やかんに急須、ポットが集まってきました。
一体何をすることやら…えっ!?とびっくりすることうけあい。
雨と何が関係あるの?と読んだことがない人は思うかもしれませんが、
これが大いに関係あるのです!
段々と引いた絵になっていったり
真上からのアングルがあったりと、構図も面白い絵本です。
昨年度11月〜3月に購入して良かった本 9類・絵本
昨年度11月〜3月に購入して良かった9類と絵本です。
0〜8類はこちら、4月〜10月はこちら。
小説は順不同です(多分作家順だとは思いますが)。
文学作品などの「名文」を紹介する本。同じく
があり、レイアウトが読みやすくデザインも良いです。
高学年向けですが、大人でも読んでいておっと思います。
最近この手の短篇集が児童書ではよく出版されているような。
「迷宮ヶ丘」も五丁目で終わりかとおもいきや、
0丁目が出てさらに九丁目まで出ました。
本をよく読む子に人気ですが、意外と男子にも人気です。
男子の心をつかむ貴重な物語本。
「迷宮ヶ丘」もSF的要素がありましたが、
こちらのシリーズは完全にSF小説集です。
そしてこちらも男子に人気です。
久々に新刊が出ました!面白い、けど外伝的で物足りない…
相変わらず料理が美味しそうです。
「読書がたのしくなるニッポンの文学」さらに出ました。
文字が大きくレイアウトも余白が大きいからか、
読みやすくコンスタントに動きます。
キレやすい自分自身を「ラ・プッツン・エル」と名付け、
ラプンツェルの主人公に重ね合わせる中学生の女の子と、
強迫神経症の男の子の恋愛と歪な家族の話。
子どもの未熟さを読み手の子どもたちがどう捉えるかが気になる作品。
一般書として出ていた同作の、子どもが主人公の2編を収めた青い鳥文庫版。
良い意味で「青い鳥文庫らしくない」作品です。
何事にも冷めた主人公が映画作りに没頭しつつ、
周囲の友人や家族と次第に打ち解けていく物語。
主人公の最初と最後での豹変っぷりが気になりますが
清々しい作品です。
「上巻で読むのをやめないで!」という紹介が必要です…
下巻の最後まで読むと本当に素晴らしい作品。
物語を読みながら暗号を自分で解く楽しみのある物語。
章タイトルも暗号で書かれたりしていて小ワザが効いています。
子どもたちにはかなり人気。
9類は以上です!
シリーズものが多いなぁ…
<絵本>
「しゃしょうさん」は以前出ていましたが、今度は「うんてんし」。
こちらも一番電車の以外なところが見えて面白い。
ちょっとマンネリ化していましたが、
この「どうぶつ」編はなかなかおもしろかったです。
いまいあやのさんの絵は良いなぁ。
クリスマスにちっちゃなプレゼントしかもらえなかった男の子が
「もっと大きいのが欲しい!」と願うと、
どんどんプレゼントが大きくなって…
小泉るみ子さんは「しっぱいにかんぱい」シリーズの挿絵が印象深いのですが、
この絵本では厳しい雪国の寒さを力強く、
そして待ち遠しい春の喜びを描いています。
土山優さんの文章も素晴らしい。
野村たかあきさんの版画が昔話にとても良く合っています。
以前読み聞かせしたことがあったのですが、
やはり改めて読んで見ると面白い!
入れるとやはりよく動きます。
クエンティン・ブレイクさんの可笑しな絵と
ポケットからなんでも出てくる面白さが本当楽しい絵本。
ハロウィンに合わせて読み聞かせしたのですが、
読んだのに入れたあともよく動いています。
2014年の課題図書にもなりましたね。
ノスタルジックな絵と物語が素晴らしい。
不思議な雪の日の物語です。
もうしっちゃかめっちゃか!
と言った感じの絵がじっくり眺めていると
細かいところまで書き込まれていて楽しいです。
以上!2014年に買って良かった本たちでした。
昨年度11月〜3月に購入して良かった本 0〜8類
新年度が始まり、そろそろ選書にとりかからなければ…というところでしょうか。
昨年10月末に「2013年4月〜10月に購入して良かった本」という記事を
書きましたが、その後に購入した本で良かったものリストです。
選書のご参考にどうぞ(ただし購入後だいぶ経っているので内容うろ覚え)。
まずは0〜8類。
<0類>
仕事調べのための購入しました。
本屋さんの仕事が細部まで紹介されています。
セット本で
他に3冊もありますが、予算に余裕が無ければ上記1冊でも。
しかし本屋さんが潰れ続けていることとか、
本屋さんを開くには保証金がいるとか、
委託販売のこととか書かれているのだろうか…
<1類>
コンスタントに借りられています。
読みやすいレイアウト。
<2類>
高学年向けかな?と主ましたが4年生くらいの子も借りていきます。
学校図書館向けの出版が薄いジャンルなので重宝。
歴史関係は本当、セット本ばかりで調べにも読むのにも使えるのが少ない…
ということで同じく歴史の読み物。
情報量も多く解説も読みやすい。そして何より安い!
この「もしも?」シリーズは結構良い本が多いです、が、
中には読みにくいものもあるので事前確認が必要そうです。
良いと思うんですがあまり借りて行かれないです…
ただ、偉人調べの時に使えるかなと入れています。
<3類>
これは大人が読んでも面白いです。
ただ単に「お金はよく考えて使おう」というんではなく、
物欲というものを客観的に捉えて書かれているのが良かった。
昔の暮らし調べにも使えるし、読んでいるだけでも面白い。
日本ってこんなにたくさんの道具があるんだなぁ、と関心します。
<4類>
算数の本ってなんとなく「子どもを子ども扱いした」
語り口の本が多いのですが、
こちらは読み物としてしっかり書かれていて、
算数本ではかなり良い本だと思います。
コンスタントに借りて行かれ人気。
「絵本」とタイトルにありますが分厚い本、
けど文章量は少なく読みやすい。
何より学校図書館向けの物理の本が少ないのでありがたい本。
こちらもよく借りていかれます。
地球誕生からの歴史をよくある24時間で説明する内容ですが、
絵がダイナミックで文章もわかりやすく、
大判で読みやすい絵本なので低学年でも読めます。
パイ・インターナショナルさんは児童書も良いのを出されていますね。
タイトル通り写真が素晴らしい!
さすがパイ・インターナショナルさん、という子ども向けの生き物の本。
少々お値段高いですが、まず内容が普通の図鑑より充実していて、
流行りのスマホで動画も見られるのも良いです。
普通の図鑑買うよりも良いかも。
犬と猫、飼育の本は多いですが
体の構造に触れている本はあまり無いので。
ただ、ちょっとお高い。
<5類>
これは紹介が必要です、けど紹介するとすごく動く。
タイトルがもうちょっと良かったら…
1年生で乗り物の調べ学習に購入、どれも安い!
けどちゃんと目次も索引もあり(あったはず…)、
文章も1年生でも読みやすいです。
乗り物の本って児童書専門出版社が出しているのは、
全然書かれている文章が低学年向けでなく、
誰に向けて書いてるんだろう?というくらい専門用語使われてたり。
こういった本を多く買う方が調べ学習に使いやすいです。
けど高学年の乗り物好きには当然物足りないので、
こういったものも入れています。
大事な本だと思うんですがあまり借りて行かれない…
図書だよりで紹介して保護者に読んでもらうかな?
<6類>
絵がかわいく盆栽についてもわかりやすいです。
しかしあまり借りていかれない…
<7類>
大判で解説も詳しくわかりやすい、そしてこのお値段。
調べのセット本買うよりよほど良いです。
偉人調べ用に購入。
ウォルト・ディズニーの本って少ないので。
児童書ではなかなか無かったので。
基本的に偉人調べは1冊で1人について書かれている本を収集しています。
0〜8類は以上です。
SLiiiCサマーワークキャンプ2014の講師を務めます&サマーワークキャンプ開催のためのご支援のお願い
みなさま、“SLiiiC”という活動団体をご存知でしょうか?
SLiiiCとは“School Libraries Communication, Collaboration, and Combination”の略で、
「学校現場で働く学校図書館員(学校司書等)と学校図書館やWebに関心のある
学生・研究者が協力して,学校図書館に携わる人々の支援」
を目指している団体です(サイトトップより)。
・SLiiiC 学校図書館プロジェクト–働き人と学び人の共創– 学校図書館に携わるすべての人と創り出したい・・・
http://www.sliiic.org/
そのSLiiiCがほぼ毎年夏(9月頃)に開催しているのが、「サマーワークキャンプ」。
学校図書館関係の講師を招いて講演を行ったり、
講演に関するトークセッションやワークショップも行われたり、
非常に充実した内容の研修を2日間に渡って行われています。
昨年度参加させていただきましたが、
普通の研修と違い単なる先駆例の実践報告に留まらず、
学校図書館が抱える問題点や課題に迫る内容で
とても考えさせられる研修でした。
さて、このたびほんとも!がSLiiiCサマーワークキャンプ2014の
講師を務めさせていただくことになりました。
どういったお話をさせていただくかはまだ検討中ですが、
SLiiiCの横山様と今井様のお二人と鼎談を行い、
その模様の前編が下記URLにてアップされております。
後編も後日アップされる予定で、
前後編合わせてお読みいただければほんとも!の人となりと、
今回私がどういったお話をさせていただくかがなんとなく掴めるかと思います。
https://readyfor.jp/projects/sliiic-swc2014/announcements
さて、ほんとも!から皆様にお願いです。
このSLiiiCはあくまで任意活動団体であり、
会員から会費徴収等もされていません。
そのため、“READYFOR?”というクラウドファンディング
(オンラインでの資金調達)を利用して
サマーワークキャンプ開催費用を集めています。
このサイトをご覧の方はほとんどご存知かと思いますが、
学校図書館司書は大半が非正規雇用のため、
自費での研修参加も厳しい方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、そういった方にこそサマーワークキャンプに参加していただき、
学校図書館司書としてのスキルをアップしていただきたい、
そして教育現場で学校図書館の可能性を広げていき
子どもたちの学びを支え育てていきたい、
という思いから参加者の参加費を抑えるため、
READYFOR?にて資金調達をされています。
学校図書館は、教科書だけでは学べないことを学ぶ、
子どもたちの学びの可能性を広げる場です。
その学校図書館を支える学校司書のスキルアップは、
ひいては子どもたちの学びを広げることに繋がります。
子どもたちの学びを広げるため、
SLiiiCサマーワークキャンプ2014開催のための
資金調達ご支援をよろしくお願いいたします。
・READYFOR? SLiiiCサマーワークキャンプ2014を
開催して学校図書館教育を活性化させたい!支援ページ
https://readyfor.jp/projects/sliiic-swc2014
新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧
全6回にわたってこれから学校司書として学校図書館で働く方々に送る
アドバイスを書きました。その記事まとめです。
【新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧】
・その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
…配属初日の流れや準備物等に関して書きました。
・その2 学校組織と学校図書館について
…学校組織の中で学校司書・学校図書館がどういった立場なのかについて書きました。
・その3 とりあえずすべき目の前の仕事
…4月1日〜新学期早々に差し迫って求められる学校司書の仕事について書きました。
・その4 学校司書の基本的な仕事
…日常的な学校司書のごくごく基本的な仕事について書きました
・その5 学校司書の立場
…「学校図書館」という教育機関の中の図書館で働く学校司書の立場・役割について書きました。
・その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
…学校司書と関わりの深い学校の先生方・ボランティアさん・他校の学校司書さん公共図書館の司書さんとの連携について書きました。
・新米学校司書さんに送るツイートまとめ
…以前Twitterにて新米司書さんへのメッセージをつぶやいたもののまとめです。よろしければこちらもご一緒に。
新米学校司書さんが注意すべきこと その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
【新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧】
・その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
・その2 学校組織と学校図書館について
・その3 とりあえずすべき目の前の仕事
・その4 学校司書の基本的な仕事
・その5 学校司書の立場
・新米学校司書さんに送るツイートまとめ
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「その6」に書いたように学校司書は「ひとり職場」ではありません。
学校内で教職員の一員であることもさることながら、
市内の他の学校図書館や公共図書館とも繋がりがあります。
他のそれぞれの立場の方々とどのように連携するか、
あらかじめ知っておくと良いかと思います。
(1)管理職の先生
校長先生、教頭先生、学校によっては副校長や教務の先生など、
だいたい職員室の「前の方」に座っている先生方が管理職の先生です。
管理職の先生方は学校運営対して最高責任を持つ先生方であり、
当然学校図書館の運営に関しても責任のある立場です。
図書だよりの発行の際には校長先生に
内容をチェックしていただく必要がありますし、
本や備品の発注などもチェックしていただく
必要が有ることもあります(学校によりけりですが)。
また、管理職の先生は教職員の関係を円滑にする立場でもあります。
仕事をする上で他の先生方との関係が上手くいかなかったりした場合も
管理職の先生方はその相談を受けるべき立場にあります。
また、生徒指導に関しても管理職の先生は相談を受ける立場にあります。
例えばとある学級で生徒指導に関して気になることがあるが、
担任の先生には諸事情により言いづらい…
そういった場合には管理職の先生に相談するのが良いでしょう。
ただし、そういったことに積極的に関わろうとしない
管理職の先生も中にはいます。
(2)図書館担当・司書教諭の先生
学校内には学校図書館を担当する先生がいることが多いです
(全くいない学校も中にはありますが…)。
また、学校図書館に関する一定の単位を取得し勉強している
「司書教諭」という資格を持った先生もいらっしゃり、
12クラス以上の学校では司書教諭として任命されています
(ただしこれも学校によって任命されていない場合もあります)。
ただし任命されていても図書館担当でないケースもあります。
いずれにせよ、もし赴任した学校に図書館担当の先生がいれば、
その先生は学校司書と一緒に学校図書館の運営をする立場に有り、
学校司書と一緒にどのように学校図書館を運営し
学校図書館教育を推進していくかを考える立場に有ります。
ただし、残念ながら現在の教員養成課程では
学校図書館教育に関する科目がなく、
例え図書館担当の先生でも学校図書館にお詳しくない先生がほとんどです。
また、司書教諭の先生でも学校図書館に明るくない場合も多々あります。
学校司書が学校の中で学校図書館教育に一番詳しい、
ということもままあります。
しかし、それでも図書館担当の先生がいる限りは、
学校司書一人で何でも決めて実行していくのではなく、
一緒に話し合いをして学校図書館への認識を深めてもらうのが良作だと思います。
ただし、図書館担当の先生は担任の先生をしており、
実際にはそんな時間があまり取れないかもしれませんし、
学校図書館のことを考えるヒマもあまりないかもしれません。
学校図書館に関してもっと詳しくなろう、
という意識もあまりお持ちでないかもしれません。
それでも、学校図書館運営に関して何か新しいことをしようと言う場合は、
図書館担当の先生に事前に話を通す必要はあります。
そうしなければ、学校図書館運営に関する責任を学校司書ひとりで背負うことになります。
(3)担任の先生・専科の先生
管理職の先生・図書館担当の先生以外の先生方との関わりは様々です。
担任の先生であれば図書の時間や調べ学習を一緒にすることになりますし、
委員会活動や行事等で係る場面も出てきます。
ただし、学校図書館教育に関して理解があるかどうかは先生によって様々です。
中高であればさらに教科ごとによっても異なってきます。
重要なのは「学校司書が何ができるのか」をアピールしていき連携してもらうこと、
そして学校図書館に理解のありそうな先生を見つけ協力してもらうことです。
初めて学校司書になっていきなりはわからないかもしれません。
まずは様子を見つつ、ひとつひとつの仕事を覚えながら、
徐々にできることを増やしていきつつ、
先生方との連携を考えて進めていくのが良いかと思います。
いきなり大掛かりな授業連携などはできません。
特に自治体として初めて学校司書を置いたところなどではなおさらです。
また、小学校では担任の先生以外に「専科の先生」もいます。
算数の少人数学級・音楽・図工・家庭科・養護教諭などの先生です。
こういった先生方とは授業等で連携するのはもちろんですが、
職員室で給食をご一緒することにもなります
(小学校の学校司書は職員室で給食を食べることがほとんどです)。
こういった先生方は複数のクラス・学年を教えているので、
それぞれの受け持つクラスの状況に詳しいことが多いです。
給食の時間にそういったコミュニケーションを取ることも
学校司書として全クラスに関わる上で役立ちます。
また、給食に関しては、赴任した当初は
お盆に給食を載せて各クラスに行って食べる、
というのも児童・生徒たちとコミュニケーションを取るのに良いです。
(4)ボランティアさん
学校によっては学校図書館にボランティアさんが入っているケースもあります。
本の修理や配架(本の整理)、飾り作りなどを手伝ってくださっていたり、
休憩時間の学校図書館の開館をしてくださっていたり
(学校司書が毎日勤務できない場合)、
読み聞かせボランティアのチームがあって
授業や休憩時間・朝の時間に読み聞かせを行っているケースもあります。
ただし、ボランティアさんはあくまで「ボランティア」であり、
司書資格を有する方もいらっしゃればそうでない方もいらっしゃり、
当然ながら学校図書館に関する専門知識を持ちあわせていない場合も多々あります。
学校司書はボランティアさんとは異なり、
学校図書館に関する専門知識を元に学校教育に深く関わる立場であり、
図書館担当の先生とともに学校図書館運営の中心となる立場です。
ボランティアさんの手助けは大変ありがたいものですが、
学校図書館は個人情報を取り扱う場所でもあり、
その関わり方には慎重にならなければならないこともあることを
学校司書は知っておく必要もあります。
また、ボランティアさんの管理等を誰がするのか、という問題もあります。
雇用条件の厳しい学校司書には負担が大きすぎる場合もあります。
そういった場合は管理職の先生等にお任せするのも必要かと思います。
(5)他校の学校司書さん
自治体によっては全小中学校に学校司書を配置していたり、
1人2校以上兼務で学校司書を配置していたりと様々ですが、
たった1人だけ学校司書を配置している、という自治体は少ないと思います
(学校が小中1校しかない、という場合は1人かもしれませんが)。
以前から学校司書を配置している自治体であれば、
先輩の学校司書さんなので学校図書館の運営や
各学校の状況、図書館システムの使い方などにお詳しいでしょう。
その1で書きましたが、連絡を取る手段を確認しておき、
色々と教えていただきましょう。
また、自治体によっては学校同士で資料の貸し借りをしているところもあります。
図書館システムを通じて他校の本の所蔵状況が確認できたり、
図書館システムを使って貸出依頼ができるところもあります。
「公共図書館との連携」で後述しますが
そういった資料の運搬をしてくれる自治体もあります。
さらに、学校司書同士で定期的に集まって研修や連絡会を
行ったりしている自治体があったり、
先輩司書さんたちが新任司書さんに新任研修を行っているところもあります。
何にせよ、先輩司書さんたちがいる場合は大いに頼りにしましょう。
ただし、「初めて学校司書を配置する自治体」はこの限りではありません。
それまで学校司書を配置しておらずゼロからのスタート、
誰も市内の学校図書館の状況に詳しくない、というケースもあります。
ただ、そういった場合でも中には学校司書経験者がいるかもしれません。
学校司書経験者の方がいればその方に助けてもらいつつ、
横の連携=学校司書同士の連携をしっかり取って、
どのように学校図書館を推進していくかを考えていきましょう。
この場合、学校司書だけでなく先生たち
(例えば市の教科研究グループの国語教育担当グループの先生など)や
教育委員会の担当者、公共図書館の方も巻き込んで
市全体で学校図書館のことを考えていければベストです。
しかし、もし学校司書経験者すらひとりもいなかったら…
ネット上には学校図書館運営に関するノウハウを公開しているサイトがあります。
・SLiiiC 学校図書館プロジェクト
http://www.sliiic.org/
・青森県教育委員会「学校図書館活性化マニュアル〜できることからはじめよう〜」
http://www.pref.aomori.lg.jp/bunka/education/gakkou-toshokan_manual.html?
ref=rss
・大分県立図書館「学校図書館ハンドブック」
http://library.pref.oita.jp/kento/information/paper-publication/handbook/
・札幌市教育委員会「生かそう、使おう学校図書館ー学校図書館活用の手引-」
http://www.city.sapporo.jp/kyoiku/top/tokusyoku/dokusyo/21dokusyo.html
・那覇市立教育研究所「那覇市立学校図書館業務マニュアル」
http://www.nahaken-okn.ed.jp/kumoj-es/01_gakkou-annai/13_tosyo/keslib/sishoken/
・岡山県高校図書館司書部会「学校図書館実務の手引き」
http://okayama-hslibrary.com/?%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E5%AE%9F%E5%8B%99%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%95%E3%81%8D
・子ども読書県しまね 学校図書館(島根県立図書館)
http://www.lib-shimane.jp/dokusyoken-shimane/s-library/index.html
※学校図書館に関する用語集や改装事例有り
・ほんとも!〜学校図書館おたすけサイト〜 ※当サイト
http://hontomo.net/
また、書籍としては
学校図書館改装に関する書籍ですが、
学校図書館の役割や各学校図書館の状況分析についての記述が
初めて学校図書館で働く人にも役立ちます。
理論的・制度的な観点を学ぶのならば塩見先生の著書がおすすめです。
学校図書館と授業との連携に関してはこの4冊が、
探究型学習の意義や授業づくり、資料準備について役立つかと思います。
また、僭越ながらTwitterにて当サイト管理人が日々情報発信をしていますので、
そちらもご参照ください。
Twitter上には自分に限らず多くの学校司書さんが情報発信をされています。
https://twitter.com/typhoon516
(6)公共図書館
公共図書館がある自治体では、
公共図書館が学校図書館をサポートしていることも多いです。
授業で使用する資料等の貸出、
それも通常の利用者と異なり長い期間・多くの冊数を
貸し出してくれる場合が多いです。
また、Web上で資料の予約ができたり、
あるいはFAXやメール・電話で資料準備やレファレンスを
受け付けてくださるところもあります。
さらに、自治体によっては定期的に公共図書館や
他校の図書館から借り入れる本を配達してくれる自治体もあります。
そして、公共図書館の司書さんたちと学校司書とで
合同で研修等を行っている自治体もあり、
公共図書館の司書さんが学校図書館について詳しい場合もあります。
学校司書として配属されたら、
まずはその自治体の公共図書館に行って
挨拶をしたり学校図書館に関してお話を聞かせていただくのも
良いことだと思います。
以上、6回に渡って「新米学校司書さんが注意すべきこと」として、
これから学校司書として働く上で知っておくと便利なこと、
知っておいてほしいことを書きました。
「こういうことも書いておいた方が良い」
「こういうアドバイスも必要では」ということがあれば
コメント等でお知らせいただけるとありがたいです。
最後に、ここまで読んでくださった皆様、
そして新米の学校司書さんたち、
どうか無理せずできる範囲で頑張ってください。
皆さんのご活躍を祈念いたします。
新米学校司書さんが注意すべきこと その5 学校司書の立場
【新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧】
・その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
・その2 学校組織と学校図書館について
・その3 とりあえずすべき目の前の仕事
・その4 学校司書の基本的な仕事
・その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
・新米学校司書さんに送るツイートまとめ
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学校司書はよく「ひとり職場」と言われがちですが、
良識ある学校ならば普通はそんなことはありません。
教職員の一員として、学校組織の一員として
他の先生方と連携し学校図書館の運営や
学校図書館と授業との連携を進めていきます。
その前にまず学校司書として心得ておく必要があるのは、
「学校司書も子どもを教える立場である」ということです。
普通の図書館ではなく「学校」図書館、
「学校の中にある」図書館です。
学校図書館は教育の場です。
児童・生徒と接する場面は数多くあります。
学校司書は教員免許を持っていないとはいえ、
児童・生徒たちを指導せざるを得ない場面は仕事をする上で多々出てきます。
また、直接的な指導をせずとも、
日々児童・生徒と接することが児童・生徒たちの成長につながることもあります。
図書館や本の管理をするだけが学校司書の仕事ではありません。
また、教職員として学校の中にいる限り、
他の先生方との連携は必須です。
それは授業での連携だけでなく、行事や様々な場面で
助けあう必要が出てくることも有ります
(逆に先生方に学校図書館のことで助けてもらうこともあります)。
勤務時間の制限等のためそういった連携が可能かどうかは
ひとりひとりが判断すべきことですが、
「教職員の一員である」という認識は持っておく必要があります。
しかし、一方で残念ながら学校側が
「学校司書は教職員のいち員ではない」
「単なる派遣で来ている派遣社員」
「図書館の管理をするだけの事務員」
といった認識しかしていない学校もあります。
学校図書館はまだまだ発展途上、未開拓の状態の学校はたくさんあります。
そういった場合は
「学校図書館、学校司書が学校や教育課程の中でどんな役割を担うのか」を
学校司書から先生たちに伝えていく必要があります。
先生たちは悪意があるわけではなく、
単に学校司書が何をする人なのかわからない、
学校図書館をどう使えば良いのかわからないだけなのです。
そういった場合は学校司書が自らその役割を伝えて行かなければなりません。
残念ながら「学校司書なんて必要なの?」「いなくても良いんじゃないの?」
「学校図書館を使う教育なんて必要ない」
と思われている先生も存在します。
しかし学習指導要領には学校図書館の活用が書かれています。
学校図書館法にも「教育課程の展開に寄与」することが記述されています。
学校司書の雇用形態は自治体によって様々です。
上記のようなことを努めて行うのが難しい立場であるかもしれません。
無理をせず、可能な範囲で、学校司書としての自身の役割を考え、
学校司書としての職務を果たしてください。
新米学校司書さんが注意すべきこと その4 学校司書の基本的な仕事
【新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧】
・その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
・その2 学校組織と学校図書館について
・その3 とりあえずすべき目の前の仕事
・その5 学校司書の立場
・その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
・新米学校司書さんに送るツイートまとめ
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学校司書の仕事は多岐に渡ります。
それこそ、ブログの一記事などで紹介しきれるものではありません。
ここではごくごく基本的な仕事について書きます。
しかし、ここに書いている仕事の全てができるとは限りません。
おそらくこの記事を見ている新米学校司書さんは
残念ながらほぼ非正規雇用かと思います。
勤務時間や勤務日数が短い、
複数校を兼任される方も多いかと思います。
自分の勤務時間や勤務日数を考えて
可能な範囲で無理せずにお仕事をしてください。
(1)貸出・返却・予約・リクエスト・督促
これは学校図書館というよりも図書館としての
ごくごく基本的な仕事です。
なお、これらを行う際には
個人情報等に十分留意して行う必要があります。
誰が何を借りているか・返したか・予約したか・
リクエストしたか・誰が本を遅れているか、
などは個人情報であり取り扱いに十二分に注意が必要です。
また、これらをどのように行うかは図書館システムの機能や
貸出方式等でやり方も変わってくるかと思います。
図書館システムが入っていれば普通予約や督促も
機能が組み込まれているかと思います。
システムのマニュアルを読んでみましょう。
アナログなカード方式だと予約・督促は
大変手間のかかるものになってしまいます。
慣れない内は予約・督促を行うのは大変なので、
慣れるまではしばらく停止してしまうのもひとつの手段かと思います。
(2)開館(休憩時間、放課後、夏休み等特別期間)
開館時間等は学校によりけりです。
そもそも休憩時間が何時から何時かというのも学校によって異なり、
それに合わせて「昼休みは開館するけどそれ以外の休憩時間は開館しない」
「休憩時間が5分の場合は開館しないけど10分や20分の場合は開館する」など
学校によって様々なので、確認する必要があります。
また放課後開館するかどうかも学校によりけりです。
放課後は児童の下校時刻が決まっている、
放課後は先生が図書館に入れないので開館しない、というケースもあります。
このあたりは赴任された学校で事前に確認しましょう。
学校によっては夏休みや冬休みに開館する学校もあります。
それも学校によりけりなので確認しましょう。
また、学校司書の勤務時間や日数が短い場合は、
学校司書が不在の時に先生や図書委員やボランティアさんが
開館を行っている場合もありますので、これも確認しておきましょう。
(3)図書の時間
これは小学校で行われており、
中学校や高校の図書館ではあまり行われていないかと思います。
週1回(学校や学年によっては隔週など)ほど、
図書館に子どもたちが来て授業を行います。
この図書の時間に本の貸出・返却をしたり、
読み聞かせやブックトークを行ったり、
また調べ学習を行ったり調べ学習の調べ方の指導などを
行うこともあります。
どのような内容で行っているかは前任者や
他の学校司書さん、昨年度からいる先生に確認するのが良いでしょう。
特に調べ方指導等ではなく普通にする場合、
ウチでは
本の返却
↓
読み聞かせスペースに座る
↓
授業始まりの挨拶
↓
大事な連絡などがあれば連絡
↓
読み聞かせやブックトーク
↓
本を棚に戻す(自分で戻すか司書が戻すかは学校次第)
↓
借りたい本を選んで貸し出し手続き
↓
残り時間は自由読書
という風に行っています。
返却を最初に一斉に行うのは、
その方が後で貸出と返却がごた混ぜにならず混乱しないからです。
また、図書の時間は「息抜きの時間」ではありません、あくまで「授業」です。
子どもたちにとっては他の授業より楽だったり、
場合によっては先生も息抜きの時間と捉えていたりもします。
しかしあくまで「授業」なので、静かに本を読む、
友だちとおしゃべりをしないなどのルール決めは必要かと
個人的には思います。
また、この図書の時間でそういった点を注意して行わないと、
休憩時間の利用マナーも乱れるように思います。
(4)読み聞かせ・ブックトーク・アニマシオン
これは小学校のみならず中学校・高校でもすることがあります。
読み聞かせは絵本を読んだり詩を朗読したり、
場合によっては文学作品を朗読したり、
ブックトークは季節や行事、
あるいは授業内容などに合わせてテーマを決めて
本を紹介したり読み聞かせを行ったりします。
小学校では図書の時間に主に行う他、
授業に出張して行ったりする場合もあります。
また、「アニマシオン」というのは、
本を使って様々な「作戦」(適切な表現ではないかもしれませんがゲームのようなもの)
を行うことで子どもたちの本を読む力を育てるものです。
準備や実施に時間がかかり先生方の協力や
本を複数冊用意するなどの手間もあるので、
新米学校司書さんがいきなり行うのは
大変むずかしいと思いますので、まずは知識として
「アニマシオン」というものがあると知っておく程度で良いかと思います。
なお、「ほんとも!」にはジャンル別・月別の読み聞かせブックリストや
行事・記念日等を登録した読み聞かせカレンダーがあります。
サイト上部にあるメニューのリンクからご覧いただけますので、
ぜひご活用ください。
(5)オリエンテーション
図書館の使い方を教えることです。
本の借り方・返し方や本を元の場所に戻すこと、
図書館での過ごし方やマナー、予約の方法、
開館日や開館時間、
本の並びについて、本の分類について、
日本十進分類法についてなど、
図書館の利用方法について児童・生徒に教えます。
児童・生徒は学校図書館を使うだけではありません。
地域の公共図書館を使うこともあります。
また、卒業してからも大学図書館を利用したり、
公共図書館やはたまた国立国会図書館など
様々な図書館を利用することも有ります。
それらを上手く利用できるように教えることはもちろん、
生涯にわたって図書館ユーザーであるように、
生涯図書館を使って学び続けられるように、
図書館の使い方だけでなく図書館を使うことの意義、
図書館の役割なども伝わるように
オリエンテーションを行いたいものです。
(6)授業支援・レファレンス(資料・情報探し)
学校図書館は学校図書館法で「教育の展開に寄与する」と定められています。
学校教育や授業・委員会活動等がより効果的に行われるよう、
学校図書館は求められればその支援を行わなければなりません。
具体的には、授業や調べ学習で使用する資料を準備したり、
授業や調べ学習で使えそうな情報(本に限らない)を探し出したり、
また授業という場面に限らず休憩時間等様々な場面で
児童・生徒の資料や情報探しを手助けする必要もあります。
また、市町村によっては公共図書館からの支援を受けることができ、
公共図書館から資料を借りることができたり、
学校図書館だけでは対応できない場合に
公共図書館が資料・情報探しを行ってくれる場合もあります。
また、公共図書館に限らず博物館・美術館等の文化施設などを活用する方法もあります。
いずれにせよ、学校図書館は単なる読書センターではなく、
授業支援や資料・情報センターの役割を担う必要があります。
(7)図書だより作り
図書だよりは児童・生徒に本の紹介をしたり、
夏休み貸出やその貸出期間、夏休み開館、
新着図書の紹介、利用マナーについてなど、
図書館の様々な案内をするための文書です。
PCで作成したり手書きで書いたり、
B4裏表だったりB51枚だったり、
作成頻度も月1回から毎週などなど、
作り手によって様々です。
また、図書だよりは児童・生徒だけでなく、
児童・生徒が持って帰って保護者の方も読みます。
図書だよりは保護者への学校図書館の広報誌でもあります。
また、先生たちも当然目を通しますし、
児童・生徒向けとは別で先生向けの図書だよりを発行したり、
家庭向けの図書だよりを発行する方もいらっしゃいます。
無理の無い範囲で発行しましょう。
また、学校によっては図書館担当の先生が発行される場合もあります。
なお、発行の際には必ず作成後図書館担当の先生に見てもらい、
さらに校長先生など管理職の先生に内容を確認してもらう必要があります。
(8)図書委員会活動
本来なら図書委員会は先生が指導するものですが、
学校司書も図書委員会に関わることもあります。
しかしあくまで指導の主体は先生が行うべきものなので、
学校司書は本来なら関わらない、
関わったとしても補助的な役割を担うのが普通です。
しかし学校によっては学校司書が主となって行っている学校もあります
(特に高校図書館でそういった場合が多いようです)。
高校図書館の事情はわかりませんが、
小学校・中学校は本来なら先生が行うべきものですし、
新米学校司書さんが委員会の指導をいきなり行うのは大変難しいと思います。
図書委員会担当の先生がどなたなのかを確認し、
先生に一任して、「学校司書になったばかりでわからないので
先生にお任せします」とお願いして関わるとしても
あくまで補助的な立場であることをやんわりと伝えましょう。
また、図書委員会はよく休憩時間の開館当番をして、
貸出・返却を行うことが多いように思います。
個人情報保護の観点から図書委員会が貸出・返却を行うのは賛否両論ありますが、
もし委員の児童・生徒が貸出・返却を行う場合は、
事前に誰が何を借りていたかなどの情報は絶対に秘密を守ること、
またカウンターなどで茶化したりしないこと、
そして貸出・返却ミスが起こらないようにしっかり見守りましょう。
また、本来ならこの休憩時間の当番も委員会活動なので、
委員会担当の先生が入るべきです。
先生方は忙しいのでなかなか入れないかもしれませんが、
もし図書館で生徒指導的な問題が起こったりした場合も考慮して、
特に中学校では先生に入ってもらえないかどうか
図書委員会担当の先生に聞いてみましょう。
なお、本当はあってはならないことですが
もし図書委員会が学校司書に「お任せ」状態であったならば、
委員会の指導は「最初が肝心」です。
まず、そもそも委員会活動というものは先生たちだけでなく
児童・生徒たちも学校の運営に関わって
学校をより良くするためのものであるという意義を確認し、
その上で図書委員として学校図書館をどうより良くしていくか、
児童・生徒達自身が考えて活動していくのが「委員会活動」です。
このあたりを強調して最初にしっかり伝えておかないと、
委員会活動がなあなあになってしまうように思います。
自分たちが学校をより良くする担い手であることを
認識できるように「最初に」しっかり教える必要があるように思います。
(9)掃除
掃除も委員会活動と同じく本来は先生が指導することなのですが、
昨今の先生不足のためほとんどの学校で
学校司書が掃除の指導も行っているように思います。
小学校ならば図書館の掃除担当の学年・クラスが決まっていたり、
あるいは「縦割り」と言って色んな学年の児童が掃除担当だったりして、
毎日掃除の時間があります。
中学・高校では放課後に週1回か2回掃除の時間があったりと、
小学校とはまた違うようです。
委員会でも書きましたが、掃除も同じく「最初が肝心」のように思います。
特に小学校では箒の使い方や雑巾の絞り方を知らない児童もいます。
図書館のどこをどんな風に掃除するのかというのを
最初にしっかり教えておくと、その後まじめに掃除に取り組むように思います。
自分の場合、1回目の掃除ではほとんど掃除は行わず、
ホワイトボード等を使ってしっかり掃除の手順や方法を教えています。
繰り返しになりますが委員会も掃除も「最初が肝心」だと思います。
新米学校司書さんが注意すべきこと その3 とりあえずすべき目の前の仕事
【新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧】
・その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
・その2 学校組織と学校図書館について
・その4 学校司書の基本的な仕事
・その5 学校司書の立場
・その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
・新米学校司書さんに送るツイートまとめ
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初めて学校司書になると一番悩むのは
「何をすれば良いの?」
ということだと思います。
あと1週間後くらいには新学期が始まる、
それまでにどんな準備をしておかなければならないのか…
本来なら前任者から引き継ぎがあったり、
新任学校司書に対する研修があるべきなのですが、
前任者が引き継ぎ資料をちゃんと残していなかったり、
雇用条件の厳しい学校司書に研修はなかったりします。
以下はさしあたって確認してすべきことです。
(1)貸出・返却方法の確認
(2)学年の更新がされているかどうか
(3)新入生の利用者登録
(4)図書館の利用規則
(5)オリエンテーションの内容
(6)「図書の時間」の有無(小学校)
(7)年間計画の確認・職員会議での提案
(1)貸出・返却方法の確認
もっとわかりやすく言うと
「パソコンが図書館にあって図書館システムが入っているかどうか」です。
図書館システムがあってパソコンでピッピッと
貸出・返却ができるようであれば、
その図書館システムのマニュアルを探しましょう。
前任者が新設ならばカウンターに置いてくれているはず、
なければカウンター周辺や司書室を探してみましょう。
もし図書館システムが入っていなければ、
どんな貸出方式かを確認する必要があります。
これも引き継ぎ資料があれば良いのですが、
無ければ昨年度からいる先生などに
「どんなやり方で本の貸し借りをしていましたか?」と
聞いてみましょう。
ハンコで返却日を押してカードを入れ替える方式か、
代本板を使う方式か、手書き方式か…
これを確認しておかないとあとの作業もままなりません。
(2)学年の更新がされているかどうか
「学年の更新」というのは、
新学期になってひとつ学年が上がるのに合わせて、
図書館システムの利用者情報が新しい学年に更新されているかどうか、ということです。
例えば去年小学校5年生だった学年の児童は、
6年生になっていないといけません。
その更新をシステム上で前任者が既にしていてくれたら良いのですが、
されていない場合もあります。
マニュアルを読んでみたり他校の司書さんに聞いてみて、
更新がどうなっているのか確認してみましょう。
また、システムによっては同じ市町村内全校で
一斉に更新する場合もありますので、
そのあたりも教育委員会の担当者の人や他校の司書さんに確認してみましょう。
なお、図書館システムが入っていない場合は、
例えばカード入れ替え方式だと新しく利用者カードを作る必要があったりします。
これは毎年の仕事なので昨年度からいた先生に聞けば
わかるかと思います(本当は引き継ぎ資料があるべきなのですが)。
カウンター周辺から新しいカードを探したり、
新しいカードをどうやって作っていたか
(学校司書が作っていたのか、担任の先生にお任せしていたのか)など
このあたりも確認しましょう。
なお、中学校などでは新しくカードを作らず、
学年が上がっても引き続き同じカードを使うケースもあるようです。
(3)新入生の利用者登録
これは図書館システムの有無に関わらず必要な作業です。
新入生をシステム上で登録したり、
アナログなカード入れ替え方式でも新しいカードを作る必要があります。
なお、図書館システムが入っている場合は
Excelなどで新入生一覧のファイルを作成して、
そのファイルを利用して一括で登録できる機能があることが多いです。
そのあたりもマニュアルを読んだり他校の司書さんに聞いて
確認しましょう。
(4)図書館の利用規則
(5)オリエンテーションの内容
貸出冊数は何冊か、予約は何冊か(そもそも予約をしているのか)、
開館日や開館時間、館内の本の配置=配架、
返却された本を児童・生徒が自分で返すのか、などなど、
図書館の利用規則を確認する必要があります。
また、それを確認しておかないと
オリエンテーションのしようがありません。
これも引き継ぎ資料があれば良いのですが、
なければ図書館担当の先生や昨年度からいる先生に確認しましょう。
特にオリエンテーションは新米司書さんにとっては
まず最初に当たる壁だと思います。
校種によっても、学年によっても教える内容が異なり、
いきなり上手くオリエンテーションを行うのはかなりの難易度です。
最低限必要なのは、
・図書館の利用マナー
・貸出冊数・貸出期間
・予約冊数・予約取り置き期間
・図書館の本の配置について
・図書館の本の配置と分類について(小学校3〜4年生以上?)
こういったことかと思います。
もしかしたら前任の方がオリエンテーション資料を
残してくださっているかもしれないので、
カウンター周辺やPCのファイルを探してみましょう。
(6)「図書の時間」の有無(小学校)
これは小学校に赴任する学校司書さんの話です。
学校司書がいる学校では「図書の時間」が行われている学校が多いです。
各クラスが週に1回図書館に来て授業をします。
絵本の読み聞かせをしたり、上述のオリエンテーションをしたり、
授業に関連してブックトークをしたり、調べ学習をしたり…
この時間に本の貸出・返却をすることも多いです。
また学年によっては隔週で行うクラスもあります。
どのように図書の時間が行われていたか、
前任者の引き継ぎ資料や図書館担当の先生、
昨年度からいる先生に確認してみましょう。
(7)年間活動計画の確認・職員会議での提案
学校ではどの部会も年間活動計画を作成し、それを元に活動をします。
学校図書館も普通なら年間活動計画を作成しているはずです。
新米学校司書さんが一から作成するのは難しいので、
とりえあず昨年度のものを確認し、
内容に問題が無ければ(いれば)図書館担当の先生と内容を一緒に確認し、
学校図書館に関する部会があればその部会でも確認し、
最後に職員会議にかけて学校全体で内容を確認してもらいましょう。
なお、このあたりの仕事は学校司書がしなければならないわけではないので、
図書館担当の先生がいればその先生にお任せでかまいません。
また、もし年間計画が無ければ(これまでもずっと無かったのであれば)、
今年度は作成を見送り、今年度の活動を見据えて
来年度きちんと作成する、という方法もあります。
いずれにせよ、学校司書に初めてなっていきなり
年間計画を作成するのはかなりハードルが高いので、
無理せず既存の状況で対応しましょう。
新米学校司書さんが注意すべきこと その2 学校組織と学校図書館について
【新米学校司書さんが注意すべきこと】
・その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
・その3 とりあえずすべき目の前の仕事
・その4 学校司書の基本的な仕事
・その5 学校司書の立場
・その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
・新米学校司書さんに送るツイートまとめ
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学校もひとつの組織であり、
組織である以上管理職の元、教職員が構成立てられています。
組織形態は市町村・学校によって様々ですが、
基本的には様々な「部会=部門」があって、
先生たちが部会に所属してその役割を担っています。
例えば、授業研究部会、生徒指導部会、教務部会、人権教育部会、などなど…
本当に学校によって部会の種類や構成も様々です。
なお、年度始めにはこの学校組織の構成表が配られ、
誰がどの担当になるかが職員会議で話し合われます。
可能なら職員会議に参加して学校の組織構成を知っておくのが良いかと思います。
その上で、学校司書として確認しておくべきことは、
(1)図書館担当の先生は誰か(もしくは誰もいないのか)
(2)学校図書館の部会があるのか
(3)学校図書館の部会があったとして、どういったメンバー構成か
(4)学校図書館の部会が無いならば、学校司書はどの部会に所属するのか
(5)学校図書館の部会も無く図書館担当の先生もいないケース
の5点です。
(1)図書館担当の先生は誰か(もしくは誰もいないのか)
まず確認すべきは学校図書館担当の先生が誰か、です。
学校内で学校図書館に関することを担当する先生、
というのを決められていれば、その先生に色々と話を聞けます。
ただし、この担当はまだ決まっていない場合もあります。
4月1日以降の職員会議で話し合って決めたり、
司書教諭という学校図書館教育に関する資格を持つ先生の中から
話し合って決めたりすることもあります。
ともかく、教頭先生など管理職の先生に
学校図書館担当の先生がいるかどうか確認してみましょう。
決まっていない場合でも、前年度の先生を教えてもらって
色々聞いてみるのも良いかと思います
(ただし新しく図書館担当になった先生の気分を害さない程度に、
新しい図書館担当の先生と一緒に話を聞いてみるなどして)。
しかし、学校図書館担当の先生がいない、
そういった役割分担を組織として決めていない学校もあります。
それでも学校司書がどこかの部会に所属していて、
その部会が学校図書館教育も担っているというのであれば
その部会の先生方に協力していただいたり助けていただいたりできるのですが
下手をすれば学校組織の中で学校図書館がどこにも所属しておらず、
学校図書館教育に関わるのは学校司書だけというケースもあります。
新米学校司書さんにとってはかなり厳しいケースですが、
可能なら管理職の先生に
「私も新米で右も左もわからないので、
学校図書館担当の先生がいる助かるのですが…」
と相談してみましょう(かなり勇気がいるかもしれませんが…)。
また、学校図書館が組織の中で位置づけられていないというのは
本来ならばおかしなことです。
4月の頭に考えるべきことではないかもしれませんが、
その年度末に
「学校教育の中に学校図書館が位置づけられていない」
「学校司書ひとりで学校図書館教育を担うのはおかしい」
「学校全体で学校図書館教育を研究・推進すべき」
という風に年度末反省で出しましょう。
(2)学校図書館の部会があるのか
学校によっては、組織の中に学校図書館に関する部会がきちんと
位置づけられているケースもあります。
そういった場合は、その部会の先生方に色々と聞いてみましょう。
ただし、まだ4月1日の時点ではメンバーが決まっていないこともあるので、
教頭先生に前年度の担当の先生などを教えてもらって
前年度の先生に色々と聞きたいことがあれば聞いてみましょう。
また、学校図書館と銘打ってはいないものの
どこかの部会が学校図書館の部会も兼ねている、という場合もります。
そういった場合もその部会の先生に確認してみましょう
(学校図書館に関しては何もやってない、ということが多いかもしれませんが…)
(3)学校図書館の部会があったとして、どういったメンバー構成か
これは校種(小・中・高・専門高校・支援学校)などによって
また色々と変わってくるかもしれません。
小学校ならば例えば各学年から1人ずつ所属しているとか、
中学校ならば国語教育の先生で構成されているとか、
高校だと事務的な組織になっている、などという場合もあります。
メンバー構成によって学校図書館教育がどのように推進されているのか、
どのような位置づけなのかが掴めることもあります。
冒頭に書いたように年度始めには学校組織の役割分担を決める会議があります。
どんな先生たちでメンバー構成されているか確認しておきましょう。
(4)学校図書館の部会が無いならば、学校司書はどの部会に所属するのか
残念ながら学校図書館に関する部会が全く無い
(他の部会が兼ねていたりもしない)場合もあります。
ただ、そういった場合でも学校司書がどこかの部会に所属している、
というケースもあります。
例えば教育研究関連の部会(授業研究部会とか)に所属している場合もあれば、
視聴覚教育部会に所属しているとか、
(3)のように事務的な部門に所属しているケースもあります。
部会が無ければ、学校司書がどこかの部会に所属していないか、
学校組織の構成表で確認したり管理職の先生に確認したりしてみましょう。
(5)学校図書館の部会も図書館担当の先生も無くどこにも所属しないケース
残念ながら学校図書館の部会が全く無くて、
図書館担当の先生もいなくて、
どこの部会にも所属していないケースもあります。
つまり、学校図書館教育に携わるのは学校司書ひとり、というケースです。
残念ながらそういう学校もあります。
学校組織の中に学校図書館を位置づけていない学校です。
こうなると「誰も学校図書館についてわかる人がいない」と思ってしまいそうですが、
しかし位置づけられていないからといって、
誰も学校図書館について何も知らない、ということはありません。
前任の学校司書がいれば引き継ぎ資料等があるかもしれませんし、
昨年度からいる先生に「学校司書ってこれまでどんな感じでしたか?
学校図書館ってどんな感じでしたか?」と聞くこともできます。
特にベテランの先生や若手でやり手の先生が頼りになります。
また、他校の学校司書さんに聞いてみるのも手です。
また、いわば手付かずの畑のようなものなので、
これから色々と耕すやり甲斐もあるといえばあります
ただし、学校図書館教育に批判的な先生がいる可能性もあるので
慎重に見極めなければなりませんが…
ともかく、誰か助けになってくれそうな人を見極めて、
手助けしてもらいましょう。