも鹿児島の司書の皆さんにとって大いに素晴らしい取り組み)、その時に私ひとりのために指宿市立図書館の取り組みをご講演してくださいました。

その指宿市立図書館が、現在クラウドファンディングという方法で、オンライン上で寄付を募っています。

[browser-shot url=”https://readyfor.jp/projects/ibusuki-bookcafe” width=”500″] #そらまめの会

指宿市の面積は約149平方km。私が住んでいる大阪府のほとんどの市町村よりも面積が広い自治体です。一方、指宿市立図書館は本館と山川図書館の2館しかありません。移動図書館は以前は走っていたものの現在は廃止されており、小さな軽自動車で市内の学校などを巡り本を配達している状況です。

そんな指宿市立図書館が、指宿市内の

「図書館を利用できない市民の方々=遠くて通えない、子どもなので通えない、移動手段が無くて通えない、その他様々な理由で通えない、未だ図書館を利用できていない人たち」

のために、移動図書館を購入するための寄付を募っています。しかも、ただ単に本を積めるだけの移動図書館ではなく、移動図書館にカフェの機能もプラスすることにより、移動図書館を通じて指宿市民同士が交流でき、人と人との繋がりを作り出し、人口流出や少子高齢化などの指宿市が抱える課題を解決できるようにする、という素晴らしいプロジェクトです。

実は、「ほんとも!」が忙しさにかまけてこのプロジェクトの拡散に出遅れた間に(本当にすみません)、目標金額である七百五十万円は、

達 成 で き て し ま い ま し た … !

図書館がクラウドファンディングでこの多額の寄付を集める、というのは図書館業界では驚異的なことではないでしょうか。これは、指宿市立図書館の活動が多くの方に支持され、そして「この活動を多くの方に知ってもらい支援して欲しい」と私のように遅れることなく、たくさんの人がこのクラウドファンディングを指宿市立図書館、ひいては指宿市民のために拡散してくださったのが大きいのだと思います。支援してくださった皆様、並びにこの活動を拡散してくださった皆様、本当にありがとうございます。

しかし、実はまだ寄付は引き続き募集しています。

というのも、移動図書館はその自動車を購入してカフェ機能を付けて移動図書館が完成すれば終わり、ではありません。

移動図書館にはまず、移動図書館に積む本が必要です。もちろん現在本館と山川図書館にある本を積むでしょうが、既に図書館にある資料をそんなに多くは移動図書館に使いまわせません。移動図書館に積むための資料費が必要となってきます。

また、移動図書館を維持するためには、燃料費や整備費や、保険や車検などの各種維持費も必要です。

また、移動図書館を運営するためには新たに人手が必要です。指宿市立図書館は特定非営利活動法人「そらまめの会」が指定管理者として運営しています。限られた予算の中で人件費を捻出して既存の本館と山川図書館を運営しています。そこに新たに移動図書館の運営をするとなると、今いる人手をやり繰りすればどうしても既存の図書館の人手が手薄になってしまいます。理想は移動図書館も負担なく運営できるよう、新たな人材を確保することです。

このように、移動図書館の導入には、導入費以外にも経費がかかります。そのために、まだまだクラウドファンディングの達成額以上の支援を指宿市立図書館は必要としています。

どうかみなさん、リンク先をクリックして、よろしければご支援いただけないでしょうか?寄付はとんでもない額じゃないとできない、というわけではありません。(安いかど言うかは人によりけりでしょうが)5千円から寄付することができます。

リンク先にはここよりももっと詳しく、指宿市立図書館の方々の活動内容やサービスの熱意、このプロジェクトへの思いが書かれています。まずは、リンクをクリックしてそれを読んでいただくだけでも構いません。そこからぜひ寄付をご検討いただければと思います。以上、長々と失礼いたしました。

[browser-shot url=”https://readyfor.jp/projects/ibusuki-bookcafe” width=”500″]

資料の発注管理(発注書、回覧、購入冊数管理)

みなさんのところでは、資料の発注(本の注文)、そして発注の管理をどのようにされていますか?
FAXで注文書を送っている、メールで送っている、図書館システムからできるetc…色んなところがあるかと思います。
私の学校では注文は全て図書館システムからでき、注文する本のリストアップやリスト作り、発注額の確認もできました。
ただ、出版年が古い資料は書誌データが初版の時のままで価格が古いままだったり価格が入っていなかったり、どうしても誤差が出てしまうため別途Excelで購入した資料リストを作成し予算の残額を確認していました。

このリストの項目は左からこのようになっています。

・発注 → 発注済みならば「済」を入力
・書名
・著者
・請求記号
・出版者
・冊数
・本体価格
・税込価格
・備考 → 課題図書、授業関連、児童リクエスト、教員リクエストなどを入力
・納品 → 納品・検品が済んだら「済」を入力
・伝No. → 書店の請求書伝票の番号を入力(あとで確認しやすいように)
・分類 → その資料の類を入力、絵本はE、マンガはM
・シリーズ → シリーズものの場合は「シリーズ2類」「シリーズ9類」「シリーズE」など入力
・調べ学習 → 調べ学習に使用する資料の場合学年・テーマを入力
・対象学年 → おおまかな対象学年を入力…するつもりが実際には書く余裕無し

予算管理だけならば伝No.までの項目があれば良いのですが、新刊の分類等の比率をリアルタイムで調べるため、分類以降の項目も設けていました。
というのも、このリストの最後には

このように新刊の分類構成を調べる表を入れています。
この表で出しているのは

・前年度の新刊における各分類の購入割合(前年度のデータを入力)
・今年度の新刊における各分類の購入冊数・購入割合
・今年度の新刊各分類におけるシリーズものの資料の購入冊数
・今年度の新刊における各学年・テーマ毎の調べ学習に使える本の購入冊数
→昨年度までの所蔵冊数、そのうち買い替え(廃棄)対象冊数、必要冊数、それらを元にした不足冊数

図書館システムでも統計機能を使ってこれらのデータを出すことは可能ですが、図書館システムの統計機能はデータを取るのに手間がかかったり、出てきたデータがExcelで複雑な表になっていてそのままでは使いにくいということもあり、新刊リストにこの機能を持たせて使っていました。
ただ、これらの数値はあくまでも単なる新刊冊数のカウントに過ぎず、実際には数年間の収集状況や既存の蔵書の所蔵状況等、様々な要素とともに新刊購入の参考にする必要があるかと思います。
というわけでこのExcelファイル(実際に新刊データを入力しているサンプルデータとひな形データ)をアップしますが、ご利用には各館の状況を鑑みてご活用ください。
使用方法は下画像の通りです(雛形ファイルにも使用方法シートがあります)。

<サンプルデータExcelファイル>

<ひな形データ>


学校図書館引き継ぎ資料の作成例

2015年度に退職する際に引き継ぎ資料を作成しました。これが結構な手間と労力でした…普段からその時に備えて準備しておけば楽だったのでしょうが、ゼロから作るのは大変な作業です。
しかし学校司書の雇用は不安定で普段から引き継ぎ資料を作るというのは難しく、一方で突然来年度から異動、あるいは退職というのも学校司書には多い話です

そこで、ほんともが退職の際に作成した引き継ぎ資料を公開いたします。
ただ、そのまま公開するのはさすがに学校等の事情がまるわかり過ぎるので、削るところは削って、しかしなるべく原型を留め各項目で注意すべき点や学校の事情や規則に合わせて変更すべきところなどもわかりやすくしたつもりです。

頁数が40ページを越えてしまったので、WordファイルそのままのものとPDFファイルにて公開いたします。

作成の際には以下の資料も参考にいたしました。

引き継ぎ資料に果たしてどこまで書くのかというのが難しいところですが、私の場合は「司書資格や司書教諭資格を取ったばかりの大卒で図書館勤務経験もまったくない人が来た場合」を想定して、学校図書館の業務に限らず、出張や有給休暇の取得方法といったことまで載せました。

なお、データサイズも大きいのでダウンロードする前に内容がわかるよう、目次を書いておきます。

1.司書教諭・図書館担当の先生の確認
2.自治体全体でのマニュアルについてについて
3.図書館システム操作マニュアル
4.TOOLi-Sのログイン方法
5.問い合わせ先
6.メールアドレスについて
7.図書館の鍵、司書室(図書館準備室)、図書館以外の教室の鍵について
8.学校の鍵について
9.出勤時の出勤簿(タイムカード)について
10.学校組織について
11.プリンターについて
12.図書館のデスクトップPC、ノートPCについて
13.図書館デスクPCについて
14.新年度最優先ですべきこと
(1)クラス名簿の入手
(2)図書館開館と図書の時間をいつから開始するかの確認
(3)新1年生の利用者登録
(4)新2~6年生の転入生登録
(5)新2~6年生のクラス変更
(6)クラスが増えた際のクラス貸出の利用者登録
(7)利用者バーコード(台帳・カード等)の印刷
(8)1回目の図書の時間のオリエンテーション・読み聞かせの準備
(9)1年生のオリエンテーション
(10)新任・転任先生向けオリエンテーション
(11)2017年度中の予約と予約確保本の連絡
(12)◯◯市立図書館の団体向けサービス利用申込み
(13)◯◯分館への移動手段
(14)図書館システムの休館日設定
15.勤務時間について
16.残業について
17.休暇取得について
18.出張について
19.学校間配達便について
20.貸出・返却・予約方式
21.開館時間
22.閉館時の注意点
23.長期休暇中の開館
24.図書の時間について
25.図書の時間の流れ
26.図書の時間の時間割変更について
27.利用規則
(1)貸出規則
(2)長期休暇(夏休み、冬休み)の貸出規則
(3)予約・リクエスト規則
(4)予約本の連絡方法
(5)資料紛失・汚破損
28.選書について
29.除籍について
30.図書費について
31.選書リストのチェックについて
32.予算管理について
33.発注方法について
34.図書の発注先について
35.新刊の受入について
(1)現物・価格・装備・乱丁の確認
(2)蔵書印
36.本の付録
37.2018年度に購入して欲しい本
38.分類について
39.分類シール(請求記号シール)について
(1)0〜9類(小説以外)の分類シール
(2)9類小説の分類シール
(3)絵本の分類シール
(4)文庫の分類シール
(5)新刊の別置シール
40.図書館システムの所蔵場所設定
41.雑誌について
42.新聞の受入・整理について
43.パンフレット・リーフレット資料の整理について
44.消耗品予算について
45.調べ学習・グループ活動室について
46.学校図書館の組織的な位置付けについて
47.情報教育研究部会について
48.各学年の探究型学習の取り組みについて
49.卒業研究について
50.情操部会について
51.図書委員会について
52.児童の読書傾向について
53.掃除について
54.廊下の掲示板について
55.公共図書館との交流研修について
56.◯◯市立図書館からの資料の借り方
(1)Web予約して借りる
(2)本の配送便で資料を借りる・返却する
(3)◯◯市立図書館の方にレファレンス依頼をする
(4)テーマ別パックを利用する
(5)百科事典を利用する
(6)学校図書館支援ライブラリー
(7)◯◯市立図書館から借りた本をクラス貸出・児童に貸出する場合
57.他校学校図書館からの資料の借り方
(1)他校へ資料貸出を依頼する流れ
(2)蔵書管理システムでの依頼、受入、返送
(3)他校から借りた本を本の配送便で返送する
(4)他校からの貸出依頼
(5)蔵書管理システムでの他校からの依頼の確認・手続き方法
58.他公共図書館等から本を借りる
59.行事等の役割分担、校内の役割分担について
60.親睦会について
61.おわりに


小学生新聞記事の保存と整理

みなさんの学校図書館に新聞はあるでしょうか?
小学校ならば小学生新聞、中学校ならば中学生新聞、高校ならば一般紙を置いているところも多いでしょうか。
農業高校や工業高校などであれば専門紙を置いているところもあるかもしれません。
ただ、実際には予算化されていない、あるいは予算が足りないなどを理由に実際には購入されていないところの方が多いかもしれません。

さて、その新聞記事はみなさんどのように活用されているでしょうか?
日頃児童・生徒が読むのはもちろんのこと、新聞は探究型学習の情報源として活用することもできます。
ただし、活用するためには活用できるような形での保存・整理の作業が必要です。
一般紙や専門誌ならば新聞社が提供しているデータベースがありますが、小学生新聞については新聞社はデータベースをほとんど提供していません。
そこで、今回は私の学校での新聞記事の保存・整理方法をご紹介します。

私の学校で取っている小学生新聞です。
パンチで穴を開け、穴の部分をホチキス止めして補強しています。
私の学校図書館では過去2ヶ月分の小学生新聞は新聞架に半月毎に綴じて保存し、それより以前のものは同じく半月ごとに綴紐で綴じて保存していたためです。
しかし、この「半月毎に綴紐で綴じて保存」という方法では活用など全くできません。
何月何日にどんな記事が載っていたかなど全く探しようがありませんし、例え探せたとしても半月毎の束から目的の日付の新聞を探し出して綴紐を外して、また戻して綴じて…などという作業は非効率です。
また、この「穴あけしてホチキス止めする」というやり方は後々大変な手間を増やしました…。
そもそも、過去2ヶ月分の新聞記事を新聞架で置いておくのもあまり意味は無いように思われました。
前日〜2ヶ月前の新聞記事を見返す児童はほぼ皆無です。一方、新聞は溜めてしまうとどうしても整理が億劫になりがちです。過去の新聞はせいぜい1週間分くらい置いておいて、それより前のものは随時後述の方法で毎日1日分ずつ整理していくほうが良いように思いました。

さて、前置きが長くなりましたがこの新聞記事の整理方法です。基本的にはスクラップとファイリングです。さきほどの写真の一面記事を保存していきます。

使う道具はラジオペンチ、カッターナイフ、ハサミ、B5より少し小さめに切った厚紙です。ただ、ラジオペンチは場合によっては不要です。

まず、ラジオペンチでホチキスを外していきます。この作業はかなり手間です。
私が自校の新聞の整理に取り掛かった時、新聞記事は過去5年分ほど溜まっていました。その全てを保存するわけではありませんが、それでも何百日分という新聞のホチキスを外すのにとてつもない時間がかかりました。新聞をスクラップで保存するのであれば、ホチキス止めはオススメしません。

ホチキスを外したら、次に一面記事だけを切り抜くために新聞の真ん中部分をカッターナイフで切っていきます。

一面だけを切り離しました。

次に、一面からさらに必要な記事だけを切り抜いていきます。丸々そのまま保存しても良いのですが、ファイリングする際に嵩張ってしまうので必要な部分だけにします。

このように記事のみを切り抜きますが、ただし日付がなるべくわかるように日付と何面かがわかる部分は残します。記事の場所などによってどうしても残せない場合は、ボールペン等で余白に年月日と何面かを書きます(朝夕刊があるばあいどちらなのかも)。これは、探究型学習等で引用する場合に必ず必要になるからです。

切り抜きが終わったら、ファイリングのために記事を折りたたんでいきます。折りたたむサイズは、書架に入るサイズのファイルの大きさに折りたたみます。ファイリングした新聞記事は新聞記事だけで固めて置くのではなく、各分類の本と一緒に置いた方がより活用されやすいからです。

今回はB5サイズに折りたたむのですが、この時に役立つのがB5サイズより少し小さめに切り抜いた厚紙です。写真のように、厚紙を記事の裏側にあてて折りたたんで行くと素早く折りたためます。また、ファイルに入れる際にファイルからはみ出さないように、目的のサイズより厚紙を少し小さめにしています。そうすると、ファイルのクリアポケットにすんなり入るからです。

下側を上に折りたたんで…

さらにB5サイズになるようサイドを折りたたみます。

B5より少し小さいサイズに折りたためました。なお、折りたたむ時はなるべく記事の見出しが見えるように、あるいは何の記事がパッと見てすぐにわかるように折ります。ファイルの中から目的の記事を素早く見つけられるようにするためです。

さて、スクラップまでで新聞記事の保存・整理の下準備が終わりました。ここからさらに、新聞記事が「活用されるように」もうひと工夫をしていきます。

Excelで保存した記事の簡単な目録を作成します。項目は

・No.=記事管理のための通し番号を各記事に付ける
・発行年月日
・新聞名
・記事名
・面数=記事が載っていた面の番号
・ジャンル
・備考

ジャンルについては各学校のカリキュラムや学校教育方針、学習指導要領によって変わると思います。私の学校では以下のような感じでした。

このジャンルについては随時再考していく必要があると思いますが、基本的には「出版物でカバーできないジャンル」「最新の情報が必要なジャンル」については特に保存の必要があるように思います。また、ジャンルに加えて「記事をいつまで保存するか」も毎年検討しなければなりません。本として既に出版されていれば記事の保存はほぼ必要ないかと思いますが、そうでない場合は、その記事は数年後、数十年後にどのような意味を持つか?ということを考えて保存するべきかどうかを決める必要があるように思います。

「備考」蘭は後で児童や学校司書が検索する際にその記事が見つけられやすいようなキーワードや入れておいた方が良いと思われるキーワードを入力していました。繰り返しになりますが保存した新聞記事は活用されないと意味がありません。「活用される」ためには、児童や生徒、あるいは後任の学校司書がその記事を探せるように、探しやすいようにしておく必要があります。児童や生徒、学校司書がその記事を探す際にどんなキーワードで探すか、あるいはどんな単元でその記事を活用するかなどを考えてキーワードを入力しておきます。実際にはジャンルでだいぶ記事は絞れると思いますし大抵見つけられると思うのですが、それでも念のためキーワードを付与しておきます。

さて、このExcelのデータですが、単に目録の役割だけを持っているわけではありません。

実は別シートにマクロを組んでいて、決められたセルに先程の記事のNo.を入力して印刷すると…

このように書誌情報が載ったB5サイズの紙が印刷されます。この紙を、

新聞記事をファイリングする際に記事と一緒に入れておきます。こうすることでふたつのメリットが生まれます。

(1)新聞記事を抜き取ったあと、元に戻す際に入れる場所がわかりやすくなる
(2)新聞記事を引用する際に書誌情報がわかりやすくなる

こうしておけばあとあと探究型学習で新聞記事を利用した際に片付けたりレポート等を書く場合に一手間ふた手間省くことができます。

最後に、ファイルに挟んで背に見出しを付けます。これを各分類の棚に置いておけば、探究型学習で本を探すのと同時に新聞記事も探すことができます。
新聞社の方がこの新聞記事の保存を取材に来られたのですが、何年も前に書いた過去の記事と最近の記事に繋がりができたり、全然違う記事と思っていたものが、図書館の分類によって記事に関連性が生まれている、と関心されていました

本当はこのあとさらに市全体の目録システムに登録して全市的に利用できるようにしたかったのですが、その際の目録の作成方法のルール決め等を提案しようかと思っていたところで退職と相成りました。

………ただ、この作業をしながら一方で「もっと効率的なやり方があるのではないか」という気がしないでもありません。

例えば、記事のデータはおそらく新聞社に残っているはずです。その記事をデータベース化すればこういった作業は不要になります。大人の新聞は既にデータベースがあり活用できるので、同じようなものを新聞社さんが用意してくれれば…おそらく採算が取れないのでしょうが。
また、この作業を1紙だけするのに関しても疑問がありました。小学生新聞は記事内容にそれほど差異はないかもしれませんが、それでもやはり複数の新聞記事を比較するために、1紙だけでなく数紙を保存し比較できるようにするのが理想かと思います。しかし、それだけの作業を図書の時間を週に何十時間もこなしながらというのは時間的に不可能です。学校図書館支援センターなどで一括して行うか、もしくは図書の時間も含め教員・司書教諭・学校司書がどのように情報教育や読書教育に関わるかを再考する必要があるように思いました。理想は各新聞社が協働で児童生徒向け新聞記事検索・比較データベースを作ってくれると良いのですが…

最後になりましたが、退職前に駆け込みで作った朝日小学生新聞の記事目録のExcelファイルを誰でも利用できるようにアップしています。ジャンルは上記のジャンルで、おおよそ2010年4月ごろ〜2016年3月31日を対象にしています。ファイリング用の書誌情報印刷機能もあります。よろしければご活用ください。

最後になりますが、退職直前に新聞整理を手伝ってくださった某学校司書さんに御礼申し上げます。一人では到底できませんでした…ありがとうございました!


学校司書を退職しました

お久しぶりの更新ですが、タイトルに驚かれた方が多いかと思います。

「ほんとも!〜学校図書館おたすけサイト〜」管理人の「ほんとも」は、このたび2016年3月31日をもって勤めていた市を退職いたしました。
4月1日からは一般企業で正社員として次の仕事が決まっています。
学校司書ではありません。
図書館関係の企業でもありません。
全くの異業種に転職することとなりました。

退職理由については、この3月31日までの職場、並びに次の職場に配慮して、ここには書きません。
また、そもそもここには書ききれないほど様々な理由があります(さほど大した理由でも無いとは思うのですが、どうしてもお聞きしたい方は一献傾けながらであればお話します、ノンアルコール可)。

偶然とは恐ろしいもので、私の転職に重なるように、Twitterにて次のようなふたつのハッシュタグが生まれました。

自分としては学校図書館を去ることにさほど未練は無いと思っていたのですが、それでも「#図書館やめたの私だ」を読みながら身につまされるような想いを抱き、同時に「#図書館に育てられたの私だ」のまとめを編集しながら、大学図書館の司書として、公共図書館の司書として、そして学校司書として10年間自分がしてきたことに少しでも意味があったように思うことができました。
この10年間でたくさんの方に過分な評価をいただき、学校司書として様々なことを経験させていただきました。
この10年間で私が最も幸福だったのは、学校司書として存分に仕事ができる学校、一緒に同じ思いで私とともに働いてくださった先生方や職員の方々、学校司書として育つ環境を与えてくれる自治体、そして何より拙い自分の仕事に存分に応えてくれて私自身にも学びを与えてくれた子どもたちに恵まれたことでした。

そして、「ほんとも」としてその活動を発信し、幸いにもたくさんの方にその活動を参考にしていただき、また、逆にたくさんの方に私自身も学ばせていただきました。
私にとってこの10年間は他の何にも代えがたい貴重な10年間でした。

その10年間の経験を「捨てる」ことに多少の迷いもありますし、ありがたいことに「もったいない」という言葉も色んな方からいただきました。
ただ、その経験はこの転職の際にも大いに役立ちましたし、この先もきっとこの経験は役に立つかと思います。
また、ありきたりな言い方ではありますが何かしらこれからも図書館に関われればとも思います。

この数週間のあいだ、何をするにも「これが最後になるかも」と思いながら学校司書として仕事をこなしました。

これが「最後の読み聞かせ」になるかも。

これが「最後の卒業式」になるかも。

これが「最後に歌う校歌」になるかも。

そう思いながらこの数週間を学校で過ごすのは、正直に言うととても辛いものがありました。
一方で、卒業する6年生たちに最後に読んだ旅立ちの絵本や、卒業式で歌う唄の歌詞が旅立つ自分を励ましてくれるように感じ、また、耳に入る音楽の歌詞や、ふと読んだエッセイの一文が、そして身近な人の言葉が、ざわつく自分の心を落ち着かせてくれました。
今はもう、次の職場でしっかり働けるように、本を読んで勉強しながら備えています。

学校司書としての仕事は今日で一区切りですが、このサイトはこのまま残せる間は残しておきます。
また、管理人が非常に不精だったが故に、「これはサイトに載せよう」と思いつつも載せられていないことがまだたくさんあります(サイト構成も少し見直したいと考えています)。
次の仕事を続けながら、少しずつそれらに取り掛かろうと思います。

最後に、このサイトを通じてWeb上で、あるいはリアルで繋がりを持つことができた皆さんに感謝申し上げます。
皆さんがいなければ、きっと自分だけではこのような経験は決してできなかったと思います。
本当に、ありがとうございました。

それではまた、どこかでお会いできれば幸いです。
ひとまず、さようなら。

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イベント「図書館、使いこなせてる?」を行いました!

先日ご案内した通り、本日グラスまちライブラリーさんとのコラボイベント、「図書館、使いこなせてる?」を行いました。

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生憎の雨模様で事前の宣伝も不十分だったためか参加者数は少なかったのですが、それでも参加された方々と図書館について色々とお話することができました。

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天候にかかわらず今回はデジタル機器をほとんど使わない(使ってもiPadで画面を見せる程度)ということだったので、このように画用紙をマスキングテープで装飾して手書きでフリップなどを作成しました。マスキングテープが思いの外好評でした!

今回は「図書館を普段あまり使わない人に、図書館ってこんな便利なところもありますよ、実はこんな役割もあるんですよ」という内容でしたが、私がただお話するだけではつまらないと思い、ワークショップ的なものも交えつつ以下のような内容にしました。

(1)「としょかんって、どんなところ?」というテーマで画用紙半分に今図書館に対して持っているイメージをグループで話し合いながら書いてもらう

まず、聴き手の皆さんが今図書館をどんな風に使っているのか、図書館に対してどんなイメージや想いを持っているのかを画用紙に書いていただきました。

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書かれているのは「本の検索ができる」「CDが借りられる」「本の検索ができる」「本を借りるところ」など、概ね事前に予想していた通り、図書館の様々な機能や役割があまり知られていない印象でした。
ただ、今考えると、図書館にとっても詳しい方がたくさんいらしてた時を想定してこの後の話を複数パターン用意しておくべきでした…実際、「調べもものにいい」などこの先話す内容のことも書かれていたりします。
また、「飲食禁止」「静かにするところ」「勉強(自習)してはいけない」など予想していなかったことも書かれていて、このあとこの方向の話が広がり想定外の面白さがありました。

(2)しらべたいなら、としょかんへ!

(この項はおおよそ話した内容をそのまま書きます)。
本を貸し借りするだけが図書館の役割ではありません。図書館は利用者さんが何か調べたいことがあるときに手助けをするサービスをしています。図書館には物語や絵本以外にも様々なジャンルの本がありますよね?図書館の本は日本十進分類法という方法で本の仲間分けをしており、おおまかに10種類に本を分けています(0〜9類を説明)。では、どうして物語の本や絵本以外の仲間の本もあれだけたくさんあるのでしょう?それは、図書館は本を読んで楽しむだけにあるのではなく、利用者の方が様々なことを調べられるようにするためです。そして、図書館は利用者の方が調べる手助けをします。その手助けサービスのことを「レファレンス」と言います。「レファレンス」だとわかりにくいですよね、日本語で言うと「情報サービス」「情報探索サービス」でしょうか。要するに、情報探しの手助けです。例えば、

「子どもの頃に広い芝生でどんな遊びをしましたか?」

ということを知りたいのであれば、図書館に行って聴けば瞬時にこんな風な本(昔あそびや子どもの屋外遊びの本)を探しだしてくれます。

あるいは、

「箱作(会場の最寄駅の名前)という地名の由来は?」

という質問に対しても、図書館には地域の歴史や民俗の資料がたくさんあるので調べることができます(郷土資料をお見せしました)。図書館は地域の歴史や郷土、文化を保存する役割もあります。

あるいは、

「阪南市にカフェ&雑貨のお店を開きたいけれどどうすれば?」

という質問であれば、カフェや雑貨店の開店についての本、ネットショップも同時にするのであればネットショップの開業や商品の写真の撮り方の本、大阪にある他のカフェや雑貨店を視察したいのであれば大阪のカフェ・雑貨店のガイド本もあります。また、開業の際の相談窓口なども紹介してくれます。

このように、何か調べたい時には図書館に行けば、図書館は手助けしてくれます。

(3)ほんがとしょかんになければ…

(この項も話した通りに書きます)
こういった調べ物をしたりしている時に、調べたい本が図書館に無いケースもあります。けど、図書館に無ければ読めない…というわけではありません。他の市町村や大阪府立図書館から資料を取り寄せてもらって、読むことができます。図書館は他の図書館と連携して利用者さんが資料を読むことができるようにネットワークを築いています。大阪府で言えば、大阪府立図書館は他の図書館よりも資料をはるかに多く購入しており、大阪府下の市町村の図書館を支える役割があります。

また、何か調べたい時には資料だけでなく、大学や文化施設などの専門機関を紹介してくれることもあります。さきほどのカフェ開業のようなケースがそうです。

さらに、日本最大の図書館「国立国会図書館」があります。法律で、本を出版したら国立国会図書館に本を納めないといけない「納本制度」というものがあります。膨大な資料を持っていて、直接行って資料を見ることもできますし、市立図書館に資料を取り寄せたりデジタル化した資料を見せてもらうこともできます。

なお、国立国会図書館には「レファレンス協同データベース」というデータベースがあり、先ほどの図書館の調査の事例をデータベース化しています。日本全国たくさんの図書館がこのデータベースに事例を登録しています。
また、大阪府立図書館は「e-レファレンス」という、インターネット上で調査相談を受けつるサービスもしています。

(4)かんがえよう、としょかんのやくわり

最後に、今日の話を聞いた上で、図書館の役割や、こんな図書館がいい!ということを再度画用紙に書いていただきました。

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今回はお子さん連れの方が多かったためか、児童コーナーや子ども連れで図書館に行くことなどに関する書き込みが多いですね。特に児童コーナーとそれ以外のコーナーをフロア分けしたらどうか?という話で盛り上がりました。お子さん連れだとどうしても他の利用者さんに気を遣ってしまう、騒いだら申し訳なく思うとのこと。また、「図書館の人が忙しそうで声を掛けづらい」という声も。また、図書館で長居したいのに自販機が無い、館内で飲み物を飲めないのが困るという話も出ました。そして、資料をもっと増やして欲しい、古い資料を新調して欲しいという意見も。

以上のようなことをお話しましたが、あくまでおおまかに書いただけで、実際にはどんどん話が広がっていきました。分類についてもっと込み入った話をしたり、他の図書館の話(飲食できる図書館やカフェのある図書館など)に広がったり、あるいは図書館に対して要望があってもどこに言って良いのかわからない、議員さんに言ったり図書館を考える会に参加したりというのはハードルが高い、など。
図書館を利用しない人も、利用している人も、図書館に対して「もっとこうして欲しい」というニーズはあるものの、そのニーズを図書館側が拾うのはとても困難ではないか、という印象を受けました。いち図書館員として、こういったニーズをどうやって拾っていくか?ということを考えさせらるイベントでした。

今までこんな風に「図書館関係者以外の大人に図書館の話をする」ということは無かったのでイベント前は少し不安だったのですが、やってみれば新たな発見が多々あり、大変良い経験になりました。また機会があればぜひやってみたいですね。

以下、今回の参考文献です。

本も図書館関係者以外の方が読んでも面白い本が多いです。ぜひご一読ください。


【会場変更】グラスまちライブラリーさんとのコラボイベント開催!OSAKA BOOK FESTA+2015

以前当サイトで「まちライブラリー」および「グラスまちライブラリー」さんをご紹介しました。

・グラスまちライブラリーに行ってきました

そして2015年4月18日(土)〜5月17日(日)にかけて、主に大阪のまちライブラリーを中心に「OSAKA BOOK FESTA+2015」というイベントが開催されています。

・OSAKA BOOK FESTA+2015

まちライブラリーOSAKA BOOK FESTA+ 2015 は、民間図書館“まちライブラリー”、公共図書館や大学図書館、書店、ショップなど大阪とその周辺に点在するブックスポットを巡り、本を介して人と人との出会いを生み出す新しいタイプの地域イベントです。
ブックスポットでは、トークやワークショップなど様々なアクティビティが開催され、参加者が推薦した本を紹介するコーナーなどもあります。
さあ、本を持ってまちに出よう!
思いもよらない本と人との出会いが、大阪の街であなたを待っています。
(OSAKA BOOK FESTA+2015サイトより引用)

イベントの様子はテレビ東京の番組でも紹介されました。

・TV TOKYO アンサー「くらしのアンサー なぜここに続出!ナゾの交流場」

そして、このたびほんとも!もグラスまちライブラリーさんとのコラボでOSAKA BOOK FESTA+2015イベントを開催いたします!

コラボイベントチラシ
・【大阪ブックフェスタ】2本だて!(1)ほんともさんコラボ図書館使いこなせてる?!(2)広大な芝生で遊ぼう!

日時:5月16日(土)11:00〜
ほんとも!のイベントは45分程度、イベント終了後ランチタイム(※各自持参)や芝生遊びあり
場所:大阪府阪南市桃の木台中央公園
(雨天時は近隣の屋内施設で開催)
対象年齢:全年齢
参加費:無料
アクセス:南海電車箱作駅下車、南海ウィングバス阪南スカイタウン線・桃の木台7丁目下車

※※※雨天のため会場を桃の木台東住民センターに変更いたします。南海ウイングバス阪南スカイタウン線・桃の木台3丁目下車、飯ノ峯中学校前の住民センターが会場です。※※※

ほんとも!はイベントの前半を担当させていただきます。
イベントタイトルは

「図書館、使いこなせてる?」

主に「普段図書館を使わない人」や「図書館で本は借りているけれど、それ以外の使い方を特にしていない人」を対象に、図書館の思わぬ使い方や役割について、参加者の皆さんにも一緒に考えていただきつつ図書館の話をしようと考えております。
なお、ほんともは10時ごろから公園にいますので、イベント前に学校図書館の話をしたり、お子さん連れであれば読み聞かせをしたりもします。
イベント後は広大な芝生で一緒に楽しい遊び(昔あそびのような)もします。
みなさま、どしどしご参加ください!


サン・ジョルディの日に贈る絵本

あまり世間一般には知られていないかもしれませんが、毎年4月23日は「子ども読書の日」(4月23日〜5月12日はこどもの読書週間)であると同時に「世界図書・著作権デー(世界本の日)」でもあり、そして「サン・ジョルディの日」でもあります。

図書館や出版・書店・お花屋さん関係ではない方にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、「サン・ジョルディの日」とは「親しい人に気持ちをこめて、本や花を贈り合うカタルーニャ伝統の日」です(日本・カタルーニャ友好親善協会サイトより)。元々は聖人サン・ジョルディが退治した竜の血からバラが咲いたことからバラを贈る日だったのですが、20世紀に入り本を贈るようになりました。カタルーニャでは男性がバラを贈り女性が本を贈ることが多いようですが、特にこだわり無く男女、友人同士、親子で本を贈ることもあるとのこと。

「人に本を贈るなんて、その人がどんな本を読んでいるかわからないと難しい、こんな本を贈っても好みじゃなかったら…」と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、誰かが自分のためにじっくり悩んでこれだ!という1冊を贈ってくれれば、どんな本でも嬉しいものだと思います。みなさん、今年は誰かに本を贈ってはいかがでしょうか?

さて、以下はほんともオススメの、プレゼントにぴったりな絵本です。主に大人に贈る絵本を紹介します。

junaidaさんという画家さんの絵本です。絵本というより、画集に近いかもしれません。「家」をテーマに、見ていて思わず心温まるような絵がたくさん詰まっています。細部まで本当に細かく描かれていて、じっくり見ていると発見があり楽しいです。

同じくjunaidaさんの「HUG」という絵本。タイトル通り「ハグ」をテーマに、様々なハグが描かれています。しかし、単純に人と人同士がハグする絵ばかりではありません。1枚1枚、意味深なテーマがあるように感じます。

同じくjunaidaさんの「IHATOVO〈01〉」。宮沢賢治の作品の一節を抜き出し、その一節に時に幻想的な、時に楽しい絵を描かれています。宮沢賢治の珠玉の文章とjunaidaさんの絵が見事にマッチしています。ただ、漢字にルビが無いのでお子さんにプレゼントするのはちょっと向いてないかもしれません(よく本を読む小学校高学年の子ならば大丈夫だと思いますが)。

この本も実は文字がありません。デイヴィッド・ウィーズナーという作家さんの絵本ですが、絵だけでストーリーが展開していきます。エンパイアステートビルに登った少年が、不思議な友だちとの邂逅と別れ、そしてラストの夢が溢れでたかのようなワンシーンは思わず鳥肌が立ちます。伏線もあり、絵だけでこれだけの物語の展開があるのは素晴らしいです。

同じくデイヴィッド・ウィーズナーさんの文字なし絵本。海水浴をしていた少年が波に揉まれると、ふとひとつのカメラを拾い上げます。そのカメラに入っていた写真を現像してみると…。ちょっとSFチックな絵本です。

大道芸人であるフィリップ・プティ。彼の特技は綱渡りであり、ニューヨークのツインタワーを綱渡りするという壮大な挑戦をするお話です。しかし、彼は全く怖れません。何が彼を綱渡りに駆り立てるのか?ということを読み手に問いかける絵本です。ちなみにこの絵本は実話を元に書かれています。

卒業・3学期最後」の読み聞かせブックリストでも紹介していますが、この4月に異動や引っ越しで遠くに行った、あるいは就学や就職や転職という新たな門出を祝うのにぴったりの絵本です。

ある日、ひらがなの国の道端に落っこちていた濁点。そんな「読めもしない」珍事は、実は深い深い絶望から始まったもの。思わず唸ってしまう珠玉のストーリーです。

広告などでイラストを見たことがある方も多いのではないでしょうか?ヨシタケシンスケさんというイラストや造形芸術を中心に活動されている方の絵本。とても哲学的で大人も思わず考えこんでしまいます。

絵本ですが236ページもあります。自分自身のアイデンティティとは?これも哲学的な絵本です。実は学校でもよく借りていかれます。

ショートムービーで有名になりましたが、その映画を元にリメイク・描き下ろしされた絵本です。海面がどんどん上昇し、家が沈んでいく町。その町で、海面が上昇するたびに上へ上へと増築していく家に住むおじいさん。ある日、また家を建てようとした時に道具を下の家に落としてしまいます。道具を取りに潜ってみたおじいさんは、古い家を見て昔を思い出します。家族や故郷、人生のことを感じさせてくれる絵本です。

おじいちゃんからある日ネコの男の子のもとに「浮き輪」が贈られてきます。手紙には「次の満月にふくらませて」と書いてあります。言われたとおりふくらませてみると…。蜂飼耳さんの秘密めいた冒険の物語、けどどこか優しさも感じさせてくれます。その物語に牧野千穂さんの淡く優しいタッチの絵がぴったりです。

もしプレゼントする相手に最近赤ちゃんが生まれていたらぜひ贈りたい絵本。赤ちゃんへのお母さんの思いがたっぷり詰まった写真絵本です。

本好きな人にぜひ贈って欲しい本。「本と読む」ということそのものの意味が伝わってくるかのような絵本です。

キャンバスを前にして、筆が止まってしまった画家。愛車ルノーを走らせただひたすら進む先にあったのは古びたホテル。そこで画家は様々な人々と出会います。想像力とはいったい何なのか?どうやって取り戻せば良いのか?これぞまさに大人の絵本。

というわけで、かなり偏ったリストになりましたが(実際ほとんど自分の好きな絵本リストに近いです)、どれも大人が読んでも面白い絵本ですので、特にプレゼント関係無くとも読んでいただければ幸いです。