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うさぎのくれたバレエシューズ

その女の子は踊りが大好きでしたが、バレエ教室に5年もかよっているのに、踊りが上手になりませんでした。お星様にも、おつきさまにもどんなにお願いしても…。そんなある日、女の子に1足のバレエシューズが届きました。そのバレエシューズをはいてみると、不意に体が軽くなって、足が一人でにはねあがって…

絵本を読み始めて1ページ目、とても寂しそうな女の子の絵。冷たそうな壁、殺風景な部屋に伏し目がちで立っている女の子の姿からは、上手く踊れない悲しみが伝わってきます。それがどうでしょう。ページをめくっていくたびに色鮮やかになり、女の子の表情も明るくなり、軽やかな風が吹き渡っているかのような動きのある絵になります。そのキーとなっているのが桜色。、各場面の物語が読者の心に与える、読者の心に感じさせる「何か」を、この桜色が上手く表現しているのです。絵だけでもこれだけのものなのですから、物語は言うまでもありません。春、桜が舞う頃にこのおはなしを読んであげてください♪

ちなみに、ビッグブックもあります↓


イボイボガエルヒキガエル

「ヒキガエルってなんか気持ち悪い~」「さわったらイボできるんやろ?」というあんまり良い印象がないヒキガエル。けど実はみんなヒキガエルのこと、あまり詳しく知らないのでは?そんなヒキガエルにスポットをあてたのがこの絵本!これを読むと「ヒキガエルって意外とかっこいいがな…今までバカにしてすまんかった!」という気持ちにちょっとなります(笑) けど、ただ単に豆知識的な本で終わらずに、表情豊かなヒキガエルの絵と関西弁で熱弁している文章によって、とても魅力的な絵本になっていますよ!春、カエルが目覚めるころにどうぞ♪


みんなともだち

歌としても有名なこの絵本。幼稚園の卒園式を、思い出とともに描いています。その思い出の一つ一つのシーンに出てくる子どもたち、よく見るとそれぞれその子たちの性格や個性、そして成長がにじみ出ていて、う~ん、思わずじ~んときます。幼稚園はもちろんのこと、6年生に読んでも面白いかもしれません。あ、卒業シーズンに音楽室からこの歌が聞こえてきたら、ぜひ読んであげてください!


ともだち

けんかの強いあの子は、歌の上手いあの子は、絵の上手いあの子は、よく笑うあの子は、いったい20年後何になってるのだろう?そんな「ともだち」たちの20年後のお話…

まさに卒業シーズンぴったりの絵本。けんかの強い子やよく笑う子が出てきたところでは「あ、これは○○や!」とか言う声が出ます。「君たちは20年後、どうなっているのかな?」と言う話とともに最後をしめて、そこからこれから歩んでいく道につなげていき、『きみの行く道』につなげれば卒業読み聞かせはこれでオッケー!


ぜつぼうの濁点

ひらがなの国の「や」行の町にころがっていた濁点。濁点だけがころがっているなんて「読めもしない」椿事に何事かと「や」行の町の住人が集まり、濁点に訳をたずねてみると、濁点は「自分は『ぜつぼう』に長年使えた濁点でした」と語り始めた…

「濁点」というひらがなの特性を生かしたストーリーなんですが、これが良い話なんですよねぇ…途中ぷっと笑うところもありつつ、最後は見事なハッピーエンド。絵も独特の色使いと太い線のタッチで味があります。タイトルに引かれて興味を持った方、ぜひ読んでください。きっと期待通りの作品ですよ♪


きみの行く道

きみは、これから外の世界に飛び出して行く。きみには「脳みそ」がつまっていて、「足」がある。行きたいところへはどこへだって行けるし、きみは何でも知っている。だれよりも早く飛んでいくことができる!けれど…そうじゃない時もある。迷うこともある。立ち止まって動けなくなる時もある。けど、大丈夫。君ならきっと、また進んでいける!

いやはや、卒業シーズンにこれほどふさわしい絵本はそうなない(って『ともだち』でもおんなじこと書いてますが)。旅立つ子どもたちにぜひ送りたい絵本。あ、旅立っていく大人のともだちに送るのも良いかも。スタートする背中を力強く押してくれる物語です!