3月」カテゴリーアーカイブ

ぼくのおおきさ

トッチはいろんな人に「おおきくなったねぇ」と言われるたびにこう思います。「ぼくはぼくのおおきさだよ」。
おおきさって何なのか?おおきいって何?ちいさいって何?トッチはおばあちゃんに聞きに行きます。
おばあちゃんはトッチに、「おおきさ」について、いろんな視点から「おおきさ」というものを考えられる問いを与えていきます。
読んで行くうちに読者はトッチとともに「おおきさ」ってこんなに色んな見かたや考え方があったんだ、と気付かされ、同時に深く考えさせられます。
そうやって多角的に物語が広がっていきながらも、最後には…
どのカテゴリーに入れるか悩ましい絵本ですが、3学期の最後や哲学を学んだりする時に読むのが良いかもしれません。
中学年〜高学年向きかな?


あすは きっと

この絵本は、新たな出発を迎える時…例えば3学期の修了式あたりや卒業式・卒園式前に読むのも良いのですが、もしかしたら、子どもたちにとって何かとても辛い出来事があった時、それも、自分の力だけで立ち直るのが困難な時などに読むのが良いのかもしれません。
そう、今日はこんな日でも、明日はきっと…と。そんな、明日への希望が、子どもたちに伝わる言葉でかかれている絵本です。


はじまりの日

ボブ・ディランの「forever young」という曲を絵本にしたもの。
「forever young」はボブ・ディランが自身の子どものために作った曲です。
とてもシンプルな言葉で、生きることについて
子どもへの優しさあふれるメッセージを送っています。
アーサー・ビナードさんの訳がまた良いですね。
卒業式や3学期最後の読み聞かせぴったり。
ただ、すごく短いので他の本とセットで読むのが良いように思います。


だって春だもん

つららから落ちるしずく、流れだす水、芽吹く木々…
春の訪れを感じさせるほんの小さな、
けど確かな春の兆候たちが、
美しい写真でその一瞬を切り取られています。
文章もそれほど変に色付けされておらず、
自然と読める文章になっています。
冬の終わりの頃に読みたい絵本です。


けやきの木の下で

約200年ものあいだ、おばあさんの元で家族や街の人たちを見守ってきたけやき。しかし、とうとうこのけやきを切らなければならないことになりました。おばあさんは、何とかこのけやきの生命を次につないで行くことができないかと考え、とある看板をけやきにかけました…

大樹の行く末を描くことで、人と人との繋がりが感じられる絵本。この大樹は切られる前も、切られた後も、人々の間で、人々を繋げながら生き続けているのだなぁ。この大樹に限らず、人もまた、生きていくことでこの大樹のような役割を果たしているのではないか、と思います。


おおきくなるっていうことは

この絵本は、自分の過去を思い出させてくれる絵本。「大きくなった後」には、自分がどんなに小さかったかわからないもの。小さかったころを思い出すことで、自分が大きくなったことに気付かされます。卒業前の子どもたちに読んで、君たちはこんなに大きくなったんだよ、成長おめでとう!というメッセージを込めて読んであげたい絵本です。


いつだってともだち

ピンク色の子象のベノは、水玉模様の子象のフレディととても仲良しでした。ふたりは顔を見るだけでお互い何を考えているかわかるくらいの仲でした。けれどある日、ふたりはどうしても離れ離れになってしまうことになりましたフレディと別れたあと、ベノは誰と遊んでも、何をしていても楽しくありません。ベノはどうしたら良いかわからなくなり、物知りのふくろう、ホレイカに相談に行くことにしました。ホレイカがくればアドバイスは…

自分も中学校時代、土日になると(土日じゃなくても)毎日のように遊ぶ仲の良い友人が転校してしまった時に、こんな気持を味わいました。あの時この本を読んでいたらなぁ。別れというものは来なければそれにこしたことはないことですが、人生に別れはつきもの。別れの悲しみを癒す方法を教えてくれる絵本です。


たいせつなこと

スプーン、ひなぎく、雨、草、雪…それらは私たちの目に映え、私たちの想像力をふくらませてくれる。けれど、それらにとって、本当に大切なことは?これを読み聞かせしても、子どもたちにはひょっとしたら難しいかもしれません。けど、子どもの時に読んであげて、いつかまた大人になった時にこの本に出会って、その意味を考えて欲しいなぁと思う絵本です。


もりのてがみ

さむいさむい冬。ひろこさんは、ともだちにてがみを書きました。みどりの目をしたりす、しっぽのとれたとかげ、うたのすきなことりたち…みんなもみの木の下で出会ったともだちです。「すみれがさいたらまた会おうね」という約束を書き、てがみはもみの木にさげました。春になったら、みんなに会えるかな?

ひろこさんの手紙を書く場面が、とっても良い!手紙自体もともだちとの想い出がつまってて良いんだけど、その手紙の周りにある小物…はさみ、ペン、バンドエイド、切手、のり、などなどの小物類にすごく味があって、この手紙のシーンを一層ほんわかしたものにしてるんです♪そして、物語もまたほんわかしているので、この手紙のほんわかと相まって読んでいてとっても幸せな春の気分になります!このほんわかは、おひざに抱っこの読み聞かせで一緒にあじわってください~


ぼんさいじいさま

ぼんさいじいさまのたくさんのぼんさいのなかでも、一番大切で一番見事なのが、しだれ桜のぼんさい。そのしだれ桜が今朝は満開で、ぼんさいじいさまがうっとりながめていると、しだれ桜からじいさまを呼ぶ小さな声。しだれ桜をのぞいてみると…

この絵本の何がすごいって、じいさまの達観しているところがすごい!読み手は途中でじいさんの死に薄々気づくんですよね。けど、全然悲しみがない。むしろ、「あぁ、こういう死に方だったら良いなぁ」と思わせるくらい。それくらい、じいさんが死を恐れず、死をすんなりと受け入れているんです。だって、途中あきらかに死の宣告をされているのに、このぼんさいじいさん、「おお、そうだったのかい」の一言で済ませるんでよ!そして、本当に幸せそうに自分の庭を訪れた動物たちとの想い出を振り返り、楽しそうにスキップしながら逝くんです。桜吹雪の中を。桜の散り際に、桜の儚い和歌などのブックトークにおりまぜて読んでみてはいかがでしょうか?