学校図書館は必ずしも図書館のために作られた部屋を使用しているとは限りません。特に歴史の長い学校や教室数が足りていない学校では、普通教室を図書室に流用しているところが多いかと思います。そんな図書室で絵本棚としてよく使われているのがランドセルを入れる棚。壁沿いにずらっと並んでいて低い位置にあり、絵本を配架する場所としてぴったり、ということでこのランドセル棚を絵本棚にしているところも多いかと思います。
ただし、このランドセル棚は絵本棚として使うには致命的な弱点があります。それは奥行きが深すぎること。この写真は奥に百科事典の空箱を置いているんですが、それでも絵本が奥に入り込んでしまっています。これでは絵本棚として使いにくい!
上の棚から絵本を出した状態。百科事典の空箱でなんとか奥行きを浅くしているんですが…このやり方もまた色々難点があるんですよね。同じ大きさの箱がそろわなかったり、数年で箱がボロボロになったり汚れたり。何とかならんものかなぁ…と思っていたら、koyateruさんという先生のブログ『毎日読み聞かせ』(http://d.hatena.ne.jp/koyateru)の2008年7月20日の記事に、
「書棚の牛乳パックを重ねて、布をくるんであるものを、埃が溜まるので、順次角型のペットボトルに変えていく。」(赤文字はhontomo)
という記述があり、「これだ!」と思いウチでも真似させていただきました!以下はその手順です。
使用するのは2リットルの角型ペットボトル。1.5リットルでも良いのですが、あまりオススメしません。理由は2リットルのペットボトルの方が集めやすいから。教室のランドセル棚全てを今回の方法で使いやすくしようとすると、大量にペットボトルが必要です。ちなみにウチの学校では実に576本ものペットボトルを他の先生や子どもたちに集めてもらいました。このペットボトル収集の際、2リットルならば自然と角型のものだけが集まるのです。1.5リットルは色んな形のがあるのですが、2リットルはほとんどが角型だから。なので、2リットルのペットボトルを使うことをオススメします。
(※ただし棚の大きさにもよりますので、事前に試作してベストなサイズを決めてください)
ペットボトルは後述するようにつなぎあわせて棒状にします。この「ペットボトル棒」を作るためには、ペットボトルを加工しなければなりません。
上の絵のように、1本はそのまま加工せずに使用します。間にはさむペットボトルは、底側をカットします。もう一方の端っこに使うペットボトルは先端部分をカットします。これをつなぎあわせてペットボトル棒を作ります。長くしたい場合は間のボトルを増やしていきます。ウチは4本繋ぎ合わせました。
ペットボトルを切るのはなかなかの手間ですが、このようにまずカッターナイフで切り込みを入れ、続いて裁縫に使うような大きめのはさみを使って切ると比較的切りやすいかと思います。怪我にはくれぐれもご注意を。
加工が終ったら、このようにガムテープで棚の幅に合わせてつなぎあわせます。後述するように布でくるむ場合は、棚の幅とぴったりの長さでつなげると布の厚みで入らなくなるので、少し短めにしましょう。幅の調整は加工したペットボトルをどれだけの深さでつなぎあわせるかで調整できます。
1本できあがったら、それを基準にしてさらにペットボトル棒を作ります。そうしてできあがったペットボトル棒を、今度は棚の奥行きと高さに合わせてこのようにブロック状に組み合わせます。ウチでは合計8本のペットボトル棒を組み合わせました。多少長さが違っても大丈夫です。
ペットボトルブロックができあがったら、このように布でくるみます。ただ、布が無ければ無いで別にむき出しでも問題無いかと思います。布は家庭科の先生や事務の方、あるいは教務の先生やベテランの先生に相談してみたら、意外と良い掘り出し物が見つかるかも?
そうして出来上がったペットボトルブロックをこんな風に棚に入れます。布でくるむと、見た目も結構良い感じでしょう?これで奥行きがかなり浅くなりました。
絵本を詰め直すと、見事に前に出っ張ってきています。これで子どもたちのも絵本が取りやすく、しまいやすくなりました!大量のペットボトルを集めるのはかなり大変ですが、学校全体(先生や家庭)に呼びかけると案外集まります。ウチは図書だよりで呼びかけたら、かなり集まりました。問題は加工…これはかなり手間と時間がかかります。できれば管理職の先生に相談して、職員作業で他の先生方に手伝ってもらうのが良いかと思います。