ビリーはいよいよ明日から1年生。けど、新しい学校のことがちょっぴり(もしかしたらビリーにとってはすごく)不安でした。そんなビリーが好きなのは鳥たち。庭に鳥の餌台があって、ビリーは鳥たちに餌をあげていました。鳥たちもビリーになついていました。そんな鳥たちのなかに、やせてボロボロの小すずめがいました。初めてビリーのところに来たその小すずめをビリーは連れて帰ることにしました…
子どもにとって小学校入学は、人生初の一大イベントかもしれません。新しい場所で待つ、見知らぬ生活、見知らぬ人との出会い。それらに対して期待を膨らませる子どもたちもいれば、大きな不安を抱く子どもたちもいるでしょう。ビリーは後者です。そのビリーの成長物語が、鳥の巣立ちになぞらえてとても上手く描かれており、物語性が非常に高いです。
また、この絵本は絵も素晴らしいです。温かみのある絵を基本としつつ、朝早く目覚めたシーンや小すずめが飛び立つシーンがビリーの心象風景としてその心をよく伝えています。特にラストのビリーの夢のシーンは素晴らしいです。
物語・絵ともに名作と言える絵本。ただし、新1年生には内容が難しいかも…2~6年生に入学を思い出す作品として読み聞かせするのに良いかもしれません。じっくり一人で読むのにも良い絵本です。