(む)昔話・民話[世界]」カテゴリーアーカイブ

外国の昔話・民話の読み聞かせ絵本リストです。

カワと7にんのむすこたち ―クルドのおはなし―

クルドに伝わる昔話。カワには7人の息子がいて、カワと6人の息子で鍛冶をし、末っ子とお母さんは羊飼いをして幸せに暮らしています。しかしある日、国を治めていた王様が悪魔により悪い魔法にかけられ、肩から蛇が2匹生えてきました。蛇を大人しくするために最初は羊を食べさせていましたが、やがて羊ではなく男の子を食べさせるようになります。カワは息子たちが心配になり…

「肩から蛇が生える」というのがびっくりの、クルドの昔話。悪魔に騙され続ける王様が少し不憫な気が…けど、簡単に騙されてしまい子どもを生贄にさせるような王様だから、救われないのも仕方ないのでしょうか。そのあたりを子どもたちと一緒に考えても良いかもしれません。


ウサギとカメ

イソップの寓話「ウサギとカメ」の絵本。この絵本ではあまりウサギは悪者として描かれておらず、最後には仲良く握手をしています。勝ったカメもいばりちらしません。また、眠ってしまっているうさぎの気持ちよさそうなこと…とてもやさしい「ウサギとカメ」のお話に仕上がっています。


1つぶのおこめ―さんすうのむかしばなし

王様は民からお米をいざというときにたんと集めていましたが、いざ飢饉でお米が取れなくなると、自分のためにひとりじめ。そこでかしこい少女ラーニは考えました。王様からご褒美をもらうのに、1日目はお米ひとつぶ、二日目はお米ふたつぶ、三日目は4つぶといただくことに…

インドの昔話。かけ算をならいたての2年生に読んでも良いし、高学年でも楽しめそうな絵本です。実際に米粒を用意して、読み終わってから数えたりしても面白そう。絵もインドの細密画風でとても綺麗です。


ふしぎなやどや

趙という若者が、旅の途中板橋という町で三娘子というおかみの宿に泊まることにしました。他の客はお酒に酔って寝てしまいましたが、趙は酒を飲まず、夜はなぜかなかなか寝付けませんでした。その夜、壁の向こうでするかすかな音が気になり覗いてみると…

中国唐代の伝奇、薛漁思 作「板橋三娘子」(「太平広記」所収)の再話。お話自体がとても不思議で、井上洋介さんの絵がその不思議さをより伝えています。


しりっぽおばけ

深い森の奥に住んでいるじっさま。三匹の犬とともに狩りをしながら暮らしていました。ある晩、その小屋に忍び込んできた奇妙な生き物を見つけ、じっさまはその美味しそうなふさふさのしっぽを切り落として食べてしまいした。その奇妙な生き物は小屋から逃げましたが、その夜、小屋のかべをひっかく鈍い音ともに、外の暗闇から声が…「おれのしりっぽ…」

アメリカ・テネシー州に伝わる昔話です。アメリカの昔話絵本は珍しいですね。このシチュエーションにもし自分が陥ったら…と想像すると寒気がしてくるお話です。夏の夜にも、ハロウィンにも合う絵本。


ゴナンとかいぶつ

モンゴルの昔話。ある村にゴナンという男の子が住んでいました。ゴナンは大人の何十人分も仕事ができるほどの力持ちでした。ある日、そのゴナンの村をマンガスとい怪物が遅い、牛や羊や宝物を奪っていってしまいました。そこでゴナンは怪物退治に出かけます。

モンゴルという土地のスケールの大きさが、物語によく反映されています。また、馬での競争や相撲など、モンゴルの文化も反映された昔話です。モンゴルの文化を他の本で一緒に紹介すると効果的です。


ふしぎなボジャビの木

アフリカの昔話。雨が長いこと降らず、草はしおれ木はかれてしまいました。すると、遠くにみずみずしい実のなった1本の木があります。しかし、木には大きなヘビがとぐろを巻いていて、実を食べさせてくれません。その木の名前を見事言えたら食べさせてやる、と言います。そこで動物たちは王様に名前を聞きに行きますが…

繰り返し絵本なのですが、動物たちの性格がユニークに描かれていて面白く読めます。絵の雰囲気も独特、アフリカのサバンナらしい色づかいです。