月別読み聞かせ絵本リスト」カテゴリーアーカイブ

ぐりとぐらのかいすいよく

ぐりとぐら、今日は海水浴に来ています。ふたりは泳げないので波打ち際で砂遊び。すると、沖のほうから何か光るものが流れ着いてきました。流れてきたのは…ぶどう酒のビン。けれど中身はぶどう酒ではなく、手紙でした。手紙には「しんせつなともだちへ しんじゅ・とうだいへきてください」と書いてあります。地図によると、しんじゅ・とうだいは海の向こう。ふたりは浮き輪につかまってしんじゅ・とうだいを目指して出発!

まず1ページ目で驚きの事実、ぐりとぐらは泳げなかったのですね…。しかも泳げないのに浮き輪に乗って沖に出るのはスゴイ!そうして、海の向こうにいた友だちを助けてあげます。行きには泳げなかったぐりとぐら、けど帰りはちゃんと自分たちで泳いで帰ります。え?どうして泳げるようになったかって?それは読んでのお楽しみ♪


お化けの真夏日

お化け屋敷に夏が来ました。暑さに参っているお化けもいれば、夏をおもいっきり楽しんでいるお化けもいるようです。そして、人間と同じように夏を楽しみます。スイカ、花火、かき氷、虫取り。…今の人間たちより夏を楽しんでいそう?都会ではなかなかこんな夏は過ごせませんものねぇ。随所にお化けらしい笑いも散りばめられていて、夏休み前に楽しい読み聞かせができる絵本です♪


お化けの海水浴

ここはお化けのための海水浴場。お化け屋敷のお化けたちが海水浴にやってきました。準備体操をして(お化けたちもちゃんとするんです!)泳ぐ…のかと思ったら砂かけばばあは砂集め。ろくろっ首はご想像の通りのことをしています(笑) そして、今日は海のお化けたちも集まって一緒に宴会をするのです。共潜たちはアワビやサザエを取り、鬼たちは魚を持ってきて、小豆あらいと小豆とぎが料理。そうして、最後にビッグゲストも…。お化けの海水浴、ちょっと出てみたい気もするなぁ♪料理がすごく豪勢だし(笑)


オニヤンマ空へ

夏のはじめに、たけるの家族はお墓参りをして風の谷公園でお弁当を食べ、遊んで帰ります。公園の小川でたけるは大きなヤゴ(とんぼの幼虫)を捕まえました。ヤゴはやがてオニヤンマへと羽化し、たけるはオニヤンマを風の谷公園に返すため、一人ででかけました…。

表紙とタイトルからは虫好きな男の子の楽しい話のように思えるのですが、中身は全く真逆です。羽化したばかりのか弱いオニヤンマにたった七日で無くなった妹を重ね、たけるの兄としての想いや成長を描いています。絵本という短い物語の中に、それがとても素晴らしく詰め込まれています。夏の静かな物語です。


おっきょちゃんとかっぱ

おっきょちゃんがひとりでうらの川で遊んでいると、ガータロという河童がおっきょちゃんを川の祭りへと誘います。おっきょちゃんは浴衣を着て、お土産にきゅうりを持ってお祭りへとでかけました。河童たちはきゅうりに大喜びし、おっきょちゃんを歓迎してまつりのもちをふるまいました。そのもちを一口食べるとお父さんのことを忘れ、二口食べるとお母さんのことを忘れ、三口食べると、とうとうおっきょちゃんは水の外のことは全て忘れてしまいました…。

夏と言えば怪談話や妖怪話が盛り上がってきますが、日本古来の妖怪「河童」だけはなぜか人間と親しみやすい存在ですよね。この絵本もよくよく読んでみると怪談話なのですが、河童の陽気さやおっきょちゃんの素直な性格が相まって、怪談というよりは少し幻想的な河童の物語になっています。また、物語の展開も面白いものがあり、読み聞かせにもなかなか◎です♪


ウエズレーの国

他の子とはちょっと違うウエズレー。どうも自分は周りの子とはちょっと違うんだなぁ、と自分でも感じている。だから友だちにいじめられたりもする。自分だけの隠れ家があったらなぁ、とウエズレーは思う。そうして、夏休みがいよいよ始まるという時、ウエズレーは自由研究の宿題にぴったりなものを思いついた!それは、じぶんだけの作物を育てて、自分だけの文明を作ること!ウエズレーのすごい自由研究がはじまります。

他人とは違うこと、自分と違う人間がいることに、人は時に恐れを抱いたり力でねじ伏せようとしてしまう。けれど、この絵本は違います。ウエズレーという存在を「異質なもの」として描くのではなく、ウエズレーという一人の人間として、ウエズレー自身が持つ魅力、才能としてウエズレーが人とは違うことを讃えています。それが本当にストーリーと絵からよく伝わってくるのです。違うことは良いことなんだな、と思わせてくれる素晴らしい絵本!


うみのいえのなつやすみ

夏といえば海、そして海といえば、「うみのいえ」。カレーライス、焼きそば、かき氷、フランクフルト…って食べ物ばっかりですが、この主人公のなっちゃんは、親戚のおばさんたちがうみのいえをしています。毎年夏はそのおばさんのところに行って遊ぶのが恒例。いとこのゆうくんと海で泳いだり、貝殻を集めたり、磯でカニや小魚を捕ったり、海の遊びが満載です。ところが、大事にしていた麦わら帽子をなくしてしまったなっちゃん。遊んでいた浜辺や磯を探しても、麦わら帽子が見つかりません。その内に雨も降りだして…夏の海の楽しさたっぷりですが、ストーリーもなかなか面白い絵本です。


狂言えほん せつぶん

はるばる中国の蓬莱山から日本やってきた鬼。さすがに疲れたので、どこかで休もうと思ったところ、明かりの灯る一軒の家があった。中には美しい女の人がひとり、鬼はたちまち女の人に惚れてしまい、なんとか嫁にしようと口説くが、女の人は鬼が恐ろしくてたまらない。鬼は手を変え品を変え惚れさせようとするけれど…

狂言の節分をもとにした絵本。女の人を口説く鬼の様子がとてもひょうきんです。鬼が怖くて怖くてしょうがない女性と、それに全然気付かず女も自分に惚れてあるなと勝手に勘違いする鬼の間抜けさのギャップが面白いです。ただ、この機微を捉えるのはちょっと難しそうかな?中学年〜高学年向けかもしれません。


チュンチエ―中国のおしょうがつ

中国のお正月「チュンチエ(春節)」。マオマオのお父さんは出稼ぎに行っていて、チュンチエに家に帰って来ます。帰って来たお父さんはヒゲがたっくさんはえていて最初はびっくりしたけれど、散髪屋さんでさっぱりしたら、やっぱりいつものお父さん。一緒にお餅を作って、町に買い物に行って、チュンチエの準備をします。町もチュンチエに合わせて、出店が出て人で賑わい、提灯が飾られ、華やかになっていきます…

日本とは少し時期の違う、中国のお正月のお話。町の華やかさが特に目につきます。おそらく中国の田舎町という設定なのでしょう、チュンチエの華やかさを描きつつ、地方に住む中国の家族の現状も取り入れていて、お話に膨らみを持たせています。おもちのおまじないは日本でもすると面白そうですね。


ソルビム、ソルビム2

韓国でお正月に着る晴れ着のことを「ソルビム」と言います。そのソルビムを着る子どもの様子を描いた絵本。1巻が女の子バージョン、2巻が男の子バージョンです。日本の着物もそうですが、何枚も重ね着をしたり帯を結んだり、となかなか着るのが大変そう。男の子は飽きっぽいからか、途中で凧揚げをしたり伸びをしたり(笑)。女の子と男の子では当然、ソルビムの色も形も違いますが、全部着終えた後はどちらもとても華やかです。日本より北にある韓国らしく、雪景色にとても映えています。巻末にはソルビムとして着る1枚1枚の衣装の名称がわかりやすくのっており、男の子バージョンには家族の集合写真的な絵も最後にあります。1巻と2巻、比べて見るとまた面白いです。