投稿者「hontomo」のアーカイブ

hontomo について

大阪府で小学校図書館司書をしています。学校司書歴7年目。1年目は右も左も分からず、2年目は読み聞かせに力を入れこの頃から個人的に読み聞かせのデータベースを作成をし始めました。3年目から勤めていた小学校・中学校の学校図書館改善に取り組み、サイト「ほんとも!〜学校図書館おたすけサイト〜」を立ち上げ。4年目以降は調べ学習に力を入れ始めました。その後異動し、現在の学校では1年生〜6年生を見通した調べ学習のカリキュラム・授業作りを研究中です。

けやきの木の下で

約200年ものあいだ、おばあさんの元で家族や街の人たちを見守ってきたけやき。しかし、とうとうこのけやきを切らなければならないことになりました。おばあさんは、何とかこのけやきの生命を次につないで行くことができないかと考え、とある看板をけやきにかけました…

大樹の行く末を描くことで、人と人との繋がりが感じられる絵本。この大樹は切られる前も、切られた後も、人々の間で、人々を繋げながら生き続けているのだなぁ。この大樹に限らず、人もまた、生きていくことでこの大樹のような役割を果たしているのではないか、と思います。


おおきくなるっていうことは

この絵本は、自分の過去を思い出させてくれる絵本。「大きくなった後」には、自分がどんなに小さかったかわからないもの。小さかったころを思い出すことで、自分が大きくなったことに気付かされます。卒業前の子どもたちに読んで、君たちはこんなに大きくなったんだよ、成長おめでとう!というメッセージを込めて読んであげたい絵本です。


いつだってともだち

ピンク色の子象のベノは、水玉模様の子象のフレディととても仲良しでした。ふたりは顔を見るだけでお互い何を考えているかわかるくらいの仲でした。けれどある日、ふたりはどうしても離れ離れになってしまうことになりましたフレディと別れたあと、ベノは誰と遊んでも、何をしていても楽しくありません。ベノはどうしたら良いかわからなくなり、物知りのふくろう、ホレイカに相談に行くことにしました。ホレイカがくればアドバイスは…

自分も中学校時代、土日になると(土日じゃなくても)毎日のように遊ぶ仲の良い友人が転校してしまった時に、こんな気持を味わいました。あの時この本を読んでいたらなぁ。別れというものは来なければそれにこしたことはないことですが、人生に別れはつきもの。別れの悲しみを癒す方法を教えてくれる絵本です。


たいせつなこと

スプーン、ひなぎく、雨、草、雪…それらは私たちの目に映え、私たちの想像力をふくらませてくれる。けれど、それらにとって、本当に大切なことは?これを読み聞かせしても、子どもたちにはひょっとしたら難しいかもしれません。けど、子どもの時に読んであげて、いつかまた大人になった時にこの本に出会って、その意味を考えて欲しいなぁと思う絵本です。


鬼の首引き

都に向かう若者の前に突然鬼が現れて、若者は捕まってしまいます。鬼はその若者を食べようとするのですが、「まてよ。ウチの姫さんはまだ人間を食べたことがない。お前、わしと姫さんとどっちに食べられたい?」と聞いてきます(どっちも嫌だ…)。若者は姫さんの方を選びます。しかしタダで食われるのはかなわん!と若者は鬼の姫さんに勝負を挑みます。勝負は腕相撲や足相撲。鬼の姫だからさぞかし強いのだろう…と思いきや、意外にも弱くて負けてしまう姫さん。最後は若者と他の鬼たちとの首引き勝負ですが、若者はこれまた知恵を巡らせ…

よく見ると登場人物たちの表情が面白い。若者は知恵を巡らせるだけあってなかなあ鋭い表情をしています。それに対し負ける鬼の姫さんは案外かわいい(笑)鬼は若者に騙されてしまいそうな、悪い顔してるけどちょっと間抜けそうでもある顔…。井上洋介さんは大胆なタッチの絵ですが、細かいところはすごく繊細でお話によく合っています。


鬼のうで

都で大暴れしていた酒天童子ら鬼の一味を退治した源頼光たち。しかし、一匹の鬼がこっそり逃げて、羅生門で女を100人もさらっていた。そこで、頼光の家来で最も強い、渡辺綱が退治にでかけ、見事鬼のうでを切り落としたが…

「そうれそれそれ そのむかし」「やんややんや」など、噺家のような文体が実に面白く話し手としても読みやすいのですが、それは赤羽末吉さんの文と絵が実に物語に上手く起伏をつけているからでもあります。絵は白を基調としているのですが、例えば渡辺綱が羅生門に向かうシーンでは、渡辺綱を細い筆の線で描き、ひとつめの風が吹くところでは風を少し太めの薄墨で数本、次の雨の滴りは渡辺綱と同じ線でごく控えめに、そして次の黒雲と松が出てくるところでは色を濃くして描く大きさも大きくして、最後の稲妻が光るところで渡辺綱を灰色で塗り、「いかにもこれから何か起こるぞ」という雰囲気を醸しだしています。しかし、次のページをめくると…何も起こらない。鬼は出てきません。渡辺綱の油断した気持ちを表してか、そのページに書かれている渡辺綱も線がふにゃふにゃ。しかし、そのページをめくった瞬間不意に出てくる音は実に力強い線え勢いのあるタッチ、画面をはみださんばかりの鬼の迫力。あわれ腕で握りつぶされた渡辺綱が描かれる次のページでは、あえて背景を血をイメージするかのような色。この色は代赭かな?とまぁ、実に絵が物語と連動していて、読み手も聞き手も物語にぐいぐい引き込まれるようになっています。これぞ絵本、という本です。


赤ちゃん絵本探し

最近お父さんになった友人からFaebookで
「オススメの赤ちゃん絵本おしえて」と聞かれたので、
今まで甥っ子に送った絵本をピックアップ。

が、その前に言っておかないといけないのですが、
赤ちゃん絵本はあまり詳しくありません。
なので、

こういった赤ちゃん絵本リストを参考にしながら選んでいます。
というかぶっちゃけるとこの日記読むより
そういったブックリスト読むほうが参考になります

赤ちゃん絵本は専門外ではないけどやはりあまり詳しくは無いので…
「赤ちゃんからの絵本ガイド」は対象年齢も書いていて参考になります。
ただ、この本絶版なんだよね…マーケットプレイスで売ってますが。
どうして絶版になったんだろう?すごく良いブックリストなんだけどなぁ。

閑話休題。それでは甥っ子に贈った本のリストを。

まずは定番中の定番。
友人も買ったそうですが、1歳未満の子に絶対ウケる、
と言っても過言ではないくらい赤ちゃんにとって楽しい絵本ですね。
ちなみにプレゼントには3冊セットの箱入りもあります。

それと、確か1歳の誕生日に贈ったのが
「Baby’s BOOK」という布絵本。丸善&ジュンク堂に売っていました
探してみたら、楽天でも売っていましたね。

・【手指のおけいこ布絵本シリーズ】はじめてのほん Baby’s Book(あひるさん)
http://item.rakuten.co.jp/rompers/u-lp042/

鏡が付いていたり、しゃかしゃかと音がなったり、
甥っ子は色々手触りを楽しんでいました。
ただし「読む」という感じではなく、「触って遊ぶ」という感じだったかな?

で、その後ちょくちょくプレゼントしたのが、
「あけて・あけてえほん」という新井洋行さんのシリーズ。

他にも色々あるみたいですが、プレゼントしたのは確かこの3冊だったかな?
この絵本を読んだ時は、甥っ子は「自分の知っているもの」に反応していました。
「おふろ」に出てくるあひるのおもちゃとか、
「れいぞうこ」に出てくる知っている食べ物とか。
色にも反応していました。
ただしこの頃は甥っ子はなんでも「きいろ!」と言っていましたが(笑)

で、先月の2歳の誕生日にプレゼントしたのは

これは少し考えながらチョイスしました。
「そろそろ数字を覚えるかな…」とミッフィーの数の本をチョイスし、
乗り物が好きなので「のりものいっぱい」をチョイス。
「くっついた」は単純に面白そうだから。
そして、ちょっとストーリー性のあるものと思って「ばけばけばけばけばけたくん」を。
なんと、2歳児でも「ばけばけばけばけばけたくん」に反応するのですね。
知っている食べ物が出てきて、次のページになったら
その食べ物に変身する、ということも理解していたように見えました。
本当は

を贈ろうかと思っていたのですが、書店で在庫切れでした…

他にも何か贈ったような気がしますが、覚えていない…
しかし、これだけだと友人には参考にならないと思うので、
以下、赤ちゃん(0歳児)向け定番中の定番や面白そうなものを。

赤ちゃん絵本のポイントは

「線や色がはっきりくっくりしていること」
「ページをめくるごとに変化があること」
「声に出すと『音』として面白い内容であること」

なのかな?
ただ、一番大事なのはそういった絵本を選んだ上で、
ちゃんと「おひざに抱っこして一緒に読んであげる」ことかな
(某友人には釈迦に説法だろうけれど)。
赤ちゃんにとって絵本は本に親しむ最初の一歩でもあり、
親子の楽しいコミュニケーションでもあります。
子どもは疲れを知らなので何度も読むのをせがんでくるでしょうが、
何度も読んであげてね。
あと、同じ絵本を何度も読みたがるのだろうけど
それが子どもの成長の特徴なので、
同じ絵本ばっかり読みたがっても何度も読んであげてください。
読み続けたら、自然と次の成長のステップに行って違う絵本を読みたがります。
そしてもうひとつ大事なのはおうちにすぐ本と触れられる環境を作ること。
というわけで学校司書としてのアドバイスはこんなものかな…

以上、あまり参考にはならない赤ちゃん絵本の話でした。


1年生初めての図書の時間

(この日記は旧ほんともブログの2010年4月9日の記事です)

いよいよ今日から授業が始まりました。
今日はまずは午前中、新1年生初めての図書の時間。
今後のこの子たちの読書を左右する大切な時間なので、
こちらも気合が入ります。

新1年生は今年度から

「4月はオリエンテーションをゆっくりやって、
 読み聞かせにたっぷり時間をかけ本の楽しさを伝える」

という方針にしました。

1回目の今日は教室までお迎えに行き、まずは自己紹介から。
そして、図書館への移動の仕方。
他のクラスでは授業が始まっているので、
図書館への移動は静かにしないといけません。
それをわかりやすく説明した後、実際に並んでみます。
この時、3~4人ずつに分けて並ぶようにすると上手くいきます。

廊下に並び終わったら静かにならべたことを褒めつつ、
今度は自分の片足を上げて指さして

「足音が大事!忍者のように、猫のように静かに行くんだよ~」

と説明。
するとみんな絵に描いたような「抜き足差し足忍び足」で歩くんですよ~♪
1年生、かわいいなぁ♪

図書館に到着したら、ドアの前で一呼吸置いて、いよいよ中へ!
中に入ってぐるっと1周します。
みんな目をキラキラ輝かせながら図書館の中を眺めます♪
「ゾロリある!」「にんたま!」という声がチラホラ。
そうして周り終わったら畳の上に座って(ウチは畳があります)、
読み聞かせタイム。
が、その前に「図書の時間」がそもそも「どんな時間なのか」
をちゃんと説明します。
楽しい時間だけど基本は勉強の時間、というの点を抑えます。

そうしてオリエンテーション&読み聞かせ。
今日はまず1冊目、

を読みます。
長い絵本だけれどみんな最後まで集中して聞いてくれました♪
後の図書館での過ごし方についてもきちっと質問したら答えてくれました。
出だし順調!

そうして、ここで「今日覚えること」を今一度確認して、
ここからさらに楽しい読み聞かせタイム。
お次は、まず小さい方の

を出してきます。
「あ!これ知ってる~!」「見たことある~!」という声がチラホラ。
そう、その声を待っていたのです…予定通り!
ここで、

「え~、みんな知ってるんや~。じゃやーめた!」

と言って引っ込めます。
そうしたら「えぇ~、ぼく知らんのに!」「聞きたいー!」
という声が当然出てきます。
そ・こ・で!

カウンターの下に隠していたビックブックを引っ張り出します!
「うわーー!」「でっかーー!!」引率先生も目が点になっていました(笑)
ふっふっふ、狙い通り!大成功です♪

これだけやって、ちょうど45分ぐらいで終わります。
片方のクラスは少し時間が余ったので、絵本棚から

を引っ張り出してきました。
これも絶対に外れない、鉄板絵本ですね。
途中のてんこもり小学校の校歌をウチの校歌のメロディで歌う、
というのが私の定番です♪これもめっちゃウケますよ~

というわけで、1年生最初の読み聞かせは1限フルに使って行いました。
実は1限丸々読み聞かせするのは初めてだったんですが、
結構喉に来ますね~。けど慣れれば喉が鍛えられるかな?


学校図書館用案内仕切り板・9類小説

sikiri

大人と子どもでは目線や注意力が違います。大人なら難なく気付くような案内板も、子どもには小さすぎて目につかず気づかれないことも。そんな点をふまえて作ったのが、「学校図書館用案内仕切り板」です!

B4サイズで書架からはみ出すので、「大きすぎるのでは?」と思われるかもしれま
せんが、「書架のはみ出す」というのが重要なんです。

棚の奥行きより小さくなると、真横から見たら板が見えなくなります。見えなくなると子どもの視線に入らず、子どもの視線に入らないものはすべて「存在しないこと」になってしまうのです。

使い方はいたって簡単、印刷して同じものを背中合わせにし、ラミネートするだけです。棚の大きさに合わせて縮小印刷等で他のサイズにも変更可能です。今回のアップはとりあえずカタカナのみですが、順次他の類もアップしていきます。

(1)9類文学作品・著者順用青色二重細枠カタカナ ア~ワ & 枠変更用
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↑をクリッするとダウンロードがスタートします。
ア~ワの全カタカナと、アのみのWordファイルが入っています。アのみのものは枠の変更用です。枠の色や太さを他のものに変更したければ、このアのみの方の枠の太さや色を変更し、コピー&貼付けで枚数を増やし、その後に文字を変更してください。少し手間がかかりますが、自分好みの枠に変更できます。


学校図書館年間活動予定表作成例

1学期
4月 図書 (第1週)オリテーション)
(第2週)春のおはなし読み聞かせ
(第3週)
(第4週)端午の節句に関するブックトーク・読み聞かせ
(授業関連)各学年栽培に関するブックトーク・読み聞かせ
展示 ・祝入学!新たなスタートに関する本
業務 ・年間計画作成・職員会議にて計画 の説明
・新入生利用者登録
・オリエンテーション
5月 図書 (第2週)母の日の読み聞かせ
(第3週)
(第4週)
(行事にあわせて)遠足に関する読み聞かせ
展示 ・すくすく育つかな?栽培植物特集
業務 ・図書発注スタート
・課題図書の発注
6月 図書 (第1週)歯に関するブックトーク・読み聞かせ
(第2週)梅雨に関するブックトーク・読み聞かせ
(第3週)父の日の読み聞かせ
(第4週)課題図書の紹介
展示 ・雨の音をBGMに…雨のおはなし、しずかなおはなし
業務 ・課題図書の読み込み・紹介
7月 図書 (第1週)七夕に関する読み聞かせ
(第2週)夏休みに関する読み聞かせ
展示 ・夏休みのオススメブック!
業務 ・課題図書用図書だより作成
・夏休み特別貸出実施
2学期
8月 図書 (登校日)戦争・平和に関する読み聞かせ
展示 ・戦争・平和について考えよう
業務 ・図書室内整備
9月 図書 (第1週)敬老の日の読み聞かせ
(第2週)9・11テロに関するブックトーク・読み聞かせ
(第3週)運動会に関する読み聞かせ
(第4週)十五夜・お月様に関するブックトーク・読み聞かせ
展示 ・読書でスポーツを楽しもう!スポーツ本特集
・食欲の秋!おなかがグーグーなっちゃう本
業務 ・夏休み貸出本の督促
10月 図書 (第1週)秋祭りの読み聞かせ
(第2週)
(第3週)
(第4週)ハロウィンのブックトーク・読み聞かせ
展示 ・祭りだ祭りだ!祭礼関連本特集
業務 ・秋の読書週間イベント準備開始
11月 図書 (第1週)読書週間に関するイベント
(第2週)
(第3週)
(第4週)
展示 ・これがオススメ!秋の読書先生イチオシ本
業務 ・秋の読書週間記念イベント
12月 図書 (第1週)
(第2週)クリスマスの読み聞かせ
展示 ・きみの家にもサンタさんは来るよ♪クリスマス特集
業務 ・冬休み特別貸出
3学期
1月 図書 (第1週)お正月に関するブックトーク・読み聞かせ
(第2週)阪神・淡路大震災に関するブックトーク・読み聞かせ
(第3週)冬・雪のブックトーク・読み聞かせ
(第4週)節分・大豆に関するブックトーク・読み聞かせ
展示 ・お~さむこさむ♪冬のおはなし
業務 ・冬休み貸出本の督促
2月 図書 (第1週)
(第2週)
(第3週)
(第4週)
展示 ・これが◯◯学校ベスト10!特集
業務 ・年度末関連の業務準備
3月 図書 (第1週)
(第2週)
(6年生最終)卒業に関する読み聞かせ
展示 ・卒業おめでとう!旅立ちの本
業務 ・春休み前の返却督促
・今年度の反省
・来年度学校図書館教育計画作成
・年度末関連業務

学校図書館の1年間の主な活動を月ごとにまとめた一覧表です。日々の活動の備忘録として、また読み聞かせの参考にご活用ください!

「図書」は主に読み聞かせに関する予定表です。各週で特に関連するテーマがある場合は予定を入れています。「展示」は学校図書館などで展示コーナーがある場合の参考として、月ごとの展示テーマを入
れています。「業務」は学校図書館を1年間運営していく上での外せない業務を入れています。

なお、この年間予定表は必ずしも全ての行事や業務を入れているわけでは在りません。校外学習や修学旅行な
ど各学校で実施時期が異なる行事やその学校独自の行事などはご自身で予定を入れてください。
また、「この時期はこんな行事があるよ」などご指摘いただければ新たに予定を入れてアップしますので、ご一報くださればありがたいです♪

なお、自分なりにアレンジしたい方は↓をクリックして、Wordファイルをダウンロードしてお使いください♪
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