カテゴリー別アーカイブ: 学校図書館の話

トークセッション 「本+空間(hontasu 空間)Vo.1」に参加しました

先日(2014年10月11日土曜日)、奈良県立図書情報館にて
トークセッション 『本+空間(hontasu 空間)Vo.1』」というイベントに参加しました。

「本+(hontasu/ほんたす)」シリーズ第1回。ゲストは堀部篤史(恵文社一乗寺店長)+内沼晋太郎(ブックコーディネーター)+砂川昌広(とほん店主)。ユニークな店舗づくりをする書店の方々を迎え、「本のある空間」について考え、語り合います。

「本+(hontasu)」は、本を軸に、まつわる周辺にもまなざしを向けながら、それをめぐる世界を考えようというイベントプロジェクトです。イベントを通じて、単に本があるというだけではない、本と人や情報の集まる新たな“場”の可能性について考えます。

イベントは、図書情報館と図書情報館から生まれた活動コミュニティがともに、企画、運営しています。
(奈良県立図書情報館イベントページより引用)

当日はまず20分ずつ砂川さん、堀部さん、内沼さんの順にご自身のお店や活動の説明があり、
その後45分間のパネルディスカッション。
休憩を挟んで3グループに分かれてゲストの方を囲みグループセッションを25分×3回、
最後に質疑応答と全体セッションと盛りだくさんな内容でした。

ゲストお一人目の砂川昌広さんは奈良県大和郡山市にて
4坪の書店「とほん」を経営されている店主さん。

・とほんサイト
[browser-shot url=”http://www.to-hon.com/” width=”200″]

以前勤められていた書店が閉店した後、
奥様の地元大和郡山市にNPOの方の協力を得て「とほん」をオープン。
店の名前は「◯◯と本」から取っており、
様々なことと本が繋がるという意味とのこと。
お店の写真には訪問者が書いたらしき
「◯◯とほん」のメッセージボードが店内に飾られていました。
新刊に加え古本、雑貨の取り扱いもあります。
お店のある場所は創業400年の和菓子屋さんもある歴史の古い商店街。
地元で開かれるフリマ「ひとたらい市」に参加したり
他地域でのイベントにも出店したり、
地元に溶け込む姿勢が感じられる書店さんでした。
4坪の書店ということで本のチョイスが難しく感じられたのですが、
自分のこだわりや趣味を前面に押し出すのではなく、
ジャンルを狭めず偏らないように幅広く、
また流行の本の方が在庫リスクが高く長く売れる良い本を置いている、
というのが印象的でした。
大和郡山市には大型チェーン書店もあるのですが、
それぞれの店がその店なりの本を置いていて
「お客さんが本屋巡りできる」ようになれば良いと考えてらっしゃるそうです。
我が家から近いので、近いうちに訪れたいと思いました。

お二人目のゲスト堀部篤史さんは言わずと知れた
恵文社一乗寺店の店長さん。

・恵文社一乗寺店サイト
[browser-shot url=”http://www.keibunsha-books.com/” width=”200″]

私も何度か訪れたことがありますが、
棚作りに独特の哲学があり、例えば山登り・アウトドアの棚に

が混じっていたり、並んでいる本を見ているとそれだけで楽しく
新たな本との出会いがある書店です。
また、一緒に売られている雑貨や併設されているイベントスペース
COTTAGE」のイベントも魅力的なものが多いです。
お話で最も印象に残ったのは選書のこと。
著者と出版社と書影でその本を恵文社に置く本かどうか、
そして置いて売れるかどうかをかなりの高い確率で判断できるとのこと。
著者のこれまでの作品と出版社のこれまでの出版傾向が
それだけ「身に染み付いている」ということであり、
図書館員として見習わなければと痛感しました。
「恵文社一乗寺店」というお店のカラーと
来店されるお客様のニーズの摺り合わせ、
書店として本を売るという当然の目的を達成するために、
店のカラーとお客様のニーズと売上や出版傾向を
複合的に考えて選書されているその姿勢、
「時間は流れている」というスタンスで日々変化、
あるいは進化されているのが素晴らしく感じました。
堀部さんの書店や地域との関わりについては
こちらの本がさらに詳しいのでぜひご一読ください。

まさにタイトル通り、「左京区」という街のカラーを作り上げた小さな店たちの本。店の単なる紹介ではなく、それぞれの店主の店に対するこだわりや街の中での立ち位置、商売への思想を深く切り取りつつ、それらを繋ぎ合わせて左京区というひとつの街を物語るかのような内容。様々な小さな店が繋がり合うことで、左京区というコミュニティができつつあることが印象的。(ほんともレビュー)

最後のゲスト内沼晋太郎さんは
下北沢にある本屋さんB&B開業者であり、
また本屋ではないお店(服屋さんや雑貨屋さんやカフェなど)に設置する
本をセレクトする「ブックコーディネーター」。
そして本にまつわるノウハウとアイデアを繋げるNUMABOOKSの設立者でもあり
本にまつわる多様な活動をされています。

・B&B
[browser-shot url=”http://bookandbeer.com/” width=”200″]

・numabooksサイト
[browser-shot url=”http://numabooks.com/” width=”200″]

その活動や本に対する考えは

この本に詳述されています。

本というものの定義を紙の本や電子書籍だけに限らず幅広く捉え、なおかつその「本」の可能性、そして「本屋」の可能性を探る著作。出版・書店業界の現状とその問題点を指摘しつつ、しかし「本」と「本屋」にはまだただ未来の楽しみがある。そんな視点で著者ご自身の活動や他の様々な「本」と「本屋」にまつわる活動を紹介して、二つの未来を探っています。(ほんともレビュー)

文庫本葉書」(その本の一節が書かれた封筒に本を密封、どんな本かはわからない)や
その人のおすすめの本(同じくどんな本かわからない)を顔写真と氏名・出身地だけで選ぶという本の売り方の紹介がありましたが、
本を匿名にすることで本選びの悩ましさを軽減しつつ新たな楽しい本選びを創り出していて、
非常に考えられたアイデアだと感じました。
また、B&Bの特徴である「ビールが飲める」「家具も買える」「毎日イベントをする」の三点が
本屋の収入源を支えつつ本屋というものの弱点を補っている話から、
当日内沼さんの口から出た「常に課題意識を持っていること」という姿勢で
本や本屋が持つ課題・弱点を新たな発想で解決していくこと、
そのために日々様々なもの・ことをご自身の中に
積み重ねられていっているのが印象的でした。
「本屋はメディア」という言葉に関してグループトークでお聞きしたのですが、
「本屋は究極の食中花、街の知的好奇心の中心」とのお答え。
また、それまで本屋は本を置いているだけで売れていたのがそうでなくなり、
本に対してのニーズが実用性から知識を刺激するものに変化していること、
その上で本屋自身の個性化が大切だとご説明いただきました。
また、B&Bでは本それ自体だけで本なのではなく、
「本+イベント」で本になっている、というのも印象に残りました。

以上のようなご自身のお店や活動のお話の後
パネルディスカッションやグループトークでも
さらに踏み込んだお話をお聞きすることができたのですが、
ゲストの三者から共通して感じられたのは、
自分たちは「書店をやっている」という矜持を持ちつつ
書店であり続ける、書店を維持していくために
常に日々書店の仕事に挑んでいること、
「自分」を全面に押し出すのではなく周囲の状況や
今ある課題などを分析して自分の仕事を創り上げていっていること。
図書館的には「成長する有機体」と言えそうです。

また、同じく共通するのは「本だけではもはや街の書店は成り立たない」ということ。
街の小さな書店がほとんど見かけられないことからも
既にわかりきっていることではあるのですが、
一方で「どうして本を売るだけで書店が成り立たないのか」
という問題点が本にまつわる業界の共通課題のように思えました。

加えて、個人的にこういった図書館が主ではないイベントに参加すると
いつも私は「図書館員としてこの問題はどう自分に関わるか」
「経済的苦境にある地方に住む人間として、同じことが言えるのか?」
ということを考えます。
今回は図書館員としてこの日お話をされた方々の
「街の書店」の選書に学ぶべき点が多々ありつつも、
図書館というものの役割を考えると全く同じ論理では選書できないこと、
また図書館が生き残っていく上で図書館というものの弱点をもっと考えて
図書館の生き残り策をその弱点から何か発想しなければならないなということ、
そして私が住んでいる地方や他の地方でもしこのような書店をオープンするとしたら…
地域性や他書店のマーケティングや新しい働き方など色々と想像が膨らみました。

今回のイベントファシリテーターは
aun creative firmアートディレクター/デザイナーの森口耕次さんと
RISSIINC.ディレクターの松村倫也さん。

・aun creative firm
[browser-shot url=”http://a-un.net/” width=”200″] ・RISSIINC.
[browser-shot url=”http://www.rissiinc.jp/” width=”200″]

おふたりとも時間通りの進行をしつつ、
パネルディスカッションや全体セッションで
聴き手が更に深く聴きたいと思うことを的確に質問されていました。
このイベントを企画・運営してくださり、
参加の機会をいただき大変ありがたく思います。

また、イベント会場の奈良県立図書情報館を
イベント後見学させていただいたのですが、
「情報館」にふさわしくクリエイティブスペースや研究スペースが多々あり、
今回のように図書館に囚われない幅広いイベントを開催されており、
今後の「本+」のイベントも大変楽しみです。
また参加したく思います。
奈良県立図書情報館のイベント開催に関する趣旨については、
情報館の乾聰一郎のインタビュー記事「いかしごと」をご覧ください。
こちらも「働く」ということに関しての非常に興味深いお話です。

・いかしごと 求める人たちのことばかり考えて仕事をするのは、おかしいと思う。奈良県立図書情報館乾聰一郎インタビュー:前編
・いかしごと 自分にあった仕事なんてありえない。奈良県立図書情報館乾聰一郎 インタビュー:後編

会場に付いてプログラムを見た時に「おぉ、これは予想よりも濃いイベントだ…」と感じたのですが、
その通りに大変考えさせられることや発見の多いイベントでした。
あつかましくも打ち上げにも参加させていただき、
大変充実じた時間を過ごさせていただきました。
ゲストの皆様、企画運営に携われた皆様、ありがとうございました。


「学校司書資格」に必要な科目検討

※この記事は日本図書館研究会図書館教育研究部会例会のための記事です
なお部会所属の皆様はコメント等で本名を記載されないようお願い致します

学校司書が法制化されたましたが、
今後さらに学校司書資格が制定されたと仮定して、
これまでの自分の学校司書経験から必要と思われる科目を
司書資格・司書教諭免許・教員養成課程を参考にしつつ考えてみました。
SLiiiCのサマーワークキャンプで講師をする際に、
話のネタが無くなったら出そうと考えて作っていました。

まず科目名をざっと挙げてみます。
科目名等は司書・司書教諭・教員の科目から流用しています。
【司書】は司書講習と同じ科目で主に図書館全般に関する科目、
【司教】は司書教諭講習と同じ科目で学校図書館に関する科目、
【教員】は教員養成課程と同じ科目で教育学に関する科目
【学司】は学校司書独自の科目です。
(  )は単位数と必修・選択です。
リスト作成の説明はのちほどにして、先に科目名を挙げておきます。

【司書】・生涯学習概論(2・必修)
【司書】・図書館概論(2・必修)
【司書】・図書館情報技術論(2・必修)
【司書】・図書館サービス概論(2・必修)
【司書】・図書館情報資源概論(2・必修)
【司書】・情報資源組織論(2・必修)
【司書】・情報資源組織演習(2・必修)
【司教】・学校経営と学校図書館(2・必修)
【司教】・学習指導と学校図書館(2・必修)
【司教】・読書と豊かな人間性(2・必修)
【教員】・教育原理(2・必修)
【教員】・特別支援教育(2・必修)
【教員】・生徒指導論(2・必修)
【教員】・教育心理学(2・必修)
【教員】・特別活動(2・必修)
【学司】・学校図書館概論(2・必修)
【学司】・学校図書館サービス論(2・必修)
【学司】・学校図書館サービス演習(2・必修)
【学司】・学校図書館実習(1・選択)
【学司】・学校図書館設備論(1・選択)
【学司】・学校図書館制度・学校図書館史(1・選択)
【学司】・学校図書館基礎特論(1・選択)
【学司】・学校図書館サービス特論(1・選択)
【学司】・学校図書館情報資源特論(1・選択)
【学司】・学校図書館総合演習(1・選択)

総単位数:20科目38単位(選択からは2科目以上選択)

ちなみに、司書資格は13科目24単位なので
司書資格よりも科目・単位数ともに多くなっています。

・文部科学省「司書資格取得のために大学において履修すべき図書館に関する科目一覧」※PDFファイル

このリストを作るために、まず学校司書の業務や
学校司書として持ちあわせておくべき知識や専門性を
リストアップしました。
そのリストがこちら。

1.発注、受入、目録
2.レファレンス
3.貸出・返却、予約、リクエスト、督促
4.相互貸借
5.選書
6.目録・資料厚生
7.情報処理・情報技術
8.図書館運営計画作成
9.図書館精度・図書館政策
10.学校図書館教育計画(カリキュラム)作成
11.学校図書館教育研究
12.学校図書館組織
13.学校図書館資料論(蔵書構築、資料保存含む)
14.教職員レファレンスサービス
15.児童レファレンスサービス
16.広報活動
17.読書指導
18.学校図書館間連携
19.公共図書館連携
20.オリエンテーション(児童・教職員向け)
21.図書館デザイン(レイアウト、建築、サインなど)
22.地域・他機関連携
23.図書委員会活動
24.学校図書館史
25.学校図書館制度・政策
26.学校図書館実習
27.基本的な教育学(教育原理)
28.特別支援教育
29.生徒指導(生徒相談含む)
30.学校組織
31.課程対応
32.進路相談
33.児童心理学・教育心理学
34.教育政策

この34の項目と司書・司書教諭・教員それぞれの講習・養成課程で
必要な科目・学ぶ科目とを対比し、
それぞれの項目がどの科目に当たりそうか(カバーできそうか)を検討し
足りない項目は新たに科目を作成してリストに入れました。
詳しくは対応表のExcelファイルを見ていただけるとわかるかと思います。

catch003

Excelファイルが見られない方のためにPDFファイルはこちら

catch001

「学校司書がこの科目を学ぶ必要があるのか?」
「学校司書はこんなこともするのか?」
という賛否両論があろうかとは思いますが、
そういった科目は大抵

「学校司書としてこれまで勤務してきた中で
学んでいなくて苦労した、学んでおきたかった科目」

です。
色々ご意見等があるかとは思いますが、
考えるヒントとしてご笑覧いただければと思います。


1年生の「読書の練習(仮題)」

お久しぶりです、ほんともです。
今年度から卒業研究にまた取り組んだり
色んな研修会に参加したりと忙しく更新をサボっておりました…
2学期は少し仕事も落ち着きそうなのでちょくちょく更新したいと思います。

さて、今回は1年生の「読書の練習(仮題)」についてです
(良い名前が思い浮かびません、何かもっと良い名前があればいいのですが)。
「読書の練習」と書くといかがわしい感じがしてしまいますね。

内容は、

(1)図書館に来て本を返して借りる
(2)廊下に並んで全員一緒に教室に戻る
(3)教室で各自椅子に座り授業の趣旨を説明
(4)読む様子を見ながら苦手な子を担任・司書がフォロー

というものです。
1年生の図書の時間に行いました。
「どこかで見たような…」とお思いの方がいらっしゃるかと思いますが、
島根県松江市(旧出雲町)の揖屋小学校の実践を真似たものです。

揖屋小学校の実践では(うろ覚えですが)
朝の読書の時間に行い、
本は物語の本で教科書と同じ書体の本を用意し、
担任・司書教諭・学校司書の3人の先生が入って
行うというものでした
(すみません、うろ覚えですので間違いがあるかもしれません)。

本校は朝の読書の時間がクラスの裁量で行われているので、
図書の時間に行うこととしました。
また、読む本は図書館で借りた本でも良いし、
司書がブックトラックに載せた本でも良い、としました。
ただし、間違い探し絵本やなぞなぞの絵本、
マンガや絵しかない絵本などは読んではいけないこととしました。
また、本校では物語に限らず絵本(少し長めのもの)や
他の類の1年生が読めそうな本も準備し、
本の難易度も簡単なものから少し難しい物までそろえました。
書体に関しては手書きやポップな書体のものは避けました。
以下、実践してみてわかったことです。

(1)図書館で行うよりも教室で行う方が良い
本校は図書館にクラス全員分の座席が無いので
必然的に教室でする選択肢しかありませんでした。
教室から図書館に移動する手間と時間が
もったいないように思われましたが、
図書館で読みたい本を選べるし、
本を貸し借りして移動する時間を差し引いた残り25分ほどが
1年生が集中して本を読める限界ちょうどくらいで、
時間的には問題ありませんでした。
また、図書館に座席がクラス全員分あったとしても
教室で行った方が良いように感じました。
図書館の座席は大抵4人掛けだと思いますが、
4人掛けだと苦手な子をフォローする際に他の子の気が散る、
教室の1人掛けだと真横について集中してフォローしやすい、
また教室だと机間移動がしやすく全体を見てまわりやすいと感じました。

(2)本は幅広く揃えた方が良い
1年生が選んでいる本を見ると、
ほとんどは絵本や物語の本で、
一部の生き物好きの子は生き物の本を選ばない、という状況でした。
1年生の時点で既に本の選択に偏りが見られます。
しかし調べ学習を今後行うことを考えると、
幅広い本を準備し教える側から幅広い本を読むように
働きかける必要があります。
また、そのような本の魅力を伝えるのが学校司書の役割であり、
様々な本を知り子どもたちが魅力的に感じるような
紹介の手法を身につけておく必要があるように思います。

(3)本の難易度も広く揃えた方が良い
子どもたちによって文章を読む力の差があるのは当然なのですが、
その差はかなり広いように感じました。
青い鳥文庫をすらすら読む子もいれば、
絵本の文字を追うので精一杯、という子もいます。
どの分類の本にしろ、子どもたちの幅広い読書力に
対応できるよう様々な難易度の本を準備する必要があります。

(4)絵本の文字の配置
絵本によっては文字の配置が上下左右に分かれているものがあり、
本を読むのに慣れない児童にはどこをどの順番で読めば良いのか
わかりにくいように見受けました。

(5)会話文について
本によっては会話文が「 」で区切られていないもの、
また逆に「 」で会話文ばかり続くものもあります。
会話文が「 」によって区別でき、
また会話文ばかりが続かないもののほうが
1年生には読みやすいように見受けました。

(6)オノマトペのみで場面を表現しているもの
作品名など具体例を挙げられればわかりやすいのですが…
物語の場面の様子をオノマトペ中心に表現しているもの、
例えば船が海からやってくる場面で
「ふねがどんぶらこぶら…。
 ちかづいてきます、どんぶらこぶら…。」
という風にオノマトペで簡略化して説明しているものは、
文字は追えるけれども意味を追いにくいように思いました。
しかし一方で「想像力を養う」面もあるので、
これはどちらが良いか判断に迷うところです。
ただ、読むのが苦手な子にはこのような本は
場面の意味や展開が読み取りにくく、
読みにくいように見受けられました。

(7)場面展開や文末表現
(6)にも通じるものがあるのですが、
説明が簡略で場面展開がわかりづらいものや、
文末表現が「…」になっていたり
体言止めになっていたりしている
複雑な表現のものも、読むのが苦手な子には
読みづらいように見受けました。

(8)物語・絵本以外の本がかえって読みやすい
(6)(7)を踏まえるとむしろ、
科学絵本などの方がむしろ子どもたちには
文章表現が単純で読みやすいのではと思いました。
実際、科学読物で漢字も交えた(ルビは振ってある)
字が細かく行間が狭く長い本を集中して読める子もいました。
ただ、同種の物語の本を今回は入れていなかったので
比較がまだ必要だし個人の読書力の違いもあるので
これも必ずしも正しいとは言えません。

(8)1年生が知らない単語が多いものは避ける
行事絵本など1年生が知らない単語が多く出てくる本は
読めても内容が理解できていないようでした。
また、後述しますが単語を知らないので
文字を追う際に文章の区切りが単語単位で捉えられず
読みにくいように見受けました。

(9)読むのが苦手な子は単語で区切って読まない
読むのが苦手な子は、ひらがなを1文字1文字追って、
1文字ずつ棒読みで読みあげていきます。
単語ごとに区切って読む、意味を捉えて読むというのできません。
まだひらがなを完璧に覚えていないというのが原因ですが、
そういった単語ごとに区切って読むというのを
どこかで教える必要があるように感じました。
例えば、電子黒板に文章を全く区切りや句読点を入れず表示して、
区切りや句読点を入れた文章を比較して、
文章は意味のある単語で区切って読むと読みやすいんだよ、
というような指導が必要なように思いました。
また、そいういった読むのが苦手な子も付き添って読み続ける内に
何度も出てくる単語はすらすら読めるようになったり、
後半は読むスピードが上がったりしていました。
集中して読むことによる効果が出ていました。

(10)楽しいという子もいれば疲れたという子もいる
終わったあと感想を聞いてみると「面白かった!」という声が
意外にも多く出てきました。
そしてもちろん、「疲れたー」という声もありました。
おおよそ25分ほどですが、
やはり集中して読むのは1年生には体力を使うように見受けられました。
私はこの授業をあと2、3回続けようかと考えていたのですが
担任の先生から「月に1回くらいすれば良さそうですね」と言われ、
確かにこれが毎回続くと1年生にはハードだなと考えを改めました。
ただ、このような読み方を普通の図書の時間にも心がけるようにし、
教室でも本を読む時間を空き時間等に取ってもらい、
定期的にこの「読書の練習(仮題)」時間を設けて
その度に読む本が多様になるよう指導したり
読む手法をレベルアップしていけば効果が期待できるように思います。

(11)事前に読むのが苦手な子を担任の先生と共有しておく
どの子が読むのが苦手か、というのは担任の先生が
普段の授業の様子からだいたい把握しています。
読むのが苦手なのはふたつのタイプがあり、
「集中力が続かない」タイプと、
「読むことそのものが苦手」タイプの2通りです。
どちらのタイプの子も事前に共有しておき、
それぞれのタイプに合った働きかけをする必要があります。
前者なら本をオススメするなどして飽きないように、
後者は付き添って一緒に読むのが効果的ですが、
他にも何か良い手法があるかもしれません。

やってみた結果以上のようなことがわかりました。
今後、内容や選書をブラッシュアップしていき
より効果的に行いたいと思います。
また、他にも何か良い手法などの情報をいただけましたら幸いです。


SLiiiCサマーワークキャンプ2014の講師を務めます&サマーワークキャンプ開催のためのご支援のお願い

みなさま、“SLiiiC”という活動団体をご存知でしょうか?
SLiiiCとは“School Libraries Communication, Collaboration, and Combination”の略で、
「学校現場で働く学校図書館員(学校司書等)と学校図書館やWebに関心のある
 学生・研究者が協力して,学校図書館に携わる人々の支援」
を目指している団体です(サイトトップより)。

・SLiiiC 学校図書館プロジェクト–働き人と学び人の共創– 学校図書館に携わるすべての人と創り出したい・・・
http://www.sliiic.org/

そのSLiiiCがほぼ毎年夏(9月頃)に開催しているのが、「サマーワークキャンプ」。
学校図書館関係の講師を招いて講演を行ったり、
講演に関するトークセッションやワークショップも行われたり、
非常に充実した内容の研修を2日間に渡って行われています。
昨年度参加させていただきましたが、
普通の研修と違い単なる先駆例の実践報告に留まらず、
学校図書館が抱える問題点や課題に迫る内容で
とても考えさせられる研修でした。

さて、このたびほんとも!がSLiiiCサマーワークキャンプ2014の
講師を務めさせていただくことになりました。
どういったお話をさせていただくかはまだ検討中ですが、
SLiiiCの横山様と今井様のお二人と鼎談を行い、
その模様の前編が下記URLにてアップされております。
後編も後日アップされる予定で、
前後編合わせてお読みいただければほんとも!の人となりと、
今回私がどういったお話をさせていただくかがなんとなく掴めるかと思います。

https://readyfor.jp/projects/sliiic-swc2014/announcements

さて、ほんとも!から皆様にお願いです。
このSLiiiCはあくまで任意活動団体であり、
会員から会費徴収等もされていません。
そのため、“READYFOR?”というクラウドファンディング
(オンラインでの資金調達)を利用して
サマーワークキャンプ開催費用を集めています。

このサイトをご覧の方はほとんどご存知かと思いますが、
学校図書館司書は大半が非正規雇用のため、
自費での研修参加も厳しい方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、そういった方にこそサマーワークキャンプに参加していただき、
学校図書館司書としてのスキルをアップしていただきたい、
そして教育現場で学校図書館の可能性を広げていき
子どもたちの学びを支え育てていきたい、
という思いから参加者の参加費を抑えるため、
READYFOR?にて資金調達をされています。

学校図書館は、教科書だけでは学べないことを学ぶ、
子どもたちの学びの可能性を広げる場です。
その学校図書館を支える学校司書のスキルアップは、
ひいては子どもたちの学びを広げることに繋がります。
子どもたちの学びを広げるため、
SLiiiCサマーワークキャンプ2014開催のための
資金調達ご支援をよろしくお願いいたします。

・READYFOR? SLiiiCサマーワークキャンプ2014を
開催して学校図書館教育を活性化させたい!支援ページ
https://readyfor.jp/projects/sliiic-swc2014


新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧

全6回にわたってこれから学校司書として学校図書館で働く方々に送る
アドバイスを書きました。その記事まとめです。

【新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧】

その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
…配属初日の流れや準備物等に関して書きました。

その2 学校組織と学校図書館について
…学校組織の中で学校司書・学校図書館がどういった立場なのかについて書きました。

その3 とりあえずすべき目の前の仕事
…4月1日〜新学期早々に差し迫って求められる学校司書の仕事について書きました。

その4 学校司書の基本的な仕事
…日常的な学校司書のごくごく基本的な仕事について書きました

その5 学校司書の立場
…「学校図書館」という教育機関の中の図書館で働く学校司書の立場・役割について書きました。

その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
…学校司書と関わりの深い学校の先生方・ボランティアさん・他校の学校司書さん公共図書館の司書さんとの連携について書きました。

新米学校司書さんに送るツイートまとめ
…以前Twitterにて新米司書さんへのメッセージをつぶやいたもののまとめです。よろしければこちらもご一緒に。


新米学校司書さんが注意すべきこと その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携

【新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧】
その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
その2 学校組織と学校図書館について
その3 とりあえずすべき目の前の仕事
その4 学校司書の基本的な仕事
その5 学校司書の立場
新米学校司書さんに送るツイートまとめ
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「その6」に書いたように学校司書は「ひとり職場」ではありません。
学校内で教職員の一員であることもさることながら、
市内の他の学校図書館や公共図書館とも繋がりがあります。
他のそれぞれの立場の方々とどのように連携するか、
あらかじめ知っておくと良いかと思います。

(1)管理職の先生
校長先生、教頭先生、学校によっては副校長や教務の先生など、
だいたい職員室の「前の方」に座っている先生方が管理職の先生です。
管理職の先生方は学校運営対して最高責任を持つ先生方であり、
当然学校図書館の運営に関しても責任のある立場です。
図書だよりの発行の際には校長先生に
内容をチェックしていただく必要がありますし、
本や備品の発注などもチェックしていただく
必要が有ることもあります(学校によりけりですが)。
また、管理職の先生は教職員の関係を円滑にする立場でもあります。
仕事をする上で他の先生方との関係が上手くいかなかったりした場合も
管理職の先生方はその相談を受けるべき立場にあります。
また、生徒指導に関しても管理職の先生は相談を受ける立場にあります。
例えばとある学級で生徒指導に関して気になることがあるが、
担任の先生には諸事情により言いづらい…
そういった場合には管理職の先生に相談するのが良いでしょう。
ただし、そういったことに積極的に関わろうとしない
管理職の先生も中にはいます。

(2)図書館担当・司書教諭の先生
学校内には学校図書館を担当する先生がいることが多いです
(全くいない学校も中にはありますが…)。
また、学校図書館に関する一定の単位を取得し勉強している
「司書教諭」という資格を持った先生もいらっしゃり、
12クラス以上の学校では司書教諭として任命されています
(ただしこれも学校によって任命されていない場合もあります)。
ただし任命されていても図書館担当でないケースもあります。

いずれにせよ、もし赴任した学校に図書館担当の先生がいれば、
その先生は学校司書と一緒に学校図書館の運営をする立場に有り、
学校司書と一緒にどのように学校図書館を運営し
学校図書館教育を推進していくかを考える立場に有ります。
ただし、残念ながら現在の教員養成課程では
学校図書館教育に関する科目がなく、
例え図書館担当の先生でも学校図書館にお詳しくない先生がほとんどです。
また、司書教諭の先生でも学校図書館に明るくない場合も多々あります。
学校司書が学校の中で学校図書館教育に一番詳しい、
ということもままあります。
しかし、それでも図書館担当の先生がいる限りは、
学校司書一人で何でも決めて実行していくのではなく、
一緒に話し合いをして学校図書館への認識を深めてもらうのが良作だと思います。
ただし、図書館担当の先生は担任の先生をしており、
実際にはそんな時間があまり取れないかもしれませんし、
学校図書館のことを考えるヒマもあまりないかもしれません。
学校図書館に関してもっと詳しくなろう、
という意識もあまりお持ちでないかもしれません。
それでも、学校図書館運営に関して何か新しいことをしようと言う場合は、
図書館担当の先生に事前に話を通す必要はあります。
そうしなければ、学校図書館運営に関する責任を学校司書ひとりで背負うことになります。

(3)担任の先生・専科の先生
管理職の先生・図書館担当の先生以外の先生方との関わりは様々です。
担任の先生であれば図書の時間や調べ学習を一緒にすることになりますし、
委員会活動や行事等で係る場面も出てきます。
ただし、学校図書館教育に関して理解があるかどうかは先生によって様々です。
中高であればさらに教科ごとによっても異なってきます。
重要なのは「学校司書が何ができるのか」をアピールしていき連携してもらうこと、
そして学校図書館に理解のありそうな先生を見つけ協力してもらうことです。
初めて学校司書になっていきなりはわからないかもしれません。
まずは様子を見つつ、ひとつひとつの仕事を覚えながら、
徐々にできることを増やしていきつつ、
先生方との連携を考えて進めていくのが良いかと思います。
いきなり大掛かりな授業連携などはできません。
特に自治体として初めて学校司書を置いたところなどではなおさらです。

また、小学校では担任の先生以外に「専科の先生」もいます。
算数の少人数学級・音楽・図工・家庭科・養護教諭などの先生です。
こういった先生方とは授業等で連携するのはもちろんですが、
職員室で給食をご一緒することにもなります
(小学校の学校司書は職員室で給食を食べることがほとんどです)。
こういった先生方は複数のクラス・学年を教えているので、
それぞれの受け持つクラスの状況に詳しいことが多いです。
給食の時間にそういったコミュニケーションを取ることも
学校司書として全クラスに関わる上で役立ちます。
また、給食に関しては、赴任した当初は
お盆に給食を載せて各クラスに行って食べる、
というのも児童・生徒たちとコミュニケーションを取るのに良いです。

(4)ボランティアさん
学校によっては学校図書館にボランティアさんが入っているケースもあります。
本の修理や配架(本の整理)、飾り作りなどを手伝ってくださっていたり、
休憩時間の学校図書館の開館をしてくださっていたり
(学校司書が毎日勤務できない場合)、
読み聞かせボランティアのチームがあって
授業や休憩時間・朝の時間に読み聞かせを行っているケースもあります。
ただし、ボランティアさんはあくまで「ボランティア」であり、
司書資格を有する方もいらっしゃればそうでない方もいらっしゃり、
当然ながら学校図書館に関する専門知識を持ちあわせていない場合も多々あります。
学校司書はボランティアさんとは異なり、
学校図書館に関する専門知識を元に学校教育に深く関わる立場であり、
図書館担当の先生とともに学校図書館運営の中心となる立場です。
ボランティアさんの手助けは大変ありがたいものですが、
学校図書館は個人情報を取り扱う場所でもあり、
その関わり方には慎重にならなければならないこともあることを
学校司書は知っておく必要もあります。
また、ボランティアさんの管理等を誰がするのか、という問題もあります。
雇用条件の厳しい学校司書には負担が大きすぎる場合もあります。
そういった場合は管理職の先生等にお任せするのも必要かと思います。

(5)他校の学校司書さん
自治体によっては全小中学校に学校司書を配置していたり、
1人2校以上兼務で学校司書を配置していたりと様々ですが、
たった1人だけ学校司書を配置している、という自治体は少ないと思います
(学校が小中1校しかない、という場合は1人かもしれませんが)。
以前から学校司書を配置している自治体であれば、
先輩の学校司書さんなので学校図書館の運営や
各学校の状況、図書館システムの使い方などにお詳しいでしょう。
その1で書きましたが、連絡を取る手段を確認しておき、
色々と教えていただきましょう。
また、自治体によっては学校同士で資料の貸し借りをしているところもあります。
図書館システムを通じて他校の本の所蔵状況が確認できたり、
図書館システムを使って貸出依頼ができるところもあります。
「公共図書館との連携」で後述しますが
そういった資料の運搬をしてくれる自治体もあります。
さらに、学校司書同士で定期的に集まって研修や連絡会を
行ったりしている自治体があったり、
先輩司書さんたちが新任司書さんに新任研修を行っているところもあります。
何にせよ、先輩司書さんたちがいる場合は大いに頼りにしましょう。

ただし、「初めて学校司書を配置する自治体」はこの限りではありません。
それまで学校司書を配置しておらずゼロからのスタート、
誰も市内の学校図書館の状況に詳しくない、というケースもあります。
ただ、そういった場合でも中には学校司書経験者がいるかもしれません。
学校司書経験者の方がいればその方に助けてもらいつつ、
横の連携=学校司書同士の連携をしっかり取って、
どのように学校図書館を推進していくかを考えていきましょう。
この場合、学校司書だけでなく先生たち
(例えば市の教科研究グループの国語教育担当グループの先生など)や
教育委員会の担当者、公共図書館の方も巻き込んで
市全体で学校図書館のことを考えていければベストです。
しかし、もし学校司書経験者すらひとりもいなかったら…
ネット上には学校図書館運営に関するノウハウを公開しているサイトがあります。

・SLiiiC 学校図書館プロジェクト
http://www.sliiic.org/

・青森県教育委員会「学校図書館活性化マニュアル〜できることからはじめよう〜」
http://www.pref.aomori.lg.jp/bunka/education/gakkou-toshokan_manual.html?
ref=rss

・大分県立図書館「学校図書館ハンドブック」
http://library.pref.oita.jp/kento/information/paper-publication/handbook/

・札幌市教育委員会「生かそう、使おう学校図書館ー学校図書館活用の手引-」
http://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/tokusyoku/dokusyo/21dokusyo.html

・那覇市立教育研究所「那覇市立学校図書館業務マニュアル」
http://www.nahaken-okn.ed.jp/kumoj-es/01_gakkou-annai/13_tosyo/keslib/sishoken/

・岡山県高校図書館司書部会「学校図書館実務の手引き」
http://okayama-hslibrary.com/?%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E5%AE%9F%E5%8B%99%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%95%E3%81%8D

・子ども読書県しまね 学校図書館(島根県立図書館)
http://www.lib-shimane.jp/dokusyoken-shimane/s-library/index.html
※学校図書館に関する用語集や改装事例有り

・ほんとも!〜学校図書館おたすけサイト〜 ※当サイト
http://hontomo.net/

また、書籍としては

学校図書館改装に関する書籍ですが、
学校図書館の役割や各学校図書館の状況分析についての記述が
初めて学校図書館で働く人にも役立ちます。

理論的・制度的な観点を学ぶのならば塩見先生の著書がおすすめです。

学校図書館と授業との連携に関してはこの4冊が、
探究型学習の意義や授業づくり、資料準備について役立つかと思います。

また、僭越ながらTwitterにて当サイト管理人が日々情報発信をしていますので、
そちらもご参照ください。
Twitter上には自分に限らず多くの学校司書さんが情報発信をされています。
https://twitter.com/typhoon516

(6)公共図書館
公共図書館がある自治体では、
公共図書館が学校図書館をサポートしていることも多いです。
授業で使用する資料等の貸出、
それも通常の利用者と異なり長い期間・多くの冊数を
貸し出してくれる場合が多いです。
また、Web上で資料の予約ができたり、
あるいはFAXやメール・電話で資料準備やレファレンスを
受け付けてくださるところもあります。
さらに、自治体によっては定期的に公共図書館や
他校の図書館から借り入れる本を配達してくれる自治体もあります。
そして、公共図書館の司書さんたちと学校司書とで
合同で研修等を行っている自治体もあり、
公共図書館の司書さんが学校図書館について詳しい場合もあります。
学校司書として配属されたら、
まずはその自治体の公共図書館に行って
挨拶をしたり学校図書館に関してお話を聞かせていただくのも
良いことだと思います。

以上、6回に渡って「新米学校司書さんが注意すべきこと」として、
これから学校司書として働く上で知っておくと便利なこと、
知っておいてほしいことを書きました。
「こういうことも書いておいた方が良い」
「こういうアドバイスも必要では」ということがあれば
コメント等でお知らせいただけるとありがたいです。
最後に、ここまで読んでくださった皆様、
そして新米の学校司書さんたち、
どうか無理せずできる範囲で頑張ってください。
皆さんのご活躍を祈念いたします。


新米学校司書さんが注意すべきこと その5 学校司書の立場

【新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧】
その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
その2 学校組織と学校図書館について
その3 とりあえずすべき目の前の仕事
その4 学校司書の基本的な仕事
その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
新米学校司書さんに送るツイートまとめ
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学校司書はよく「ひとり職場」と言われがちですが、
良識ある学校ならば普通はそんなことはありません。
教職員の一員として、学校組織の一員として
他の先生方と連携し学校図書館の運営や
学校図書館と授業との連携を進めていきます。

その前にまず学校司書として心得ておく必要があるのは、
「学校司書も子どもを教える立場である」ということです。
普通の図書館ではなく「学校」図書館、
「学校の中にある」図書館です。
学校図書館は教育の場です。
児童・生徒と接する場面は数多くあります。
学校司書は教員免許を持っていないとはいえ、
児童・生徒たちを指導せざるを得ない場面は仕事をする上で多々出てきます。
また、直接的な指導をせずとも、
日々児童・生徒と接することが児童・生徒たちの成長につながることもあります。
図書館や本の管理をするだけが学校司書の仕事ではありません。

また、教職員として学校の中にいる限り、
他の先生方との連携は必須です。
それは授業での連携だけでなく、行事や様々な場面で
助けあう必要が出てくることも有ります
(逆に先生方に学校図書館のことで助けてもらうこともあります)。
勤務時間の制限等のためそういった連携が可能かどうかは
ひとりひとりが判断すべきことですが、
「教職員の一員である」という認識は持っておく必要があります。

しかし、一方で残念ながら学校側が
「学校司書は教職員のいち員ではない」
「単なる派遣で来ている派遣社員」
「図書館の管理をするだけの事務員」
といった認識しかしていない学校もあります。

学校図書館はまだまだ発展途上、未開拓の状態の学校はたくさんあります。
そういった場合は
「学校図書館、学校司書が学校や教育課程の中でどんな役割を担うのか」を
学校司書から先生たちに伝えていく必要があります。
先生たちは悪意があるわけではなく、
単に学校司書が何をする人なのかわからない、
学校図書館をどう使えば良いのかわからないだけなのです。
そういった場合は学校司書が自らその役割を伝えて行かなければなりません。

残念ながら「学校司書なんて必要なの?」「いなくても良いんじゃないの?」
「学校図書館を使う教育なんて必要ない」
と思われている先生も存在します。
しかし学習指導要領には学校図書館の活用が書かれています。
学校図書館法にも「教育課程の展開に寄与」することが記述されています。

学校司書の雇用形態は自治体によって様々です。
上記のようなことを努めて行うのが難しい立場であるかもしれません。
無理をせず、可能な範囲で、学校司書としての自身の役割を考え、
学校司書としての職務を果たしてください。


新米学校司書さんが注意すべきこと その4 学校司書の基本的な仕事

【新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧】
その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
その2 学校組織と学校図書館について
その3 とりあえずすべき目の前の仕事
その5 学校司書の立場
その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
新米学校司書さんに送るツイートまとめ
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学校司書の仕事は多岐に渡ります。
それこそ、ブログの一記事などで紹介しきれるものではありません。
ここではごくごく基本的な仕事について書きます。
しかし、ここに書いている仕事の全てができるとは限りません。
おそらくこの記事を見ている新米学校司書さんは
残念ながらほぼ非正規雇用かと思います。
勤務時間や勤務日数が短い、
複数校を兼任される方も多いかと思います。
自分の勤務時間や勤務日数を考えて
可能な範囲で無理せずにお仕事をしてください。

(1)貸出・返却・予約・リクエスト・督促
これは学校図書館というよりも図書館としての
ごくごく基本的な仕事です。
なお、これらを行う際には
個人情報等に十分留意して行う必要があります。
誰が何を借りているか・返したか・予約したか・
リクエストしたか・誰が本を遅れているか、
などは個人情報であり取り扱いに十二分に注意が必要です。
また、これらをどのように行うかは図書館システムの機能や
貸出方式等でやり方も変わってくるかと思います。
図書館システムが入っていれば普通予約や督促も
機能が組み込まれているかと思います。
システムのマニュアルを読んでみましょう。
アナログなカード方式だと予約・督促は
大変手間のかかるものになってしまいます。
慣れない内は予約・督促を行うのは大変なので、
慣れるまではしばらく停止してしまうのもひとつの手段かと思います。

(2)開館(休憩時間、放課後、夏休み等特別期間)
開館時間等は学校によりけりです。
そもそも休憩時間が何時から何時かというのも学校によって異なり、
それに合わせて「昼休みは開館するけどそれ以外の休憩時間は開館しない」
「休憩時間が5分の場合は開館しないけど10分や20分の場合は開館する」など
学校によって様々なので、確認する必要があります。
また放課後開館するかどうかも学校によりけりです。
放課後は児童の下校時刻が決まっている、
放課後は先生が図書館に入れないので開館しない、というケースもあります。
このあたりは赴任された学校で事前に確認しましょう。
学校によっては夏休みや冬休みに開館する学校もあります。
それも学校によりけりなので確認しましょう。
また、学校司書の勤務時間や日数が短い場合は、
学校司書が不在の時に先生や図書委員やボランティアさんが
開館を行っている場合もありますので、これも確認しておきましょう。

(3)図書の時間
これは小学校で行われており、
中学校や高校の図書館ではあまり行われていないかと思います。
週1回(学校や学年によっては隔週など)ほど、
図書館に子どもたちが来て授業を行います。
この図書の時間に本の貸出・返却をしたり、
読み聞かせやブックトークを行ったり、
また調べ学習を行ったり調べ学習の調べ方の指導などを
行うこともあります。
どのような内容で行っているかは前任者や
他の学校司書さん、昨年度からいる先生に確認するのが良いでしょう。
特に調べ方指導等ではなく普通にする場合、
ウチでは

本の返却

読み聞かせスペースに座る

授業始まりの挨拶

大事な連絡などがあれば連絡

読み聞かせやブックトーク

本を棚に戻す(自分で戻すか司書が戻すかは学校次第)

借りたい本を選んで貸し出し手続き

残り時間は自由読書

という風に行っています。
返却を最初に一斉に行うのは、
その方が後で貸出と返却がごた混ぜにならず混乱しないからです。
また、図書の時間は「息抜きの時間」ではありません、あくまで「授業」です。
子どもたちにとっては他の授業より楽だったり、
場合によっては先生も息抜きの時間と捉えていたりもします。
しかしあくまで「授業」なので、静かに本を読む、
友だちとおしゃべりをしないなどのルール決めは必要かと
個人的には思います。
また、この図書の時間でそういった点を注意して行わないと、
休憩時間の利用マナーも乱れるように思います。

(4)読み聞かせ・ブックトーク・アニマシオン
これは小学校のみならず中学校・高校でもすることがあります。
読み聞かせは絵本を読んだり詩を朗読したり、
場合によっては文学作品を朗読したり、
ブックトークは季節や行事、
あるいは授業内容などに合わせてテーマを決めて
本を紹介したり読み聞かせを行ったりします。
小学校では図書の時間に主に行う他、
授業に出張して行ったりする場合もあります。
また、「アニマシオン」というのは、
本を使って様々な「作戦」(適切な表現ではないかもしれませんがゲームのようなもの)
を行うことで子どもたちの本を読む力を育てるものです。
準備や実施に時間がかかり先生方の協力や
本を複数冊用意するなどの手間もあるので、
新米学校司書さんがいきなり行うのは
大変むずかしいと思いますので、まずは知識として
「アニマシオン」というものがあると知っておく程度で良いかと思います。
なお、「ほんとも!」にはジャンル別・月別の読み聞かせブックリストや
行事・記念日等を登録した読み聞かせカレンダーがあります。
サイト上部にあるメニューのリンクからご覧いただけますので、
ぜひご活用ください。

(5)オリエンテーション
図書館の使い方を教えることです。
本の借り方・返し方や本を元の場所に戻すこと、
図書館での過ごし方やマナー、予約の方法、
開館日や開館時間、
本の並びについて、本の分類について、
日本十進分類法についてなど、
図書館の利用方法について児童・生徒に教えます。
児童・生徒は学校図書館を使うだけではありません。
地域の公共図書館を使うこともあります。
また、卒業してからも大学図書館を利用したり、
公共図書館やはたまた国立国会図書館など
様々な図書館を利用することも有ります。
それらを上手く利用できるように教えることはもちろん、
生涯にわたって図書館ユーザーであるように、
生涯図書館を使って学び続けられるように、
図書館の使い方だけでなく図書館を使うことの意義、
図書館の役割なども伝わるように
オリエンテーションを行いたいものです。

(6)授業支援・レファレンス(資料・情報探し)
学校図書館は学校図書館法で「教育の展開に寄与する」と定められています。
学校教育や授業・委員会活動等がより効果的に行われるよう、
学校図書館は求められればその支援を行わなければなりません。
具体的には、授業や調べ学習で使用する資料を準備したり、
授業や調べ学習で使えそうな情報(本に限らない)を探し出したり、
また授業という場面に限らず休憩時間等様々な場面で
児童・生徒の資料や情報探しを手助けする必要もあります。
また、市町村によっては公共図書館からの支援を受けることができ、
公共図書館から資料を借りることができたり、
学校図書館だけでは対応できない場合に
公共図書館が資料・情報探しを行ってくれる場合もあります。
また、公共図書館に限らず博物館・美術館等の文化施設などを活用する方法もあります。
いずれにせよ、学校図書館は単なる読書センターではなく、
授業支援や資料・情報センターの役割を担う必要があります。

(7)図書だより作り
図書だよりは児童・生徒に本の紹介をしたり、
夏休み貸出やその貸出期間、夏休み開館、
新着図書の紹介、利用マナーについてなど、
図書館の様々な案内をするための文書です。
PCで作成したり手書きで書いたり、
B4裏表だったりB51枚だったり、
作成頻度も月1回から毎週などなど、
作り手によって様々です。
また、図書だよりは児童・生徒だけでなく、
児童・生徒が持って帰って保護者の方も読みます。
図書だよりは保護者への学校図書館の広報誌でもあります。
また、先生たちも当然目を通しますし、
児童・生徒向けとは別で先生向けの図書だよりを発行したり、
家庭向けの図書だよりを発行する方もいらっしゃいます。
無理の無い範囲で発行しましょう。
また、学校によっては図書館担当の先生が発行される場合もあります。
なお、発行の際には必ず作成後図書館担当の先生に見てもらい、
さらに校長先生など管理職の先生に内容を確認してもらう必要があります。

(8)図書委員会活動
本来なら図書委員会は先生が指導するものですが、
学校司書も図書委員会に関わることもあります。
しかしあくまで指導の主体は先生が行うべきものなので、
学校司書は本来なら関わらない、
関わったとしても補助的な役割を担うのが普通です。
しかし学校によっては学校司書が主となって行っている学校もあります
(特に高校図書館でそういった場合が多いようです)。
高校図書館の事情はわかりませんが、
小学校・中学校は本来なら先生が行うべきものですし、
新米学校司書さんが委員会の指導をいきなり行うのは大変難しいと思います。
図書委員会担当の先生がどなたなのかを確認し、
先生に一任して、「学校司書になったばかりでわからないので
先生にお任せします」とお願いして関わるとしても
あくまで補助的な立場であることをやんわりと伝えましょう。
また、図書委員会はよく休憩時間の開館当番をして、
貸出・返却を行うことが多いように思います。
個人情報保護の観点から図書委員会が貸出・返却を行うのは賛否両論ありますが、
もし委員の児童・生徒が貸出・返却を行う場合は、
事前に誰が何を借りていたかなどの情報は絶対に秘密を守ること、
またカウンターなどで茶化したりしないこと、
そして貸出・返却ミスが起こらないようにしっかり見守りましょう。
また、本来ならこの休憩時間の当番も委員会活動なので、
委員会担当の先生が入るべきです。
先生方は忙しいのでなかなか入れないかもしれませんが、
もし図書館で生徒指導的な問題が起こったりした場合も考慮して、
特に中学校では先生に入ってもらえないかどうか
図書委員会担当の先生に聞いてみましょう。

なお、本当はあってはならないことですが
もし図書委員会が学校司書に「お任せ」状態であったならば、
委員会の指導は「最初が肝心」です。
まず、そもそも委員会活動というものは先生たちだけでなく
児童・生徒たちも学校の運営に関わって
学校をより良くするためのものであるという意義を確認し、
その上で図書委員として学校図書館をどうより良くしていくか、
児童・生徒達自身が考えて活動していくのが「委員会活動」です。
このあたりを強調して最初にしっかり伝えておかないと、
委員会活動がなあなあになってしまうように思います。
自分たちが学校をより良くする担い手であることを
認識できるように「最初に」しっかり教える必要があるように思います。

(9)掃除
掃除も委員会活動と同じく本来は先生が指導することなのですが、
昨今の先生不足のためほとんどの学校で
学校司書が掃除の指導も行っているように思います。
小学校ならば図書館の掃除担当の学年・クラスが決まっていたり、
あるいは「縦割り」と言って色んな学年の児童が掃除担当だったりして、
毎日掃除の時間があります。
中学・高校では放課後に週1回か2回掃除の時間があったりと、
小学校とはまた違うようです。
委員会でも書きましたが、掃除も同じく「最初が肝心」のように思います。
特に小学校では箒の使い方や雑巾の絞り方を知らない児童もいます。
図書館のどこをどんな風に掃除するのかというのを
最初にしっかり教えておくと、その後まじめに掃除に取り組むように思います。
自分の場合、1回目の掃除ではほとんど掃除は行わず、
ホワイトボード等を使ってしっかり掃除の手順や方法を教えています。
繰り返しになりますが委員会も掃除も「最初が肝心」だと思います。


新米学校司書さんが注意すべきこと その3 とりあえずすべき目の前の仕事

【新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧】
その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
その2 学校組織と学校図書館について
その4 学校司書の基本的な仕事
その5 学校司書の立場
その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
新米学校司書さんに送るツイートまとめ
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初めて学校司書になると一番悩むのは

「何をすれば良いの?」

ということだと思います。
あと1週間後くらいには新学期が始まる、
それまでにどんな準備をしておかなければならないのか…
本来なら前任者から引き継ぎがあったり、
新任学校司書に対する研修があるべきなのですが、
前任者が引き継ぎ資料をちゃんと残していなかったり、
雇用条件の厳しい学校司書に研修はなかったりします。
以下はさしあたって確認してすべきことです。

(1)貸出・返却方法の確認
(2)学年の更新がされているかどうか
(3)新入生の利用者登録
(4)図書館の利用規則
(5)オリエンテーションの内容
(6)「図書の時間」の有無(小学校)
(7)年間計画の確認・職員会議での提案

(1)貸出・返却方法の確認
もっとわかりやすく言うと
「パソコンが図書館にあって図書館システムが入っているかどうか」です。
図書館システムがあってパソコンでピッピッと
貸出・返却ができるようであれば、
その図書館システムのマニュアルを探しましょう。
前任者が新設ならばカウンターに置いてくれているはず、
なければカウンター周辺や司書室を探してみましょう。
もし図書館システムが入っていなければ、
どんな貸出方式かを確認する必要があります。
これも引き継ぎ資料があれば良いのですが、
無ければ昨年度からいる先生などに
「どんなやり方で本の貸し借りをしていましたか?」と
聞いてみましょう。
ハンコで返却日を押してカードを入れ替える方式か、
代本板を使う方式か、手書き方式か…
これを確認しておかないとあとの作業もままなりません。

(2)学年の更新がされているかどうか
「学年の更新」というのは、
新学期になってひとつ学年が上がるのに合わせて、
図書館システムの利用者情報が新しい学年に更新されているかどうか、ということです。
例えば去年小学校5年生だった学年の児童は、
6年生になっていないといけません。
その更新をシステム上で前任者が既にしていてくれたら良いのですが、
されていない場合もあります。
マニュアルを読んでみたり他校の司書さんに聞いてみて、
更新がどうなっているのか確認してみましょう。
また、システムによっては同じ市町村内全校で
一斉に更新する場合もありますので、
そのあたりも教育委員会の担当者の人や他校の司書さんに確認してみましょう。

なお、図書館システムが入っていない場合は、
例えばカード入れ替え方式だと新しく利用者カードを作る必要があったりします。
これは毎年の仕事なので昨年度からいた先生に聞けば
わかるかと思います(本当は引き継ぎ資料があるべきなのですが)。
カウンター周辺から新しいカードを探したり、
新しいカードをどうやって作っていたか
(学校司書が作っていたのか、担任の先生にお任せしていたのか)など
このあたりも確認しましょう。
なお、中学校などでは新しくカードを作らず、
学年が上がっても引き続き同じカードを使うケースもあるようです。

(3)新入生の利用者登録
これは図書館システムの有無に関わらず必要な作業です。
新入生をシステム上で登録したり、
アナログなカード入れ替え方式でも新しいカードを作る必要があります。
なお、図書館システムが入っている場合は
Excelなどで新入生一覧のファイルを作成して、
そのファイルを利用して一括で登録できる機能があることが多いです。
そのあたりもマニュアルを読んだり他校の司書さんに聞いて
確認しましょう。

(4)図書館の利用規則
(5)オリエンテーションの内容
貸出冊数は何冊か、予約は何冊か(そもそも予約をしているのか)、
開館日や開館時間、館内の本の配置=配架、
返却された本を児童・生徒が自分で返すのか、などなど、
図書館の利用規則を確認する必要があります。
また、それを確認しておかないと
オリエンテーションのしようがありません。
これも引き継ぎ資料があれば良いのですが、
なければ図書館担当の先生や昨年度からいる先生に確認しましょう。

特にオリエンテーションは新米司書さんにとっては
まず最初に当たる壁だと思います。
校種によっても、学年によっても教える内容が異なり、
いきなり上手くオリエンテーションを行うのはかなりの難易度です。
最低限必要なのは、

・図書館の利用マナー
・貸出冊数・貸出期間
・予約冊数・予約取り置き期間
・図書館の本の配置について
・図書館の本の配置と分類について(小学校3〜4年生以上?)

こういったことかと思います。
もしかしたら前任の方がオリエンテーション資料を
残してくださっているかもしれないので、
カウンター周辺やPCのファイルを探してみましょう。

(6)「図書の時間」の有無(小学校)
これは小学校に赴任する学校司書さんの話です。
学校司書がいる学校では「図書の時間」が行われている学校が多いです。
各クラスが週に1回図書館に来て授業をします。
絵本の読み聞かせをしたり、上述のオリエンテーションをしたり、
授業に関連してブックトークをしたり、調べ学習をしたり…
この時間に本の貸出・返却をすることも多いです。
また学年によっては隔週で行うクラスもあります。
どのように図書の時間が行われていたか、
前任者の引き継ぎ資料や図書館担当の先生、
昨年度からいる先生に確認してみましょう。

(7)年間活動計画の確認・職員会議での提案
学校ではどの部会も年間活動計画を作成し、それを元に活動をします。
学校図書館も普通なら年間活動計画を作成しているはずです。
新米学校司書さんが一から作成するのは難しいので、
とりえあず昨年度のものを確認し、
内容に問題が無ければ(いれば)図書館担当の先生と内容を一緒に確認し、
学校図書館に関する部会があればその部会でも確認し、
最後に職員会議にかけて学校全体で内容を確認してもらいましょう。
なお、このあたりの仕事は学校司書がしなければならないわけではないので、
図書館担当の先生がいればその先生にお任せでかまいません。
また、もし年間計画が無ければ(これまでもずっと無かったのであれば)、
今年度は作成を見送り、今年度の活動を見据えて
来年度きちんと作成する、という方法もあります。
いずれにせよ、学校司書に初めてなっていきなり
年間計画を作成するのはかなりハードルが高いので、
無理せず既存の状況で対応しましょう。


新米学校司書さんが注意すべきこと その2 学校組織と学校図書館について

【新米学校司書さんが注意すべきこと】
その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
その3 とりあえずすべき目の前の仕事
その4 学校司書の基本的な仕事
その5 学校司書の立場
その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
新米学校司書さんに送るツイートまとめ
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学校もひとつの組織であり、
組織である以上管理職の元、教職員が構成立てられています。
組織形態は市町村・学校によって様々ですが、
基本的には様々な「部会=部門」があって、
先生たちが部会に所属してその役割を担っています。
例えば、授業研究部会、生徒指導部会、教務部会、人権教育部会、などなど…
本当に学校によって部会の種類や構成も様々です。
なお、年度始めにはこの学校組織の構成表が配られ、
誰がどの担当になるかが職員会議で話し合われます。

可能なら職員会議に参加して学校の組織構成を知っておくのが良いかと思います。

その上で、学校司書として確認しておくべきことは、

(1)図書館担当の先生は誰か(もしくは誰もいないのか)
(2)学校図書館の部会があるのか
(3)学校図書館の部会があったとして、どういったメンバー構成か
(4)学校図書館の部会が無いならば、学校司書はどの部会に所属するのか
(5)学校図書館の部会も無く図書館担当の先生もいないケース

の5点です。

(1)図書館担当の先生は誰か(もしくは誰もいないのか)
まず確認すべきは学校図書館担当の先生が誰か、です。
学校内で学校図書館に関することを担当する先生、
というのを決められていれば、その先生に色々と話を聞けます。
ただし、この担当はまだ決まっていない場合もあります。
4月1日以降の職員会議で話し合って決めたり、
司書教諭という学校図書館教育に関する資格を持つ先生の中から
話し合って決めたりすることもあります。
ともかく、教頭先生など管理職の先生に
学校図書館担当の先生がいるかどうか確認してみましょう。
決まっていない場合でも、前年度の先生を教えてもらって
色々聞いてみるのも良いかと思います
(ただし新しく図書館担当になった先生の気分を害さない程度に、
新しい図書館担当の先生と一緒に話を聞いてみるなどして)。

しかし、学校図書館担当の先生がいない、
そういった役割分担を組織として決めていない学校もあります。

それでも学校司書がどこかの部会に所属していて、
その部会が学校図書館教育も担っているというのであれば
その部会の先生方に協力していただいたり助けていただいたりできるのですが
下手をすれば学校組織の中で学校図書館がどこにも所属しておらず、
学校図書館教育に関わるのは学校司書だけというケースもあります。
新米学校司書さんにとってはかなり厳しいケースですが、
可能なら管理職の先生に
「私も新米で右も左もわからないので、
学校図書館担当の先生がいる助かるのですが…」
と相談してみましょう(かなり勇気がいるかもしれませんが…)。
また、学校図書館が組織の中で位置づけられていないというのは
本来ならばおかしなことです。
4月の頭に考えるべきことではないかもしれませんが、
その年度末に
「学校教育の中に学校図書館が位置づけられていない」
「学校司書ひとりで学校図書館教育を担うのはおかしい」
「学校全体で学校図書館教育を研究・推進すべき」
という風に年度末反省で出しましょう。

(2)学校図書館の部会があるのか
学校によっては、組織の中に学校図書館に関する部会がきちんと
位置づけられているケースもあります。
そういった場合は、その部会の先生方に色々と聞いてみましょう。
ただし、まだ4月1日の時点ではメンバーが決まっていないこともあるので、
教頭先生に前年度の担当の先生などを教えてもらって
前年度の先生に色々と聞きたいことがあれば聞いてみましょう。

また、学校図書館と銘打ってはいないものの
どこかの部会が学校図書館の部会も兼ねている、という場合もります。
そういった場合もその部会の先生に確認してみましょう
(学校図書館に関しては何もやってない、ということが多いかもしれませんが…)

(3)学校図書館の部会があったとして、どういったメンバー構成か
これは校種(小・中・高・専門高校・支援学校)などによって
また色々と変わってくるかもしれません。
小学校ならば例えば各学年から1人ずつ所属しているとか、
中学校ならば国語教育の先生で構成されているとか、
高校だと事務的な組織になっている、などという場合もあります。
メンバー構成によって学校図書館教育がどのように推進されているのか、
どのような位置づけなのかが掴めることもあります。
冒頭に書いたように年度始めには学校組織の役割分担を決める会議があります。
どんな先生たちでメンバー構成されているか確認しておきましょう。

(4)学校図書館の部会が無いならば、学校司書はどの部会に所属するのか
残念ながら学校図書館に関する部会が全く無い
(他の部会が兼ねていたりもしない)場合もあります。
ただ、そういった場合でも学校司書がどこかの部会に所属している、
というケースもあります。
例えば教育研究関連の部会(授業研究部会とか)に所属している場合もあれば、
視聴覚教育部会に所属しているとか、
(3)のように事務的な部門に所属しているケースもあります。
部会が無ければ、学校司書がどこかの部会に所属していないか、
学校組織の構成表で確認したり管理職の先生に確認したりしてみましょう。

(5)学校図書館の部会も図書館担当の先生も無くどこにも所属しないケース
残念ながら学校図書館の部会が全く無くて、
図書館担当の先生もいなくて、
どこの部会にも所属していないケースもあります。
つまり、学校図書館教育に携わるのは学校司書ひとり、というケースです。
残念ながらそういう学校もあります。
学校組織の中に学校図書館を位置づけていない学校です。
こうなると「誰も学校図書館についてわかる人がいない」と思ってしまいそうですが、
しかし位置づけられていないからといって、
誰も学校図書館について何も知らない、ということはありません。
前任の学校司書がいれば引き継ぎ資料等があるかもしれませんし、
昨年度からいる先生に「学校司書ってこれまでどんな感じでしたか?
学校図書館ってどんな感じでしたか?」と聞くこともできます。
特にベテランの先生や若手でやり手の先生が頼りになります。
また、他校の学校司書さんに聞いてみるのも手です。

また、いわば手付かずの畑のようなものなので、
これから色々と耕すやり甲斐もあるといえばあります
ただし、学校図書館教育に批判的な先生がいる可能性もあるので
慎重に見極めなければなりませんが…
ともかく、誰か助けになってくれそうな人を見極めて、
手助けしてもらいましょう。