月別読み聞かせ絵本リスト」カテゴリーアーカイブ

きみたちきょうからともだちだ

「たのしいえん」に入園してきた子どもたちをむかえる年長のこどもたち。「♪きみたちきょうからともだちだ ♪わたしたちはせんぱいですが ♪ぜったいやくそくいじめない ♪こわあらなくっていいんだよ ♪おおきなこえでわらってごらん」という歓迎の歌とともに、あたらしい仲間を迎えます♪園のなかを案内してあげたり、遊びを教えてあげたり、ケンカの仲裁をしたり…年長の子どもたち、みんなしっかりしてる!

新入園の子どもたちに読むのも良いですが、むしろその子たちを迎える年長の子どもたち向け。ちっちゃい子たちが来るのを年長の子たちも楽しみにしてるはず。そんな年長さんの気持ちにシンクロする絵本です。巻末に楽譜もあるので、合唱もできますよ~


うさぎ小学校

今日から学校に通う、うさぎのハンスとグレートヒェン。もちろん、人間の学校ではなく「うさぎの学校」です。勉強するのは食べられる野菜のこととか、怖いきつねのこととか。けど、イースターのたまご作りをしたり、詩や歌の勉強もしたり、人間の学校と同じようにとても楽しそうです♪ うさぎの学校、ちょっと通ってみたいですね。

出版年は2007年だけど絵を見た感じでは昔の絵本っぽい。子どもたちが使っているのは「石盤」と「石筆」だし(今の子どもたち知らないだろうな)…と思ったら、1924年に出版された絵本の翻訳でした。なんで今まで翻訳されなかったんだろう?絵といいストーリーといい、今読んでも遜色ない作品です。特にうさぎの絵が細かいところですごく写実的なんです。うさぎの足や手、毛のふさふさ感、校長先生のでっぷりとしたお腹が机にのっかてるところ…あ、これは普通のうさぎとは違うか(笑)ともかくうさぎの特徴をよく捉えてるいる良い絵です。ただ、表紙がなぁ~、もったいないなぁ~。中身の楽しさに相反して、表紙はうさぎの子が校長先生に起こられている絵…表紙から中身の楽しさが想像できない…。その点だけがちょっと残念ですが、中身は楽しいのでぜひ表紙に目をつぶって手に取ってください!小さいサイズの本なので、おひざにだっこの読み聞かせにオススメです。


いちねんせいのいちにち

小学校に入学する前の子どもたちにこれほどわかりやすく1年生の学校生活を伝えられる絵本はそうはないでしょう。朝、上級生たちにつれられて学校に行くところから始まって、一時間目が始まる前、朝の時間の読み聞かせ(この学校にはボランティアの方が来ています)、算数、国語、体育、図工、音楽といった授業、休憩時間、終りの学活などなど、1年生の一日を最初から最後まで順に追っています。なんと、トイレに行く場面まであるし、ケガをした時にどうすれば良いかまで描かれている(笑)学校生活を新1年生に説明するのにぴったりの絵本です!


1年生になりました!

1日目、2日目、第1週…1年生の入学1日目から学期末までを、1年生たちの日々のちょっとしたエピソードを中心に短い文章とかわいい絵で描いている絵本。この絵本の中の1年生たち、みんなとっても楽しそう♪この絵本をながめていると、当たり前だけどどの子もみんな違う顔をしていて、それぞれ個性があって、色んな子が一緒になって日々を過ごしていく学校生活の楽しさが伝わってきます。個人的には、教室に飾っている絵とかポスターとか、ピアノの上にちょこっと置かれている花とかノートとか、子どもたちの服とか、細かいところを見ていくとすっごく楽しい!細部まで絵にこだわってるな~と思います。ただ、絵が細かいので大勢よりはおひざにだっこの読み聞かせ向き


ゆうだち

ものすごくでかくてまっかなざりがにのことを、みんなは「まっかちん」と呼んでいる。5年生のタッちゃんはその日、ものすごくでっかいまっかちんを釣った。まだ1年生のゆうたは「じぶんもいつかはこんなまっかちんが釣れるかな?」と思っていた。そうしている内に夕立が降りだした。雨が蓮の葉の上におちてものすごい音を立てる。みんなは秘密基地に走って行った。けれど、ゆうたは足元にさっきのまっかちんが入ったバケツが置きっぱなしなのに気づいて…

夏、まとわりつくような暑い空気に一瞬の涼しさをもたらす夕立。この絵本もそんな物語です。ざりがに取りに夢中になった少年時代の想い出、幼い子どもの憧れや勇気が淡々と、ノスタルジックに物語られています。夏といえば楽しい内容の絵本が多いですが、こんな静かな物語もたまにはいかがでしょう?


まほうの夏

夏休み、僕と弟は毎日学校のプールに行くか、家でゲームするか、ポテトチップス食べるかして過ごしてた。お父さんお母さんは仕事。あ~あ、夏休みなんてつまんない…。そんな時に届いた、田舎のおじさんからの手紙!「ケイもユイも元気か。あそびに来んのか。あそびに来ら、また海につれてっ行ってやるけん。さようなら。」やったー!僕たちはねだりにねだって、すぐにお母さんの田舎に行くことになった。さらば東京、僕たちの夏休みのはじまりだ!

都会の子どもたちにこそぜひ読んで欲しい、夏休みの絵本。真っ青な汚れていない空、清涼とした川、美しい砂浜、魚がたくさん釣れる海、そしてそんな大自然で真っ黒に日焼けして遊びまくる子どもたち。こんな遊びのできない都会の子どもたちにとっては、むしろ残酷な絵本かもしれません。君たちの住む世界にはもうこんな遊びは無い、と告げるようなものかもしれません。それでも、ぜひこの絵本を読んで、こんな遊びを伝えて欲しい。こんな風に、自然の中でおもいっきり遊ぶ楽しさを伝えて欲しい。自然体験は子どもたちの好奇心を育みます。せめて絵本の中で、自然体験を。


ひまわり

縦開きのサイズの小さい絵本なのですが、開いてみるとなんというダイナミックさ!「どんどこどんどこ」ということばとともに、ひまわりがぐんぐん成長していきます。また、ただ単に大きくなっていくのではなく、太陽や雨、風、夜の闇など、いろんな自然にさらされひまわりが描かれ、そのどれにもめげず「どんどこどんどこ!」と力強く成長していくさまがとても良い!子どもたちと一緒になって読むと楽しさ倍増です♪


はなび

 この絵本、ともかく花火の絵がとっても良いんですよ。どれくらい良いかというと、読み聞かせしていて子どもが思わず「うわぁ…綺麗…」と簡単の声を漏らすほど。
 絵本の方はまず花火工場のシーンから。火薬作りや火薬詰め、紙張など花火を作る工程が書かれています。また花火祭の様子も「へぇ~こんなお祭りがあるんだなぁ」という、あまり目にしない祭りの伝統が垣間見えます。打ち上げの前に打ち上げ筒を引いて練り歩くシーンや、打ち上げ花火をいろんな記念に(孫の誕生日や入学祝いなど)普通の人たちが揚げること、など。
 そうして、それらの花火に関する蘊蓄が身についたところで、最後の最後に打ち上げのシーン。ここまで花火に関する知識が蓄積されて関心が高まってる状態で、あの本物のように美しい絵…本物の花火のように、心を惹きつける絵本です♪


なつのいちにち

抜けるような真っ青な空、でっかい入道雲、その中を走り抜ける麦わら帽子の子ども。呼んでいると井上陽水さんの「少年時代」が流れてきそうな…そんな絵本。

絵の美しさもさることながら、絵の構図がまた素晴らしい。夏の空のでっかさ、夏の緑の濃さ、その中を走りまわる子どもの速さ、その中を吹き渡る風まで感じさせるような構図。シンプルだけど子どもの夏を楽しむ様子が伝わってくる物語と相まって、これぞ夏!という気分にさせてくれるイチオシの1冊です!


セミくんいよいよこんやです

地面の下で暮らすセミくんに電話がかかってきます。「ええそうです、いよいよこんやです」。そう、今日はセミくんがいよいよ羽化する日。長い間暮らした地面の下の家ともお別れです…

ともかくまずは絵が良い!セミくんの家の小物がもう、どれもこれもセミらしいものばかり♪そうだよねぇ、何年も暮らすのだからそれだけセミくんの生活臭というか、セミの生そのものがにじんでいます。それがすごく良い。そうして、セミくんの羽化を祝う虫たちもまた、それぞれの虫の特性が絵にもストーリーにも出ていて良いんだなぁ。セミを擬人化したおはなしですが、変にお涙頂戴になておらず、素直にセミが重ねる長い年月というものを良い意味で楽しく捉えてストーリーにした絵本です♪